リーズナブルなのにゴージャスなランチ
『菜厨瑠』のランチメニューは、気軽に食べられるパスタLunch1800円、一番人気のポトフLunch2400円、優雅Lunch3950円までの3種類のコース。ポトフLunch2400円と優雅Lunch3950円は2名から注文が可能。
ポトフLunch2400円を注文した。
前菜の盛り合わせ、岩手県産鶏肉とお野菜のポトフ、本日のパスタ、デザート2種、コーヒーまたは紅茶がコースで提供される。ランチでは別途300円でワインやビールを頼むことができる。
前菜は、コンソメのジュレが入ったサツマイモのスープ、キノコとお野菜のラタトゥイユ、鶏のテリーヌ。テーブルにぱっと花が咲いたような鮮やかさだ。
スープは『菜厨瑠』で一番人気のポトフ。しっかりと火は通っていて柔らかいが、素材ごとの味ははっきりと残っている。
好みに合わせてオリーブオイルや粒マスタードで調味しながらいただく。半分ほど食べすすめたところでトマトを潰してトマトスープにすると、酸味の効いたさっぱりした味わいを楽しめる。一番人気も納得のおいしさだ。
この日の日替わりパスタは、イカのトマトソース。トマトのうまみがたっぷりかつさっぱりとした味で、ボリュームたっぷりのポトフの後でもするすると入る。
おいしい料理で満足した後は、コーヒーまたは紅茶と共に手作りのデザートで締める。まさに至福のひと時。ポトフのボリュームがたっぷりあるので2人で食べても十分満足できる。
フレンチレストランだけどポトフ屋『菜厨瑠』のこだわり
『菜厨瑠』は、この場所で20年以上親しまれているレストラン。そこで10年以上働いていた後藤慶成氏が、当時のオーナーに替わって2022年の9月から店主を務めている。
以前からポトフは人気メニューだったが、後藤氏に替わってからより一層力を入れるようになったという。「フレンチレストランですが、ポトフ屋という気持ちでやっている。もっとポトフを定着させたい」という後藤氏のポトフは、出汁を使わず、素材ごとに鍋を分け、煮る時間も素材や季節に合わせ、個々に調整して塩のみで味付けしているという。
素材だけの素朴な味だが、奥深く滋味に富んでいる。最終的に一つの鍋に入って届けられるが、しっかりと煮込まれているのにも関わらず、個々の素材の味がはっきりと残っているのはこだわりのたまもの。
『菜厨瑠』で気軽にフレンチランチ
『菜厨瑠』は、手入れの行き届いた落ち着いた雰囲気の中、本格的なフレンチのコースランチがお手頃な価格で楽しめる。とくに手間をかけて作られているこだわりのポトフは、やみつきになることまちがいなし。
取材・文・撮影=かつの こゆき