ルーヴルの名品からルネサンス美術の本質に迫る
15世紀から16世紀にかけてヨーロッパ各地で隆盛を極めたルネサンス美術。本展では、『ルーヴル美術館』の膨大なコレクションから選び抜かれた50点余りの作品を通して、ルネサンス芸術の豊かで複雑な芸術動向の本質をなす、いくつかの特徴に光を当てる。
ルネサンス期の人々は、キリスト教が広まる前の人間の主体性がより重視された古代ギリシア・ローマの文化に再び価値を見いだした。初来日となるレオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》は、人間の個性への関心が高まった時代であるルネサンスの肖像芸術の傑作とされる。人物の外見の特徴をとらえるだけでなく、その内面に潜む複雑な感情を描き出すという難問に挑み続けたレオナルドの傑作が『ルーヴル美術館』から来日を果たすのは、1974年の《モナ・リザ》以来、半世紀ぶりとなる。
本展では、レオナルド・ダ・ヴィンチから導き出した4つのテーマ「旅」「技法の革新と洗練」「古代へのまなざし」「肖像芸術の隆盛」に基づいて、絵画から彫刻、版画、素描、工芸まで、多彩な作品を紹介。この時代の造形芸術の多様性に改めて驚かされるはずだ。
多彩な技法が育まれたルネサンスならではの表現に注目
注目のひとつが、技法の革新がもたらしたルネサンス芸術の多彩な表現である。当時ヨーロッパ北部では、油彩技術の発明に加え、時計製造や版画芸術にも技術革新が起こった。また版画芸術では15世紀半場にドイツで確立された活版印刷術が、木版画の新たな流行をもたらした。同じくドイツで誕生し、ヨーロッパに広まった銅版画は、絵画や彫刻の複製に用いられるだけでなく、木版画とともに、自立した一つの芸術形式とみなされるようになった。そうした木版画や銅版画、ブロンズ彫刻、メダル、陶器、タペストリーなど、多彩な技術が織りなす魅力的な表現が数多く登場するのも見どころだ。
また、日本初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《美しきフェロニエール》とともに、ボッティチェリ、ティツィアーノ、デューラー、クラーナハ、エル・グレコといったルネサンスを代表する巨匠たちの作品を間近に見ることができる。
日本国内にレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとするルネサンス期の傑作が揃った本展。ルネサンス美術の真髄に触れられる貴重な機会をお見逃しなく。
開催概要
「ルーヴル美術館展 ルネサンス」
開催期間:2026年9月9日(水)~12月13日(日)
開催時間:10:00~18:00(金・土は~20:00。入場は閉館30分前まで)
休館日:火(ただし9月22日・11月3日・12月8日は開館)、11月4日(水)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
アクセス: 地下鉄千代田線乃木坂駅直結、地下鉄日比谷線六本木駅から徒歩4分、大江戸線六本木駅から徒歩5分
入場料:一般2400円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://www.ntv.co.jp/louvre2026/
取材・文=前田真紀






