コロナ禍の30周年から5年。「この節目に関われることがうれしい」

1991年、新宿『LOFT』の姉妹店として下北沢に誕生した『SHELTER』。これから羽ばたこうとするバンドも、広く知られる存在になって戻ってくるバンドも、そのステージに立ってきた。35周年は、そんな日々の積み重ねの先にある節目だ。

「まずは35周年を無事に迎えられること、この節目のタイミングに関われることを大変うれしく思います。そして、ここまで関わってくれた全ての方々に心より御礼申し上げます」

そう話す義村さんにとって、今回の周年には特別な思いがある。5年前、30周年を迎えたときはコロナ禍。「完全な状態でやれない悔しさ」があったという。それでもアーティストが参加し、副店長をはじめスタッフ一丸となって取り組んだことで、大きな達成感を得られた。

ただ、その後も順風満帆だったわけではない。

「それ以降は正直燃え尽きてしまった部分もあったのですが、新たな出会いや、親しくしてくれている仲間、バンドのお陰で、どうにかここまでやってこれたと思います」

周年を盛り上げるのは、ステージに立つアーティストだけではない。公演をつくるスタッフ、足を運ぶ観客、日々の出会い。義村さんの言葉からは、そうした人たちに支えられてきた実感がにじむ。

「今回は完全な状態でお届けできるので、純粋にとても楽しみですし、きっと伝説の1カ月になると思っています」

10月は35公演の連続ワンマン! 日々のブッキングの集大成がここに

その「伝説の1カ月」となるのが、10月の「ONE EPIC MONTH」。35周年にちなんだ35公演の連続ワンマンライブだ。昼と夜に別々の公演が組まれた日もあり、1カ月をまるごと使って周年を祝う。

公式スケジュールを見ると、THE BAWDIES、HAWAIIAN6、PEDRO、a flood of circle、04 Limited Sazabys、People In The Box、ハルカミライ、ストレイテナー、ギターウルフなどが名を連ねる。さらにfOUL、NOT WONK、LOSTAGE、toddleなども登場。出演者を眺めながら、それぞれのライブを思い浮かべるだけでも楽しい。

出演者・開演時間・チケット情報は各公演の案内を確認しよう。

この顔ぶれについて、義村さんはこう説明する。

「日々ジャンルレスで格好良いアーティストをフォローし、発信し続けてきた集大成がまるっと1カ月に凝縮されています」

単に周年だから豪華な出演者を集めた、というだけではない。普段からどんな音楽に耳を傾け、誰のライブを届けてきたのか。その積み重ねを、1カ月のプログラムとして見せる企画なのだ。

すでに売り切れの公演もあるというが、義村さんは「チケットをGETできた方々は悔いのないよう全力で楽しんでもらえたら」と語る。気になる公演があれば、まずは最新の販売状況を確かめたい。

11月は「ZeppがSHELTERになります」。結束バンドも周年を祝う!

コロナ禍の影響を受けてしまった30周年から早5年。今回の35周年をぜひ満喫してほしいと店長の義村さんは語る。
コロナ禍の影響を受けてしまった30周年から早5年。今回の35周年をぜひ満喫してほしいと店長の義村さんは語る。

記念企画は10月だけでは終わらない。11月1・2日には、会場をZepp DiverCity(TOKYO)に移し、「SHELTER 35th Anniversary Finale “ZeppがSHELTERになります”」を開催する。

11月1日のDAY1には結束バンド、2日のDAY2にはサバシスターとフラワーカンパニーズが出演。DAY2のオープニングゲストには、寺中友将(KEYTALK)と、てんぷらDJアゲまさ a.k.a 小野武正(KEYTALK/Alaska Jam)も名を連ねている。

11月1、2日にはZepp DiverCityでアニバーサリーイベント「SHELTER 35th Anniversary Finale “ZeppがSHELTERになります”」を開催予定。
11月1、2日にはZepp DiverCityでアニバーサリーイベント「SHELTER 35th Anniversary Finale “ZeppがSHELTERになります”」を開催予定。

35周年企画をきっかけに、初めて『SHELTER』を訪れる人もいるはず。そんな人へのメッセージをお願いすると、義村さんはこんな素敵なアドバイスをくれた!

「SOLDOUTしてる日は人が多くかなり過酷なので、荷物は預けるなどして軽装でご参加いただき、水分補給をお忘れなく!」

ライブを存分に楽しむためにも、大きな荷物はあらかじめ預け、身軽な格好で参加したい。荷物を預ける場所や方法は事前に確認し、当日は無理せず、自分のペースで楽しもう。給水も心がけたい。

35周年という数字の背景にあるのは、日々のライブと、人とのつながりだ。コロナ禍を経たうえで義村さんが口にする「純粋にとても楽しみ」という言葉が改めて胸に重たく響く。35周年は『SHELTER』の通過点に過ぎないのだ。

開催概要

「下北沢SHELTER 35th Anniversary」

開催期間:「ONE EPIC MONTH」2026年10月1日(木)~10月31日(土)/「SHELTER 35th Anniversary Finale “ZeppがSHELTERになります”」11月1日(日)・2日(月)
開場・開演時間・料金:公演により異なる
会場:下北沢SHELTER(東京都世田谷区北沢2-6-10 仙田ビルB1)/Zepp DiverCity(TOKYO)(東京都江東区青梅1-1-10)
アクセス:小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線下北沢駅から徒歩2分/ゆりかもめ台場駅から徒歩10分、またはりんかい線東京テレポート駅から徒歩10分

【問い合わせ先】
下北沢SHELTER☎03-3466-7430
※チケットの販売状況や入場条件は各公演の案内を確認。
公式サイト:https://www.loft-prj.co.jp/schedule/shelter/35周年特設サイト:https://shelter35th.com/

文=半澤則吉 ※画像は主催者提供

プレイヤー、リスナー、あらゆる音楽フォロワー憧れの的である下北沢『SHELTER(シェルター)』。全国的にも知名度が高く、小沢健二の楽曲の歌詞にも登場する。足を運んだことがない人も、その店名は耳にしたことがあるかもしれない。今回はこの歴史あるライブハウスの店長、義村智秋さんにお話をうかがい、店の重ねてきた30年以上の歴史を追体験し、今のライブハウスのスタンスについても考えていく。 ※TOP画像提供:『SHELTER』 ankライブ風景撮影:Akira“TERU”Sugihara
下北沢、あるいはシモキタ。小田急小田原線と京王井の頭線が交わる地点にあり、渋谷からも新宿からもアクセスしやすい。駅を中心に約1キロ平方メートルという、決して広くはないエリアにあらゆる文化がギュッとひしめき合い、「バンドマンの聖地」「演劇の街」など異名は数しれず。いかにしてこの街は、人気のサブカルタウンとなったのか?