厚木一番街商店街の新旧入り交じった建物の風景

厚木市は「借りて住みたい街ランキング」で1位にも輝いている人気の街。厚木市を代表する本厚木駅には大型商業施設が併設され、駅からは都心まで小田急線一本で行くことができる。さらに駅から離れると、七沢森林公園、あつぎ温泉郷など自然を感じられるスポットがさまざまある。この都会と自然のバランス感も好評のようだ。ちなみに小田急線には厚木駅もあるが、住所はお隣の海老名市。なので、今回は本厚木駅を中心にご紹介しよう。

道行く人でにぎやかな本厚木駅前。
道行く人でにぎやかな本厚木駅前。

本厚木駅北口のメインストリートが、県央唯一の歩行者専用商店街・厚木一番街商店街だ。チェーン店が多いものの、老舗やニュースタイルな店舗など、個人商店も頑張っている。パルコを改装し、厚木市の新たなランドマークとなったアミューあつぎの9階には、『あつぎのえいがかん kiki』がある。支配人代理の金木翼さんは「ガラス張りのロビーから見下ろす新旧入り交じった建物の風景が好きです」と話す。

夜には多くの人が訪れる厚木一番街商店街。
夜には多くの人が訪れる厚木一番街商店街。
「モーリヤスポーツ」と書かれたレトロなビルも目を引く。
「モーリヤスポーツ」と書かれたレトロなビルも目を引く。

そう、厚木一番街商店街があるエリアにはあまり高いビルがないが、県道603号を挟んだ向かい側には高層マンションが並ぶ不思議な光景。一方の県道40号沿いには、長屋のような3階建てのビルが。さらに北に歩けば、シャッターに江戸時代の情景が描かれた古めかしい建物がずらりと並ぶ。調べてみれば、このあたりにはかつて「厚木宿」があったようで納得。今と過去が重なり合う光景は見物だ。

店舗のシャッターには宿場町をイメージした絵が描かれている。
店舗のシャッターには宿場町をイメージした絵が描かれている。

住宅地から生まれつつある新たな街の肖像

一方、本厚木駅南口周辺には多くの飲食店が並ぶ。駅から少し離れればとたんに住宅地が広がるが、その街並みになじむように個性光る名店が点在するのだ。

旬のフルーツを使ったスイーツが人気の『ニルカフェ』や、野菜がふんだんに楽しめる『はるひごはん』は、できるだけオーガニックにこだわった料理が好評で、どちらもテイクアウトできる。2023年4月にオープンした『にじのおやつ』のスコーンも買って、公園や相模川の河川敷でいただくのも気持ちいい。

「近隣の街から訪れる方もいるので、この店を通じて厚木をどんどん盛り上げていきたいです」と話すのは『ほっこりや』店主の津森英里花さん。厚木市出身の津森さんが話すように、この街には確実に新しい風が吹き始めている。数年後はどんな姿になっているのか、今から楽しみだ。

最勝寺にある子安地蔵。
最勝寺にある子安地蔵。
駅前のにぎやかな風景と反する厚木サンロードの通路。
駅前のにぎやかな風景と反する厚木サンロードの通路。
老舗の町中華なども目を引く。
老舗の町中華なども目を引く。
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『あつぎのえいがかん kiki』

最高環境で楽しむ市内唯一の映画館

支配人代理の金木翼さん。
支配人代理の金木翼さん。
大型のスピーカーを設置したスクリーンが3つ。どれも最高の音響。
大型のスピーカーを設置したスクリーンが3つ。どれも最高の音響。
広々としたロビー。上映される映画のポスターやチラシが所狭しと並ぶ。
広々としたロビー。上映される映画のポスターやチラシが所狭しと並ぶ。
「みんなの映画感想ノート」には、映画ファンの熱い思いが書かれる。
「みんなの映画感想ノート」には、映画ファンの熱い思いが書かれる。

映像や音響などの機器を設置する会社が運営するため、最新の機器で映画を楽しめる。ジャンルにこだわらずさまざまな映画を上映しており、作品のリクエストができるのも魅力。

・9:00~22:00(上映により異なる)、無休。鑑賞1900円。
・☎046-240-0600

『ストウブビストロ はるひごはん』

心も体もよろこぶ旬を感じる料理

「テイクアウトのお弁当も人気です」とスタッフの吉岡千佳さん(中央)。
「テイクアウトのお弁当も人気です」とスタッフの吉岡千佳さん(中央)。
ノンオイルベジミネストローネ495円(上)、きのこたっぷり鶏肉の無水煮込み715円。
ノンオイルベジミネストローネ495円(上)、きのこたっぷり鶏肉の無水煮込み715円。
人気のデリプレート。厚木産野菜を中心に使用。
人気のデリプレート。厚木産野菜を中心に使用。

無水調理ができるストウブ鍋で作る料理が好評。デリプレート1320円は、ガパオやチキンキーマなど、たっぷりと野菜をとれる6種類の総菜がのる。野菜のうまみを堪能できる。

・11:00~14:30LO(テイクアウトは10:30~17:00)、月休。
・☎046-258-6873

『ethical life store ほっこりや』

自然食品の量り売り専門店。身体にうれしいものばかり

「これからはワークショップも行っていきたいです」と店主の津森英里花さん。
「これからはワークショップも行っていきたいです」と店主の津森英里花さん。
県央にはあまりない量り売りの専門店だ。
県央にはあまりない量り売りの専門店だ。
子供のおやつにもぴったりなドライパイナップル。
子供のおやつにもぴったりなドライパイナップル。

有機栽培の食材を中心に、ナッツや豆類などを販売。身体にいいだけでなく、量り売りでゴミを出さないため環境にもやさしい。凝縮した甘みのドライパイナップル100g833円が人気。日用品も販売する。

・11:00~17時:00(火・水・土は~19:00、変更の場合あり)、日休。
・☎046-259-7708

『スコーンと焼菓子 にじのおやつ』

素材を生かす季節のスコーンも人気

店長の井上知美さんとスタッフの大山智子さん。
店長の井上知美さんとスタッフの大山智子さん。
京都宇治抹茶290 円やくるみといちじく320円など。
京都宇治抹茶290 円やくるみといちじく320円など。
アンティーク風の店内にスコーンが並ぶ。
アンティーク風の店内にスコーンが並ぶ。

「ちょっと早めに食べたくなるおやつ」がコンセプトで、スコーンをメインにクッキーなどが並ぶ。プレーン230円は、バターの風味と国産小麦の香りが楽しめる。オリジナルブレンドの紅茶580円も人気。

・10:00~19:00(売り切れ次第閉店)、不定休。
・☎046-210-3219

『サンクトガーレン タップルーム』

飲み比べをして好みのビールを探そう

「選べる4種飲み比べ」1540円は、モチッとしたマルゲリータ858円と一緒に楽しもう。
「選べる4種飲み比べ」1540円は、モチッとしたマルゲリータ858円と一緒に楽しもう。
タップからビールを注ぐ副店長の岩垂陽子さん。
タップからビールを注ぐ副店長の岩垂陽子さん。
カフェとしても利用できる。
カフェとしても利用できる。

日本の地ビールの元祖ともいわれるサンクトガーレンの直営店。濃厚なIPAで、果実使用のさっぱり味など約20種のクラフトビールが揃う。

・12:00~23:00(月は~22:00、土・祝は11:00~、日は11:00~22:00。フードLOは1時間前、ドリンクLOは30分前)、無休。
・☎046-230-7017

『ニルカフェ』

旬のフルーツのスイーツが人気

ゴロッと大きなフルーツが入るトフィーパイ。アイスカフェラテ550円。
ゴロッと大きなフルーツが入るトフィーパイ。アイスカフェラテ550円。
緑あふれる住宅街にある。
緑あふれる住宅街にある。
温かみのある店内。
温かみのある店内。

イギリスのパイ菓子「バノフィーパイ」をアレンジしたトフィーパイ650円~が名物。オーナーシェフが丁寧に手作りしている。

・11:30~15:00LO(金・土・日は~19:30LO)、水休(祝の場合は翌)。
・☎046-229-9600

『和の食 KOHAKU』

こだわりの酒と素材を大切にした料理を

店主の遠藤強司さん。
店主の遠藤強司さん。
パルミジャーノそばや鯛の湯引き大根おろし和え1280円など、酒がどんどん進む料理が豊富。
パルミジャーノそばや鯛の湯引き大根おろし和え1280円など、酒がどんどん進む料理が豊富。
思わず立ち寄ってしまいそうなほんのりとした灯りがいい。
思わず立ち寄ってしまいそうなほんのりとした灯りがいい。

白を基調とした店内が印象的。純米酒やオーガニックワインなど、こだわりの酒が揃う。料理は出汁を効果的に使い、有機食材や地元産など、素材のおいしさを楽しめる。パルミジャーノそば1100円は、手打ちそばにたっぷりと粉チーズをかけた人気メニュー。

・18:00~23:30LO、月休。
・☎046-229-0200

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「厚木のキャラはボクだ!」。厚木市役所前にて、あゆコロちゃん。
「厚木のキャラはボクだ!」。厚木市役所前にて、あゆコロちゃん。
「ゆる〜く対抗中……」。厚木市非公認キャラクターあつお。
「ゆる〜く対抗中……」。厚木市非公認キャラクターあつお。

取材・文=速志 淳(アド・グリーン) 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2023年9月号より