1日あたり約35万人が利用する大宮駅

「北の玄関口」と聞くとまず思い浮かべるのは上野駅だが、東北地方や信越、北陸など「北」に向かう場合、必ず通らなければならないのが大宮駅である。多くの人が利用する大宮の乗降客数は1日あたり約35万人、埼玉県内では2位の川越駅を大きく引き離してダントツの1位となっている(※注1)。大宮駅もまた「北の玄関口」なのだった。

大宮には現在、JR東日本・東武鉄道・埼玉新都市交通の3社13路線が乗り入れ、乗り入れ路線数では東京駅に次いで全国第2位となっている。そんな埼玉最大のターミナル駅・大宮の待ち合わせ場所を探していきたい。

待合室「けやき」/川の祭り/新幹線見学エリア ほか【駅構内】

最初に「北の玄関口」と書いた通り、大宮には東北・北海道・山形・秋田・上越・北陸新幹線と、北日本を結ぶすべての新幹線が停車する。大宮駅では、外と直結した新幹線改札口がなく、JR在来線の改札にいったん入ってからのりかえ口を利用する形になる。新幹線のりかえ口は南北それぞれ1カ所あり、のりかえ口間を移動する場合にはホームを経由しなくてはならない。

北のりかえ口の待合室「けやき」前には、以前E5・E6・E7系新幹線の模型が設置されていたこともあったが、2026年8月現在は確認できず、かわりに駅員さんの顔ハメが置かれて目印になっている。

駅員さん気分になれる顔ハメパネル。
駅員さん気分になれる顔ハメパネル。

待合室内にははやぶさカラーのマッサージチェアがあり、ほぐされながら待ち合わせするのもいい。

8分200円で、はやぶさに包まれた気分になれる。
8分200円で、はやぶさに包まれた気分になれる。

一方、南のりかえ口側の待合室には名前は付けられていないが、壁一杯に陶板レリーフ「川の祭り」が設置されていて、インパクトがある。

近くに寄ってみると、陶板パネルの凹凸が結構大きいことに気がつく「川の祭り」。
近くに寄ってみると、陶板パネルの凹凸が結構大きいことに気がつく「川の祭り」。

もし待ち合わせ相手が鉄道好きならば、比較的発着の少ない15・16番線ホームにある「新幹線見学エリア」を待ち合わせ場所にしてはどうだろうか。上り・下り両方から来る各新幹線を一目で眺められるスポットとなっている。

新幹線見学エリアの見どころの一つ、新幹線同士の連結部を間近で見られる。
新幹線見学エリアの見どころの一つ、新幹線同士の連結部を間近で見られる。

「まめの木」/みどりの窓口 ほか【東西連絡通路】

さて在来線の待ち合わせ場所を探そう。最もわかりやすいのは、東口と西口を結ぶ東西連絡通路である。特にJR中央改札(北・南)付近には、金属の蔓が長く伸びた通称「まめの木」や、

東口上部の案内板。「まめの木」が待ち合わせ場所として公認されていることがわかる。
東口上部の案内板。「まめの木」が待ち合わせ場所として公認されていることがわかる。
以前町田駅の「光の舞い」でも紹介した、「動く彫刻」の第一人者である伊藤隆道氏の作。正式名称は「行きかう・線」とのことだが、「まめの木」として知られている。
以前町田駅の「光の舞い」でも紹介した、「動く彫刻」の第一人者である伊藤隆道氏の作。正式名称は「行きかう・線」とのことだが、「まめの木」として知られている。
「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。大型商業施設や飲食店などが密集する町田駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。

駅名標を模した案内板、

待ち合わせをしながら大宮駅の歴史を学ぶことができる。
待ち合わせをしながら大宮駅の歴史を学ぶことができる。

大宮駅開業140周年記念の木製モニュメント、

鉄道林の間伐材で作られたという木製モニュメント。「大宮」の由来である「大いなる宮居」の「M」の字がかたどられている。
鉄道林の間伐材で作られたという木製モニュメント。「大宮」の由来である「大いなる宮居」の「M」の字がかたどられている。

シルクハットのような形の観光案内所など、待ち合わせに適した目印が山ほどある。

円筒形のため、待ち合わせの人が360度グルリと取り囲む。
円筒形のため、待ち合わせの人が360度グルリと取り囲む。

もし混雑しているようなら、近辺の鉄道警察隊、

名標型案内板や木製モニュメントの向かいにある鉄道警察隊。多くの人が行きかう。
名標型案内板や木製モニュメントの向かいにある鉄道警察隊。多くの人が行きかう。

みどりの窓口、

待ち合わせの場所としてわかりやすい、みどりの窓口。
待ち合わせの場所としてわかりやすい、みどりの窓口。

電車形のギャラリーなどを目印にしよう。

こちらも140周年記念で設置された、東海道線カラーのディスプレイコーナー。はやぶさやつばめのヘッドマークが置かれていた。
こちらも140周年記念で設置された、東海道線カラーのディスプレイコーナー。はやぶさやつばめのヘッドマークが置かれていた。

ここまで見てきてお気づきかもしれないが、この中央改札付近の目印の多くには「鉄道のまち大宮」というキャッチフレーズが書かれている。JR東日本によれば、明治18年(1885)に大宮停車場が、明治27年(1894)に車両工場が設置されて以降、大宮の町が鉄道産業とともに発展してきたことを示す言葉ということだ(※注2)。2007年、車両解体場の跡地を利用した鉄道博物館が開館してからは、「大宮=鉄道のまち」のイメージはより一層強まっている。

鐘塚公園/「飛翔 ふれあいと参加」/ウォーターバード ほか【西口】

大宮駅西口から歩いて数分のところにある「鐘塚公園」には、大宮駅や大宮工場の誘致に尽力し、のちに大宮町長となった功労者・白井助七の胸像がある。

現在の大宮の発展に寄与した白井助七翁。鐘塚公園内に設置されている。
現在の大宮の発展に寄与した白井助七翁。鐘塚公園内に設置されている。

鐘塚公園には他にも印象的なオブジェやベンチも多くあるので、気候の良い季節には、待ち合わせ場所として利用するのもいいだろう。

「鐘塚公園」にちなんで設置されたと思われる「鐘の音」像。
「鐘塚公園」にちなんで設置されたと思われる「鐘の音」像。
時計にも鐘が付けられている。
時計にも鐘が付けられている。
石のモニュメントが中央に置かれた広場は、周囲にベンチもあり待ち合わせしやすい。
石のモニュメントが中央に置かれた広場は、周囲にベンチもあり待ち合わせしやすい。

多くの商業施設が立ち並ぶ西口は、待ち合わせ場所にも事欠かない。駅構内にある巨大なステンドグラスは、外から光が差す時間帯には迫力があって目立つ。

ルートヴィッヒ・シャフラット原画・監修の「光と水と生命」。大宮駅周辺の地形がモチーフになっているという。
ルートヴィッヒ・シャフラット原画・監修の「光と水と生命」。大宮駅周辺の地形がモチーフになっているという。

ここからペデストリアンデッキに出てまず目を引くのが、巨大なハンディファンのようなモニュメント「飛翔 ふれあいと参加」である。

周辺にはベンチもあるため、座って待つこともできる。
周辺にはベンチもあるため、座って待つこともできる。

このペデストリアンデッキは各商業施設にも連絡しているが、そのうちの一つ「DOM」入り口付近には女性像がある。

台座を見ると「『ドン』竣工記念像」となっているが、個人的には「ATM女神像」を推したい。
台座を見ると「『ドン』竣工記念像」となっているが、個人的には「ATM女神像」を推したい。

なぜか両側をATMに囲まれており、私は勝手に「ATMの女神像」と呼んでいる。他にも半月状の物体に車輪がついたモニュメントもあり、「鉄道のまち」を再認識させられる。

説明板を見ると、この車輪は東北新幹線が大宮駅から暫定開業した時の大宮駅から盛岡行きの1番列車の車輪だという。
説明板を見ると、この車輪は東北新幹線が大宮駅から暫定開業した時の大宮駅から盛岡行きの1番列車の車輪だという。

地上に下りると、巨大な円錐状の金属モニュメントが目に入る。

噴水ということだが、訪れた時には水は流れていなかった。
噴水ということだが、訪れた時には水は流れていなかった。

説明板によれば、「ウォーターバード」と名づけられたこの噴水は、西口区画整理事業の完成を記念して1989年に造られたものであるという。周囲にベンチもあるので、座って待ち合わせするのにちょうどいい。このウォーターバードに面した商業施設「アルシェ」には、ストリートピアノと、なんとストリート琴も置かれている。腕に覚えのある人は、待ち時間の合間に弾くのもいいかもしれない。

10時から18時の間まで利用できるストリートピアノ。
10時から18時の間まで利用できるストリートピアノ。
ステージ上に設置されたストリート琴。誰でも弾けるようだが、挑戦するのには少し勇気がいる。
ステージ上に設置されたストリート琴。誰でも弾けるようだが、挑戦するのには少し勇気がいる。

「こりすのトトちゃん」像【東口】

一方、「銀座通り」や「一番街」などレトロな雰囲気の商店街が連なる大宮駅東口には、何ともかわいらしい「こりすのトトちゃん」像がある。

地元出身の絵本作家・あすかけん氏のキャラクターで、大宮市制50周年を記念して1990年に大宮市のマスコットとなったという。2001年の合併でさいたま市となったため現在は大宮市は存在しないが、トトちゃんは変わらず大宮駅を見守る存在になっている。

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他の改札口目印としては、JR北改札口の生け花や、

北改札の生け花。人通りの多い場所だが、立ち止まって花を愛でる心を持ちたい。
北改札の生け花。人通りの多い場所だが、立ち止まって花を愛でる心を持ちたい。

東武改札の自販機、

東武アーバンパークライン改札近くの自販機。なぜここを推すかといえば、恐らく東武系売店「Access」の跡地だからであり、旧デザインが残る貴重な場所だからである。
東武アーバンパークライン改札近くの自販機。なぜここを推すかといえば、恐らく東武系売店「Access」の跡地だからであり、旧デザインが残る貴重な場所だからである。

ニューシャトル改札のイラストパネルなどが挙げられる。

六角形の顔がかわいい「シャトルくん」。イラストパネルはニューシャトルの各駅に設置されているようだ。
六角形の顔がかわいい「シャトルくん」。イラストパネルはニューシャトルの各駅に設置されているようだ。

またJR中央改札(南)を入れば、「かえるポスト」と呼ばれる鉄道部品を用いたポストや、

大宮駅開業120周年記念で設置された「かえるポスト」。大宮駅を利用する客が無事帰ることを願って命名されたとのこと。
大宮駅開業120周年記念で設置された「かえるポスト」。大宮駅を利用する客が無事帰ることを願って命名されたとのこと。

かつて上野-大宮間の輸送を行った「新幹線リレー号」デザインの自販機など、大宮駅は何から何まで「鉄道のまち」にふさわしい待ち合わせ場所にあふれているのであった。

「かえるポスト」の近くに設置された自販機。東北新幹線が上野まで開通していなかった1982-1985年の間に上野と大宮を結んでいた「新幹線リレー号」のカラーに塗られている。
「かえるポスト」の近くに設置された自販機。東北新幹線が上野まで開通していなかった1982-1985年の間に上野と大宮を結んでいた「新幹線リレー号」のカラーに塗られている。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

※注1:埼玉県ホームぺージ
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0206/kodomo/data07_unyu-tsuushin.html

※注2:JR東日本ホームぺージ「『鉄道のまち大宮』の歩みと歴史」
https://www.jreast.co.jp/multi/omiya/tetsumachi_omiya/history/

「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。美術館や博物館へ向かう人、商店街で楽しむ人など、さまざまな目的で利用する人々が行き交う“北の玄関口”上野駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。JR各線や京浜急行電鉄本線に加え、東海道新幹線利用客でにぎわうターミナル駅・品川駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。