スタート:JR・地下鉄・私鉄上野駅―(2分/0.2㎞)→国立西洋美術館―(1分/0.1㎞)→国立科学博物館―(4分/0.3㎞)→東京国立博物館―(13分/0.9㎞)→寛永寺―(4分/0.3㎞)→国立国会図書館 国際子ども図書館―(2分/0.2㎞)→旧東京音楽学校奏楽堂―(すぐ)→上野恩賜公園―(5分/0.4㎞)→上野東照宮―(5分/0.3㎞)→清水観音堂―(5分/0.4㎞)→台東区立下町風俗資料館―(11分/0.8㎞)→横山大観記念館―(6分/0.4㎞)→旧岩崎邸庭園―(3分/0.2㎞)→湯島島天神―(13分/0.9㎞)→アメ横―(7分/0.5㎞)→ゴール:JR・地下鉄・私鉄上野駅
今回のコース◆約6㎞/約1時間20分/約8000歩
1 国立西洋美術館
世界的な絵画と世界遺産の建物
印象派の絵画やロダンの彫刻など西洋美術を専門とする。ゴッホ、マネ、ルノワール、モネなど、誰もが知っている画家の作品を常設展示(展示替えあり)。ル・コルビュジエが設計し、昭和34年(1959)に竣工した建物は世界文化遺産に登録されている。
写真提供=国立西洋美術館
2 国立科学博物館
恐竜好きなら見逃せない骨格標本
日本館と地球館の2棟がある。日本館での注目は3階北翼のフタバスズキリュウの全身骨格標本。地球館では宇宙史・生命史・人間史を標本・資料と映像でたどる「地球史ナビゲーター」が必見。
3 東京国立博物館
日本で最も長い歴史のある博物館
日本と東洋の美術・考古資料などを収集・展示している。本館、平成館、表慶館、東洋館、法隆寺宝物館、黒田記念館に分かれ、収蔵品は約12万件に及ぶ。うち国宝89件、国の重要文化財644件がある。
4 寛永寺
篤姫も眠る徳川家の菩提寺
徳川家康、秀忠、家光の帰依を受けた天海僧正が、江戸城の鬼門にあたるこの地に寛永2年(1625)に創建。かつては現在の上野公園一帯が寺領だったが、上野戦争で多くの堂宇を失い、境内地も没収され、現在の規模となる。
5 国立国会図書館 国際子ども図書館
約40万冊の絵本や児童書を所蔵
レンガ棟は明治39年(1906)に帝国図書館として建てられ、昭和4年(1929)に増築されたルネサンス様式の建物。平成12年に国立の児童書専門図書館として開館。児童書に関する展示会を開催するほか、見学ツアーなどを実施する。
6 旧東京音楽学校奏楽堂
木造の音楽ホールは国の重要文化財
明治23年(1890)に東京音楽学校(現東京藝術大学音楽学部)が創設した日本最古の洋式音楽ホール。かつて瀧廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人初のオペラを公演。
7 上野恩賜公園
歴史と文化が薫る日本初の公園
明治維新の上野戦争の舞台で、西郷隆盛像の近くに上野戦争で敗れた彰義隊の墓がある。震災や戦災に遭い顔だけが残った上野大仏がユニーク。美術館、博物館、動物園などを中心とした“文化の杜”として親しまれている。
8 上野東照宮
家康を祀る荘厳華麗な社殿
寛永4年(1627)、藤堂高虎が造営。現存する唐門、社殿、透塀は慶安4年(1651)に徳川3代将軍家光によって造営された。参道には全国の大名が寄進した48基の銅灯籠が並ぶ。1月~ 2月中旬、4月中旬~ 5月中旬にはぼたん苑が開苑する。
9 清水観音堂
京都と同じ舞台造りの本堂
寛永8年(1631)、寛永寺開山の天海僧正が京都の清水寺を模して建立。元禄7年(1694)に、寛永寺の根本中堂が建設されるに伴い、現在地に移築された。上野の山に現存する建築年が明確なものでは最古の建造物となる。
10 台東区立下町風俗資料館
大正・昭和の下町の暮らしがよみがえる
1階は大正時代の下町を再現したジオラマ展示。出し桁(げた)造りの商家のほか、駄菓子屋や銅壺(どうこ)屋が並ぶ長屋が再現され、部屋に上がって見学できる。2階には下町にゆかりの資料や生活道具、玩具などが展示されている。
11 横山大観記念館
大観が愛した日本庭園
日本画の大家・横山大観が90歳で没する昭和33年(1958)まで住んだ家。遺族から作品や遺品が寄贈され、昭和51年(1976)に記念館として公開。大観の作品を中心に約2000点を所蔵する。
12 旧岩崎庭園
優雅な邸宅は細部の意匠にも注目
三菱財閥第3代社長の旧本邸で、20棟以上が立っていたという。明治29年(1896)にイギリス人建築家のジョサイア・コンドルが設計した洋館とビリヤード場、政財界の大物たちの住居を数多く手がけた大河喜十郎が施工した和館の大広間が現存する。
13 湯島天神
受験生の願いを受け止める天神様
雄略天皇2年(458)創建と伝えられる古社。南北朝時代の正平10年(1355)に学問の神様・菅原道真を合祀する。境内は梅の名所で、紅白約300本の梅があり、2月中旬~ 3月上旬の花の時季には梅まつりを開催する。
14 アメ横
玉石混淆の雑多な品ぞろえも魅力
上野駅から御徒町駅にかけて、JR高架下を中心に約500mにわたって続く商店街。戦後、海外からの引き揚げ者が米軍の払い下げ物資を販売した闇市と、当時は統制下にあった貴重な砂糖を使用した飴を中心に商う人々が軒を連ねていたのが始まり。現在は約400の専門店があり、食品をはじめ、さまざまな業種がそろう。
歩いたらもっと美味しいごほうびグルメ
多古久
100年超えのおでんの老舗。色は濃いが意外とあっさり
明治37年(1904)創業。出汁と醤油、煮切りを大きな銅製の丸鍋に張って、具材から出る水分だけでじっくり煮込む色の濃い関東風おでん。大根やこんにゃく各200円は丸2日間かけて
煮込むのでしっかり味が染みている。
上野 井泉本店
特製ソースで味わう箸で切れるとんかつ
昭和5年(1930)創業。「お箸で切れるやわらかいとんかつ」で知られる井泉の本店。創業当時は下谷花柳界の芸者衆の利用が多く、彼女たちのために初代女将が考案したのがカツサンド6切れ900円。ヒレかつ定食1850円。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)