浅草の基礎知識
浅草は浅草寺の門前町として発展。江戸時代になると近くの蔵前に商人が店を構えたため、人・金・物が集まった。明暦3年(1657)の明暦の大火によって人形町から遊郭、さらに歌舞伎小屋や浄瑠璃小屋、繰り人形小屋なども移ったため、娯楽の街にもなった。明治以降は、展望塔・凌雲閣や演芸場、劇場、映画館などもできて隆盛を誇った。
浅草観光の目玉は浅草寺。総門の雷門や日本情緒がある仲見世、江戸の町並みを再現した伝法院通りなど、見どころ盛りだくさん。三社祭や浅草サンバカーニバルなどでもにぎわう。食通をうならせる店や名物居酒屋など、味処も満載。年間3000万人以上が訪れるのもうなずける。
1 仲見世
みやげやグルメなどの店舗が並ぶ
雷門から宝蔵門まで、約250mの浅草寺参道にある商店街。創立は享保年間(1688〜1736)頃で、日本で最も古い商店街ともいわれている。石畳と統一された電飾看板など、日本的な情景は外国人にも喜ばれている。古くから続くみやげ店やテイクアウトグルメなど、約90店舗が並んでいる。
2 浅草寺
毎日がにぎわう都内最古の寺院
推古天皇36年(628)開創という都内最古の寺院。檜前浜成・武成兄弟が、隅田川で観音様の尊像を発見し、持ち帰って祀ったのが始まりという。「浅草観音」とも呼ばれ、年間3000万人が訪れる。
3 浅草神社
三社祭は江戸三大祭の一つ
浅草寺の本尊を発見した檜前浜成・武成兄弟と、その像を安置した土師真中知が祭神。三社様とも呼ばれ5月中旬には三社祭が行われる。徳川家光が寄進した社殿は国の重要文化財。
4 待乳山聖天
何やら色っぽい大根と巾着のお供え
正式名称は本龍院というが、歓喜天(聖天)を本尊とすることからこの名で呼ばれる。境内には、健康と良縁、夫婦和合の意味がある大根、商売繁盛を表す巾着の彫刻などが見られる。寺の西側に池波正太郎生誕の地碑が立つ。
5 今戸神社
お参りをして縁結びの御利益を
康平6年(1063)に京都の石清水八幡を勧進したのが始まり。招き猫発祥の地といわれ、多くの招き猫が祀られる。縁結びの御利益で知られ、縁結びのイベントも開催している。
6 江戸たいとう伝統工芸館
職人の技術を伝える工芸品を展示
下町の歴史と風土の中で育まれた伝統工芸品を紹介。江戸すだれや東京桐タンス、江戸指物など、約48業種約250点を展示。週末には職人による製作実演も行っている。
7 浅草花やしき
小さい子供から楽しめる
嘉永6年(1853)に開園した日本最古の遊園地。日本現存最古のローラーコースターは、「最高時速たったの42km/h!落としたボルトは数知れず(←ウソ)」がキャッチフレーズ。
8 ホッピー通り
昼からホッピーをちょっと一杯
浅草寺の西側、大衆酒場が軒を連ねる一角は「ホッピー通り」や「煮込み通り」と呼ばれ、昼から酒が飲めるスポットとしてにぎわっている。軒先まではみ出したテーブルでホッピーを楽しもう。大きな豆腐がのった牛煮込みが名物の『正ちゃん』、モツ煮が旨い『赤とんぼ』などで、はしご酒を楽しむのもいい。
ヨシカミ
浅草芸人たちから愛されている洋食店
昭和26年(1951)創業。看板の「うますぎて申し訳ないス!」のとおり、自慢の洋食がメニューに並ぶ。濃厚なデミグラスソースが味の決め手のハヤシライス1350円は限定50食。
珈琲天国
懐かしい喫茶店メニューが並ぶ
注文を受けてから銅板で焼くホットケーキ1100円をはじめ、ホットドッグ380円やコーヒー600円などのメニューがそろう。飛切上等天国銘菓レモンケーキ700円はみやげに最適。
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『街がわかる 東京散歩地図』より