大乃家食堂
親子3代で営むいつもにぎやかな名物食堂
市場の中でもひときわにぎやかな食堂。祖母と娘、孫の三代で営む、いつも客足が絶えない名物食堂だ。市場開場と同時にオープンしたので、2020年で52年目。初代の大野安枝さんも80を超えてなお、現役で厨房に立つ。名物はボリュームたっぷりの海鮮丼。旬の魚介を10種類も盛り込んだその姿も圧巻だ。すぐに出てくる青菜と豆腐の味噌汁にもほっとする。あったかいお袋の味と、掛け合いのように途切れないおしゃべりが心地よい。
『大乃家食堂』店舗詳細
福田家食堂
プロが選んだマグロ中落ちと、熱々のモツ煮が評判!
「お客さんの大半は、マグロの中落ち定食とモツ煮を注文しますね」と店主の土居靖(どいやすし)さん。元はマグロのセリ人だったので、マグロを選ぶその目は確かだ。中落ちとは、マグロの骨部分をこそげ落とした赤身肉。この中落ち定食に次いで人気があるのは、モツ煮込みだ。毎日深夜1時から仕込みに入り、トロトロになるまでじっくり火を通している。カウンターに置かれるまでは、ものの5分。ファーストフードのような体ながら、手間暇かけた料理が食べられるのも市場飯の醍醐味だ。
『福田家食堂』店舗詳細
玉芳
三代目店主は元食品メーカーの営業マン。脱サラして挑んだそば屋
市場で50年近くの歴史を持つ蕎麦屋。2019年の7月に代替わりした。三代目店主の齊藤隆宏さんは、小豆島にある佃煮屋の営業マンだった。先代店主が後継者を探していることを小耳に挟み、店主に就任したのが5月。それから2ヶ月の特訓を経て、厨房に立った。「市場には近隣のサラリーマンも来ますから、せめてランチでは安くておいしい物を食べさせてあげたいですよね」と齊藤さん。40年のサラリーマン生活から滲み出た言葉どおり、丼と蕎麦のセットは850円とお値打ち価格。
『玉芳』店舗詳細
Beans House+café
焙煎したてのコーヒーが香る船橋市場のオアシス
写植屋を営んでいた有泉要さんが趣味が高じて始めたコーヒーショップ。店頭にはモカやブラジル、ブルーマウンテンなど様々な産地の豆が並び、店内には大きな高速焙煎機がある。浅煎りも深入りもお好み次第だ。コーヒーは一杯250円から。店内には歌謡曲のレコードや昭和の写真集などが置かれ、のんびりとした空気を醸し出す。市場のすぐ近くを流れる海老川は見晴らしの良い散歩コース。早朝散歩を楽しんだ後に、ここでコーヒーを一杯……そんな粋な人も多いという。
『Beans House+café』店舗詳細
取材・文・撮影=新井鏡子