【東急池上線】洗足池駅近くの小道
低すぎてかがまないと通れない!
建物の脇から見えるその姿。支間は約3m、桁下の高さはざっと1.5m、まともに歩けば枕木に顔が当たりそう。低いながらも高架橋なのかと思えば、正式名称は「洗足池架道開渠」。手前と奥に高低差があり、抜け出た先には石段が。人とのすれ違いも緊張するが、やはり頭上を電車が通過する瞬間がドキドキマックス。
【京成本線】上野駅から日暮里駅
地下から飛び出したら「えっ、空中⁉」
京成上野駅の地下ホームを出発し暗闇を走ること約2分、日を感じ地上に出たと思ったら、車窓に広がる風景と思わぬ高さにどっきり。大きな弧を描いてグインと上昇しながらJRの線路を眼下に谷中霊園を望むパノラマは、まるで空中散歩をしてるよう。上野桜木の住宅地からニューッと現れる姿にもドキドキ。
【東武アーバンパークライン】船橋駅の構内
矢印多すぎ! 一体どこへ導くの?
改札とホームの間の階段下に無数の矢印! 直径約30㎝の円が床のマス目をびっしり埋める様子は、巨大オセロみたいにも見えてくる。携帯などの「ながら歩き」によるトラブル対策にと、2018年夏から、視線が向きがちの床面に矢印シールを徐々に増やしたそう。黄色は改札口へ、青色は乗車場所へ誘導する。
【東武浅草駅のホーム】
ホームの延伸が生んだ乗降珍風景
百貨店併設のターミナルビルである浅草駅は、昭和6年(1931)の開業時は直線上で4両編成に対応。戦後、編成両数の増強に伴いホームを延伸し、1974年より今のような先端があまりにも細く曲がったホームに。それゆえ、8両編成で到着すれば後ろ2両はドアが開かない! 特急に乗れば渡り板も利用できるぞ。
【JR中央線・総武線】御茶ノ水駅の乗り換え
ホーム上にアーチがいっぱい!
1・2番線ホームの1両分の長さにポコポコと7つ連なる、高さ1.5m、厚さ1.25mのアーチ群。中央線と総武線の乗り換えのたびにくぐるのは、頭をぶつけそうでドキドキするがちょっと楽しい。実はこれ、すぐそばの道路橋である聖橋の橋台。現在の場所に駅が建てられる前からあり、橋の反対側の橋台にも同様のアーチが。ホーム上の行き来に有効活用⁉
【JR鶴見線】海芝浦駅
ドアが開けば一面の海しかない!
到着した列車のドアが開けば、目の前は京浜運河! 昭和15年(1940)に開業した鶴見線海芝浦支線の終着駅は、改札の外は東芝の系列会社の事業所で関係者以外立ち入り禁止。脇の小さな海芝公園に行くしかない! 電車の本数は1時間に平均1 ~ 2本、帰りの時刻を気にしつつ、のんびり海を満喫しよう。
【JR埼京線】北戸田駅
えっ、人がこんなに小さく見える⁉
塀と新幹線の線路に挟まれるのでその高さの実感は湧きにくいが、見下ろせば人の小ささにびっくり。地上からホームまでの最高地点は約20m。日本一高いといわれた地方の某高架駅と並ぶ高さだ。駅北側にある国道298号の上を走る東京外環自動車道をさらにまたぐ必要があったのだそう。改札内の階段は126段もある。
【東武スカイツリーライン】堀切駅
迫りくる列車とカーブがたまらない!
駅に着いた列車が思いきり傾くほど、ホーム全体がカーブする(曲線半径400m)。遠心力に負けずグーッと曲がり迫ってくる走行姿がたまらない。また、東口改札は目の前が壁でどっきり。これは荒川の西側堤防で、3mほどの高さの下に駅舎があるのだ。荒川の改修で大正13年(1924)に現在地に移転した。
【東急大井町線】九品仏駅のはみ出し
到着しても降りられない⁉ 開かずの車両
到着直前、「後ろ(前)1両はドアが開きません」と流れる車内アナウンス。焦って車両を移って下車すれば、本当だ、1両ホームからはみ出てる! ホームの長さは4両分しかなく、各駅停車の5両編成は1両だけ乗り降りできないのだ。乗客は慣れたもので慌てる姿はほぼ皆無だが、“うっかり”にはご注意を。
取材・文=下里康子 撮影=山出高士
『散歩の達人』2021年9月号より