版画家としても傑出した存在であったレンブラントの版画に肉薄

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《窓辺でエッチングを制作する自画像》1648年 エッチング、ドライポイント、ビュラン/中国紙『レンブラント・ハウス美術館』
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《窓辺でエッチングを制作する自画像》1648年 エッチング、ドライポイント、ビュラン/中国紙『レンブラント・ハウス美術館』

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レインは、フェルメールらとともにオランダを代表する画家の一人。彼が1639年から1658年にかけて実際に暮らした家を利用した、アムステルダムにある『レンブラント・ハウス美術館』は、エッチング(腐蝕銅版画)の世界有数のコレクションを中心に、素描作品や、それらに影響を受けた作品などを多く収蔵している。

本展では、『レンブラント・ハウス美術館』『国立西洋美術館』両館のコレクションを組み合わせ、国内の美術館、大学図書館や、海外の個人コレクターから拝借した作品や書籍も加え、彼の作品が時代に与えた影響をたどる。数々の実験的な版画作品を手掛けた版画家・レンブラントの真髄に迫る。

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《アムステルダムの眺望》1641年頃 エッチング『レンブラント・ハウス美術館』蔵
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《アムステルダムの眺望》1641年頃 エッチング『レンブラント・ハウス美術館』蔵

レンブラント版画が与えた時代へのインパクトとは

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《旅回りの楽師たち》1635年頃 エッチング『レンブラント・ハウス美術館』蔵
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《旅回りの楽師たち》1635年頃 エッチング『レンブラント・ハウス美術館』蔵

本展の前半では、レンブラントのエッチングに焦点をあてる。当時、さまざまな実験的な試みを通してエッチング表現の可能性を追究し、その地平を拡げたレンブラント。そうして生み出された数々の作品は、数世紀にわたって芸術家たちに影響を与え続けたという。とくに19世紀には、エッチング技法そのものの再評価と結びつき、レンブラントのエッチングへの関心は熱狂的な高まりをみせた。ドイツの作家ゲーテは『ファウスト』を執筆する際に《書斎の学者(ファウスト)》から着想を得たとされる。

また後半では、19世紀から20世紀にかけてレンブラントの版画作品に対する再評価が後世の作家たち、ゴヤやアンリ・マティスなどにも与えた影響について紹介。レンブラントの挑戦が後代の芸術家たちにいかに継承され、インパクトを与えたのかが伝わってくる。

光の魔術師レンブラントの版画家としての才気に、深く触れられそうだ。

アンリ・マティス《版画を彫るアンリ・マティス》1900-03年 ドライポイント『国立西洋美術館』蔵
アンリ・マティス《版画を彫るアンリ・マティス》1900-03年 ドライポイント『国立西洋美術館』蔵

本展関連プログラム&イベントも開催

オンライン講演会「版画家レンブラント――そのインパクト」

2026年8月22日(土)17時~、講師に『レンブラント・ハウス美術館』のシニア・キュレーター、レオノーレ・ファン・スローテン氏を招いたオンライン講演会が開催。定員500名(要事前申し込み・先着順)、参加費無料。申し込みと詳細は公式サイトから。※英日同時通訳付き。

スライドトークが開催

2026年8月6日(木)11時~・9月1日(火)13時40分~、展覧会アシスタントの伊藤里華氏によるスライドトークが『国立西洋美術館』講堂で開催。定員は各回110名(事前予約不要・先着順)、参加費無料。要当日観覧券。詳細は公式サイトから。

開催概要

企画展「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」

開催期間:2026年7月7日(火)~9月23日(水・祝)
開催時間:9:30~17:30(金・土は~20:00、入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし8月10日・9月21日は開館)
会場:国立西洋美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園7-7)
アクセス:JR上野駅公園口から徒歩1分、京成電鉄京成上野駅から徒歩7分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅から徒歩8分
入場料:一般2200円、大学生1300円、高校生1000円

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026rembrandt.html

 

取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供