テナントだけじゃない『OIMACHI TRACKS』の見どころは?
早速目に飛び込んできたのが、圧巻のトレインビュー! 土曜日だったこともあり、JR東日本東京総合車両センターには平日よりも山手線のE235系がずらりと並んでいました。社宅の跡地に造られた『OIMACHI TRACKS』は、施設内のいたるところでトレインビューが楽しめるようになっています。
「HOTEL&RESIDENCE TOWER」にある『メトロポリタン 大井町トラックス』や『サウナメッツァ大井町トラックス』には、トレインビューが楽しめる部屋やサウナも用意されているので、要チェックです。
続いて向かったのは、1階北口ロータリーのバス停。実は、ここにレガシーを感じられる見どころがあります。壁一面に広がる赤レンガは、大正4年(1915)の大井工場(現JR東日本東京総合車両センター)の開設当時に建設されたレンガ倉庫の外壁を再生したもの。倉庫建設の1年前に完成した東京駅舎の赤レンガとも共通する技術が見られるそうです。バスの利用者でなければ、なかなかたどり着けない隠れスポットなのでした。
その後は、アウトモール型にテナントが連なる「CROSS PLAZA」を抜けて「TRACKS PARK」へ。芝生広場では、マルシェなどのイベントも開かれるほか、災害時には広域避難場所としても開放される重要拠点です。そしてここは何を隠そう、『散歩の達人』2026年5月号の表紙の撮影ポイントです! あいにくの曇天でしたが、表紙をかざして撮影する参加者の姿が印象的でした。
現在、『OIMACHI TRACKS』の隣では2029年秋に向けて品川区役所の新庁舎が建設中。これからも大井町の新たな拠点としてどんどんパワーアップしていきそうですね。
大井町の歴史は住宅地に眠る
『OIMACHI TRACKS』を出た後は、東急線の高架をくぐり、駅南側の住宅地へ。ここで活躍するとっておきのアイテムが古地図です。参加者には、『散歩の達人』2022年7月号で大井町を特集した際に掲載した、江戸時代の古地図を配布しました。
ほどなくして現れたのが、ビルの間に挟まれた「大井蔵王権現神社」。毎年4月に天狗様の神輿を担ぐ「天狗祭り」で地元に親しまれています。何度か遷移しているそうで、東京総合車両センターのあるあたりの旧地名「権現台」の由来と言われています。たしかに古地図を見ると、現在地よりももっと北側に位置していたことが読み取れます。
続いては、道なりに進んで「大井新地横丁」へ。マンションに囲まれながら現在も30軒ほどが軒を連ねる歴史ある横丁です。朝方で人はいなかったので、探検気分で通ってみます。
そしてここは、『散歩の達人』2026年5月号の大井町ページの扉写真(P.10)の撮影ポイントでもあります。新・旧の融合をテーマに掲げた特集だったので、いろいろ探し歩いた結果、『OIMACHI TRACKS』のピカピカのビルと、昔ながらの大井町の雰囲気が一枚に収まるこの場所を発見した、という編集裏話も飛び出しました。
そのまま南下して、三ツ又地蔵尊で知られる三ツ又交差点を目指します。この一帯は、蛇行している立会道路(立会川の暗渠)や、ニコン本社へと続く「光学通り」、飲食店が連なる「大井三ツ又商店街」など、線路に対して斜めに走る道が印象的。これも古地図を参照すると、当時の川筋や古道と対応していることが分かり、街の時層を感じながら歩くことができます。
三ツ又交差点といえば、夏目雅子さん主演の映画でも知られる小説『時代屋の女房』の舞台。『散歩の達人』2026年5月号では、作者の村松友視さんにこの場所でインタビューを実施しました。こちらからもお読みいただけます。
※村松友視さんの「視」は旧字体の示へんに見が正当。
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地元企業の最新スポットと武家屋敷の名残を感じて
続いて京浜東北線の線路を渡り、駅の東側へ。訪れたのは、2024年にオープンした『o-i STUDIO』。大井町に本社を構える「三菱鉛筆」が手掛ける、体験型のクリエイティブスペースです。参加者のみなさんには、文具の試し書きや展示をご覧になっていただきました。頻繁にワークショップも開催されているので、こちらの記事もチェックしてみてください!
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そのまま池上通りをぐんぐん北上すると「仙台坂」にたどり着きます。この辺りはかつて東海道や海を見下ろす丘で武家屋敷が多く、この付近に仙台藩下屋敷があったことからこの名がつけられました。なお、現在の仙台坂は青物横丁に続く道路を拡張した際に名前を譲ってもらった形で、もともとの仙台坂は「旧仙台坂」として、仙台坂トンネル側に残っています。
藩士たちのために造られた郷土の味噌を引き継ぐ、寛永2年(1625)創業の『仙台味噌醸造所』も『散歩の達人』で何度も取材してきた名所です(この日は土曜でお休みでした)。
横丁散策からの名物洋食に舌鼓を打つ
仙台坂を見た後はいよいよラストスパート。駅前へ方向転換し、大井町のシンボルともいうべき平和小路と東小路を歩きます。戦後の闇市をルーツに持つこの“天然”の横丁は、国鉄大井工場とニコンの工場を擁する工業地帯として発展した大井町の歴史を伝える貴重な存在です。
午前中は静かかと思いきや、ここは隠れたラーメン激戦区。老舗の町中華『永楽』を筆頭に、『中華蕎麦いりこ屋』『麺壱吉兆』などに次々と行列ができ始めていました。『散歩の達人』2026年5月号では、横丁のイラストマップを収録していますので、ぜひチェックしてみてください。
そして、東小路のシンボルといえば1949年創業の『ブルドック』! 2023年にもらい火による火災で、一時休業となってしまいますが、2024年6月に新たに駅前のビル1階に復活オープンを遂げました。移転後の初日は、開店前に60人近くが行列を作ったという、大井町の愛され洋食店です。
この日は、特別に開店前の時間帯に開けてもらい、参加者には名物の巨大なオムライスとメンチカツを召し上がっていただきました。参加者からは「ずっと来てみたかったんです」という声も上がり、編集部としてもうれしい気持ちになりました。
おなかも満たされたところで、この日の日程は終了です。最後に、参加者に編集部とっておきの4つのお土産をお配りして解散となりました。
約2時間、駆け足でしたが、大井町の新旧の魅力を詰め込んだ街歩きとなりました。ご参加いただいたみなさま、また、イベントにご協力いただいた大井町のみなさまに感謝申し上げます。
【おまけ】編集部からのお土産一覧(※申し訳ありません、写真を撮り損ねました)
①『いのパン店』(北品川)の「散歩の達人のパン」
→『散歩の達人』2026年5月号のスペシャルメニューを限定復活していただきました。
②『高松屋』(大崎)の豆大福
→高輪の名店『松島屋』出身の店主が手掛ける正統派豆大福です。
③『ニコンミュージアム』(西大井)の「ニコンひとくちようかん」
→もとは社員の帰省用土産として作られたという、ミュージアム限定販売のようかんです。
④『ミツマタコーヒー』(大井町)のドリップパック
→「時代屋」跡地のそばにあるスペシャルティコーヒーが楽しめるカフェの味をご自宅で。村松友視さんへのインタビューもこちらで行いました。
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文・撮影=編集部






