動物たちの愛らしい姿に癒やされる優雅なひととき

『東京都庭園美術館』 本館 大客室。
『東京都庭園美術館』 本館 大客室。

旧朝香邸は、1920年代半ば以降にフランス・パリで全盛期を迎えたアール・デコに触れた朝香宮鳩彦王・允子妃が帰国後、建築に着手した。主要な部屋の内装をアンリ・ラパンやルネ・ラリックなどの芸術家たちが手がけ、全体の設計は宮内省内匠寮の技師が担い昭和8年(1933)に竣工。アール・デコの宮家邸宅建築で国の重要文化財となっている。

館内には優美な調度品をはじめ、美しい室内装飾が施されているが、よく観察していくと、動物たちがそこかしこにいることに気が付く。本展はそうした動物たちに着目した建物公開となる。

広報担当者は、「年に1回、旧朝香宮邸の建物に注目した展覧会として開催している建物公開展です。今年は『アニマルズ』をテーマとし、当館の建物の魅力を探ります。朝香宮邸では、白孔雀や鶴、犬、ウサギなども実際に生活していたほか、その内装にはたびたび動物が登場します。本展では、さまざまな作品や資料を通して、こうした朝香宮邸の中の動物に注目。カーテンを開け放つことで新緑の美しい庭園を望みながら、宮邸時代の家具や調度品を用いて邸宅の雰囲気を再現しています。往時に思いを馳せながら、唯一無二の建築空間や室内装飾をご堪能ください」と見どころを語る。

エドゥアール・ベネディクトゥス『ルレ 15枚の図版による42の装飾モティーフ』1930年 『東京都庭園美術館』蔵。
エドゥアール・ベネディクトゥス『ルレ 15枚の図版による42の装飾モティーフ』1930年 『東京都庭園美術館』蔵。

最上階ウインターガーデンも限定公開!

レイモン・シャルメゾン《アーケード》『美しい庭園』1919年 『東京都庭園美術館』蔵。
レイモン・シャルメゾン《アーケード》『美しい庭園』1919年 『東京都庭園美術館』蔵。

実際にさまざまな動物たちが飼育されていたという旧朝香官邸。当時の様子を記録した貴重な資料には、庭園を闊歩する白孔雀の姿も収められている。また、建物の室内装飾にも、鹿や魚など動物たちがモチーフとして用いられており、動物の館としての朝香宮邸に着目する。さらに、新館では20世紀の西洋美術における多様な動物モチーフの作品も紹介され、かわいく、勇ましい動物たちに出合うことができる。

また、白と黒の市松模様の床が印象的な、最上階3階に位置するウインターガーデンが限定で公開。実際に室内に入ることができるのも注目だ。アール・デコと日本の意匠が融合した建築空間を堪能したあとは、新緑の庭園の美しい緑に癒やされる豊かな時間をお過ごしあれ。

『東京都庭園美術館』 本館 ウインターガーデン。
『東京都庭園美術館』 本館 ウインターガーデン。
『東京都庭園美術館』 本館 正面外観。
『東京都庭園美術館』 本館 正面外観。

開催概要

「建物公開2026 アニマルズ in 朝香宮邸」

開催期間:2026年4月11日(土)~6月14日(日)
開催時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月
会場:東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩7分、地下鉄南北線・三田線白金台駅から徒歩6分
入場料:一般1000円、大学生・専門学校生800円、高校生・65歳以上500円
※中学生以下は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料。第3水曜日は65歳以上無料。
※オンラインによる事前予約制

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://www.teien-art-museum.ne.jp/

 

取材・文=前田真紀  画像提供=東京都庭園美術館