スタート:JR武蔵野線東浦和駅ー(6分/0.3km)→見沼通船堀ー(12分/0.6km)→鈴木家住宅→(14分/0.7km)→木曽呂の富士塚ー(64分/3.4km)→浦和くらしの博物館民家園ー(13分/0.7km)→さいたま市園芸植物園ー(9分/0.5km)→大崎公園ー(23分/1.2km)→見沼代用水東縁ー(9分/0.5km)→国昌寺ー(14分/0.8km)→総持院ー(19分/1.0km)→見沼用水西縁ー(16分/0.8km)→氷川女體神社ー(52分/2・8km)→清泰寺ー(12分/0.6km)→ゴール:JR武蔵野線東浦和駅
今回のコース◆約13.9km/約4時間30分/約1万8600歩
1 見沼通船堀
パナマ運河より古い閘門式運河
見沼通船堀は、享保16年(1731)に開通したわが国有数の古さを誇る閘門(こうもん)式運河。閘門式とは、2つの水門の間に水を溜め、水位差を調整して舟を移動させる仕組みで、同じような仕組みのパナマ運河よりも約180年も古くに造られた。新たに復元された閘門を見学できる。
2 鈴木家住宅
通船堀の歴史資料を展示する旧家
鈴木家は、見沼の干拓事業に参加し、見沼通船堀開通後は、舟の積み荷や船頭の割り振りなどを行う役職を務めた。文政年間(1818~31年)頃建築の母屋は非公開だが、江戸時代後期建築の米倉や納屋、2分の1サイズに復元されたひらた舟などを公開する。
3 木曽呂の富士塚
現存する県内最古の富士塚
寛政12年(1800)に富士講の一派である丸参講の信者によって築造された。盛り土の高さ5.4m、直径20mの塚は、全体が盛土で築かれており、火口・お中道・胎内めぐりの穴などを見ることができる。周囲には往時の石造物が数多く残り、現存する県内最古の富士塚と伝わる。
4 浦和くらしの博物館民家園
茅葺き民家や畑が広がる野外博物館
現存する市内最古の民家といわれる旧蓮見家住宅、塗屋造りの店蔵、明治期の煎餅屋など、江戸~明治にかけて建てられた建造物7棟を移築復原している。敷地内に池や水路、畑などを配し、その建物があった頃の様子を再現している野外博物館だ。
5 さいたま市園芸植物園
ヤシが茂りバナナが成る南国気分の温室
熱帯植物を植栽する大温室、熱帯果樹が見られる中温室、洋ランが咲く小温室の3棟の温室がある花き展示温室と、四季の花木を植えた花木園がある。展示コーナーでは、サクラソウ、バラ、山野草、ツバキなどテーマごとに四季の花を紹介。
6 大崎公園
休日は子どもたちの歓声が響く園内
約3万8000平方メートルの敷地に、芝生大広場、大型複合遊具の森の冒険砦、バッテリカーなどがあるファミリー向けのレジャー公園。アメリカアカリスやヨーロッパフラミンゴなどの中小動物が飼育されている子供動物園には、動物と直接ふれあえる「どうぶつひろば」があり、人気。
7 見沼代用水東縁
江戸時代の治水事業の偉業を知る
8代将軍徳川吉宗は、この地の新田開発を進めたが、見沼の水の代わりに利根川から水を引いたので見沼代用水と呼ばれる。利根川の水は、現上尾市瓦葺で西縁と東縁の2本に分かれ、見沼たんぼを潤した。芝川と東縁を結んだ見沼通船堀が史跡として残され、自転車・歩行者専用が整備され、桜並木が続く。
8 国昌寺
山門の欄間の龍は左甚五郎作
見沼にいた龍が、沼の干拓によって棲家を失い暴れ出した。怒りを鎮めるため、左甚五郎が門に龍を彫り、門に封じ込めたという伝説が残る曹洞宗の寺院。棺を担いでこの門をくぐり抜けると、龍に中身を喰われるといわれ、以来、開かずの門になった。
9 総持院
別名ボタン寺として知られる
天正5年(1577)、法印良秀によって開かれたという真言宗の寺。明治時代の火災で多くの建造物を失ったが、鐘楼門のみが残り、風格あるたたずまいが歴史を偲ばせる。本堂前に約650株のボタンが植えられ、4月下旬から5月上旬の花の時期は境内が一気に華やぐ。
10 見沼代用水西縁
春は桜のトンネル、夏は緑陰の道
行田市の利根川から取水した水路は、綾瀬川あたりから台地の縁に沿って東西2本に分流する。西側の台地に沿って掘削されたのが全長約22㎞の見沼代用水西縁。見沼たんぼあたりでは用水に沿って桜並木が続き、散策コースになっている。見沼通船堀公園も見沼代用水西縁沿いに位置する。
11 氷川女體神社
自然林に包まれた境内は厳かな雰囲気
創建は崇神天皇の時代と伝わる古社。現在の社殿は、寛文7年(1667)に4代将軍徳川家綱が忍城主(行田市)阿部忠秋に命じて建立したもの。クス、タブ、シラカシなどが茂る社叢(しゃそう)は市の天然記念物で、埼玉県の「ふるさとの森」にも指定される。
12 清泰寺
見性院の墓がある平安時代創建の古刹
慈覚大師が開いたと伝わる天台宗の寺。武田信玄の息女・見性院は、元和8年(1622)に没し、清泰寺に葬られた。本尊木造十一面観音立像は、さいたま市の有形指定文化財で、江戸時代初期の作と伝わる。12年に一度の午年(次回は令和6年)に開帳される。
蕎楽房 一邑
玄そば選びからこだわった店主自慢の手打ちそば
『神田まつや』や駒込の『小松庵』で研鑽を積んだ店主自らが、全国の名産地から玄そばを仕入れ、実の粒の選別を手がける。一番人気は野菜9品が付く野菜天せいろ1500円。ランチは小天丼や鮪づけ丼、いか天丼などの丼料理に、小盛りそば、小鉢、香の物付きで1000円。
取材・⽂・撮影=アド・グリーン