『梅香』の牛肉山椒オイル掛け【牛込神楽坂】
年一度、本場で買い付ける山椒が決め手
四川省の伝統的な定番料理である、牛肉山椒オイル掛け。実は、シェフ・山村光恵さんが中華料理の道に入ったばかりの頃、四川料理を追求しようと決意するに至った一品である。「運ばれてきたときの香りが鮮烈。食べて元気になる感じもいいなぁって」。肝となるのは、こまめにミルで引く山椒と唐辛子。山椒においては、年に一度四川省に赴き、スーツケースいっぱいに買い付けてくる。本場ならではの香りや風味、キレのあるしびれ方があるとか。色味は刺激的ながら、タレはご飯にかけてもぐんぐん箸が進むほどの、ほどよい辛さ。
・いんげんと漬物炒め1320円
・牛肉山椒オイル掛け1980円
・ご飯220円
・担担麺1100円
・生ビール2杯1320円
・ボトルワイン1本5000円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『梅香』店舗詳細
『神田 雲林』の活蝦夷アワビと旬野菜の肝醤ソース炒め【神田】
身も肝も、おいしさ丸ごと召し上がれ
炒め物に用いるのは、なんとその日仕入れたばかりの活蝦夷(エゾ)アワビ。同店では通年、すべてのコースに活のアワビを盛り込んでいる。もともとはコース料理に印象に残る食材を盛り込もうとしたのがきっかけである。「接待でご利用されるお客様が多く、ごちそう感がある食材でホストの方にも喜ばれるんです」と、シェフ・成毛幸雄さん。捌(さば)いたばかりのアワビは冷凍したものと異なり、サッと加熱するだけで格段に甘さが引き立ち、実は柔らかくも弾力は増す。肝をたたいて混ぜ込んだソースが、波形に刻んだ身にしみ入る。
・活蝦夷アワビと旬野菜の肝醤ソース炒め2700円
・青菜と黄ニラの強火塩炒め1540円
・伊達地鶏の香ばし揚げ唐辛子とハーブの香り1980円
・大エビの北京式「紹興酒酒粕」風味仕立て2750円
・山西省黒酢「老陳醋」のアイスクリーム2つ1320円
・生ビール2杯1320円
・紹興加飯酒(5年)400ml 2475円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『神田 雲林』店舗詳細
『CHEF’S』のアイナメの香り蒸し【新宿御苑前】
魚の旨味が染み出たスープまでもごちそうです
初代から受け継ぐ、80年ほど前のオールドスタイルの上海料理を基本とする。ほのかな甘みがきいて、澄んだ色の料理が多いのが特徴だ。魚の香り蒸しは、醤油を使う料理店が多いが、こちらでは5~6時間丸鶏を煮込んだスープで蒸し、豆䋬(トウチ)で旨味と香りを引き出している。仕上げには熱した油をジュッとかけて、風味豊かに香ばしく! 魚の旨味が染み出たスープをご飯にかけていただけば、極楽級の幸せ気分に包まれる。
・春巻き(2本)800円
・チャーシュー1500円
・魚の香り蒸し(S)3500円
・ご飯サービス
・玉子トマト炒め2500円
・ねぎラーメン(S)900円
・紹興酒2杯1600円
・ボトルワイン5000円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『CHEF’S』店舗詳細
『中国薬膳料理 星福』の養生スッポンの蒸しスープ【銀座】
中国四千年、食文化の知恵を体感
キノコの一種で、疲労回復によい高級漢方の冬虫夏草(トウチュウカソウ)をはじめ、栄養価が高いハトムギ、お通じによい杏(アンズ)、安眠効果がある果物の竜眼肉(リュウガンニク)、目にいいクコの実など10種をじっくり煮だした滋味あるスープ。そして季節の野菜と共に入っているのが“スッポン”だ。見た目のインパクトに反して臭みはなく、あっさりとした味わい。甲羅の縁は特にゼラチン質が多く、プルンとした食感もたまらない。体に優しく強壮に効き、さらに美容にも効果てきめん。男女共におすすめの一品だ。店内には中国の伝統的な漢方が並び博物館のよう。
・アガリクス茸入りフカヒレ姿の煮(100g)1万1000円
・季節野菜の炒め2750円
・朝鮮人参入り枸杞子と牛肉の炒め2750円
・陳年会稽山紹興酒(2合)2200円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『中国薬膳料理 星福』店舗詳細
『香妃園』の特製鶏煮込みそば【六本木】
コラーゲン豊富ななめらか鶏ガラスープ
老舗中国料理店として多くのファンを持つ。飲んだ後の〆としても人気の特製鶏煮込みそばは、鶏ガラを4時間以上煮込んだ白湯と、あっさりとした清湯を絶妙な加減でブレンドしたスープが決め手。テーブルに運ばれてきた途端に表面に膜が張るほど、コラーゲンがたっぷりで、特に秋冬は女性からの人気が高い。マイルドでなめらかな舌触りのスープは、喉越しのよい細めの特製麺によく絡み、スルスルといただける。中国料理の食材としては珍しいしんとり菜の、やわらかさの中に残ったシャッキリ感もまた、いい。
・肉春巻き(4本)550円
・エビチリ3300円
・細切り牛肉とピーマン炒め3300円
・特製鶏煮込みそば1430円
・紹興酒(2合)1760円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『香妃園』店舗詳細
『倶楽湾』のフォアグラとキノコの炒飯【芝浦】
西洋の高級食材も楽しめる黒炒飯
西洋と中国が融合した内装や調度品が目を引く、高級感あふれる店内。そこで出される炒飯は、世界三大珍味のひとつ、フォアグラ入りのぜいたくな一品。エリンギやシイタケと共にさいの目に刻んだフォアグラを炒めると、フォアグラから出る脂がご飯に絡まり、風味を豊かにする。味付けは中国から取り寄せたたまり醤油。主に色づけのために使われる甘みの強い醤油のため、全体に黒っぽいが、口に入れると予想に反してまろやかな味わい。「中国の醤油は、日本のものとは違うコクが出るんですよ」と料理長の胡建軍(コーケンクン)さん。
・クラゲと大根の和え物(小)1980円
・上海風フカヒレスープ2杯5500円
・大海老のチリソース(小)3630円
・北京ダック(1/4羽)2700円
・黒酢のすぶた(小)1650円
・フォアグラとキノコの炒飯2200円
・生ビール2杯1540円
※オススメコースは二人で来店した場合を想定した献立と金額(2人分、酒代含む)
『倶楽湾』店舗詳細
取材・文=沼由美子、平野智美、風来堂(稲葉美映子、加藤桐子) 撮影=井原淳一、オカダタカオ、木村心保