酒造会社が営む『酒や はないち』。いい酒とおいしい料理を低価格で提供
有楽町駅改札を出てすぐ、「東京交通会館」の向かいのJR高架下にある『酒や はないち』。安政5年(1858)創業の『清龍酒造』が経営する居酒屋だ。お店は1階席と2階席に分かれていて、入り口は別だがメニューは同一。1階は15時30分開店、2階は17時開店となっている。
まずは「清龍」純米大辛口【伝】500円を注文。日本酒を目の前でなみなみと注がれ、至福の時間が始まる。この日の「本日のおすすめ」は豊洲から届いたばかりという鰹の刺し身638円。キレイな赤身でもっちり食感。辛口の日本酒との相性ぴったり!
また、有楽町界隈で働く人たちに人気なのが、ちょっと贅沢な食材を惜しげもなく使った料理長オリジナル料理が並ぶ871円(はないち)メニュー。なかでもおすすめは、アボカドと海老の蟹みそソース添え。アボカドと蟹みそソース、さらにみょうがの組み合わせが絶妙だ。
隣にあるそば店『はないち』は系列店で、注文すると『酒や はないち』へ届けてくれる。“締めはそば派”の人にうれしいサービスだ。
『酒や はないち』店舗詳細
2階:17:00~22:30LO/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩1分
高コスパすぎる!セルフ形式の酎ハイ飲み放題『立呑みよもだ』
有楽町駅からすぐのガード下に位置する『立呑みよもだ』は、自家製麺そばとインドカレーの店『よもだそば』の新業態として2022年12月にオープン。店舗面積は約3坪、6人ほど入れば満員状態になる、コンパクトなせんべろ酒場だ。
同店では、入場料500円で酎ハイが30分飲み放題。カウンター中央にあるサーバーから、セルフ形式で酎ハイを注ぐ。味付けには、ざくろ、ブルーハワイ、巨峰といった6種類のシロップを。別売りのレモンや梅干しもあり、自由にカスタマイズできる。
おつまみのイチオシは、青森港から直送される白身魚の刺し身3、4種盛り500円、特製の甘ダレで食すくじらの刺し身500円など。とくに、くじらの刺し身のマグロや馬刺しを思わせる味わいには驚かされるはず。濃厚な自家製タルタルソースを使ったチキン南蛮400円や、シャープな辛さが心地いいよもだカレー ~炙りチーズ~300円も名物だ。0次会と2次会の時間帯が混みやすいため、じっくり飲むなら19~21時あたりを狙うといい。
『立吞みよもだ』店舗詳細
香川県の地酒&ご当地グルメを堪能!『居酒屋 金陵本店』
有楽町駅から新橋方面に徒歩2分ほどの高架下に位置する、1976年創業の『居酒屋 金陵本店』。店名の由来は香川県の蔵元・西野金陵の日本酒で、東京都での取り扱い1号店という意味があるらしい。
日本酒の目玉は、もちろん清酒「金陵」だ。同店では辛口本醸造(燗・冷各種)、瀬戸内オリーブ(純米吟醸)、濃藍(純米吟醸)など、常時数種類を扱っている。都内で複数の「金陵」を提供している店は珍しく、それぞれ飲み比べられるのはうれしい。
約80種類ある手作り料理も同店の魅力。イチオシの一つ、親爺のげんこつ880円は、香川県の名物グルメ・骨付鳥を関東向けにアレンジしたメニューだ。香川県産の親鶏のもも肉を特製タレに浸け込み、黒胡椒を振って焼き上げている。歯応えのある食感や、黒胡椒が生むパンチのある味わいは、日本酒やビールにぴったり。
そのほか炭火串焼190円~や、あじなめろう660円、締めの焼きおにぎり(2個)450円などもおすすめ。地酒「金陵」とともに味わえば、明日への活力が湧いてくる。
『居酒屋 金陵本店』店舗詳細
酒に合う旨い料理&会計はザルに現金の昭和風居酒屋『まつ惣』
有楽町駅から新橋方面に歩いてすぐの高架下にある『まつ惣』。色とりどりの提灯が並び、昭和の雰囲気あふれる店構えだが、開店したのは平成だそう。お通しやテーブルチャージはなく、料理は1人1品注文がルール。「おいしい料理を食べてもらうことで酒がおいしくなる」というのが店主のモットーだ。
まずは「とりあえず」で国産枝豆(山形だだちゃ豆)650円と野菜の浅漬け550円を注文。ドリンクは昔ながらの居酒屋によく似合うサッポロ赤星900円で決まりだ。
このお店の支払いは、注文した料理や飲み物がテーブルに出されるたびに現金で支払う形式。お金をテーブルの上にあるザルに置いておくと、注文した料理や酒と引き換えにスタッフが代金を持っていく。その日の軍資金をザルに置いておけば、あとどれだけ飲めるか一目瞭然。多少酔っ払っても、飲みすぎてお金が足りなくなるということもない。ある意味、究極の“明朗会計”だ。
『まつ惣』店舗詳細
昭和30年代をモチーフにしたレトロな雰囲気ムンムンの居酒屋『まんぷく食堂』
有楽町駅からすぐのガード下・有楽町コンコース内にある居酒屋『まんぷく食堂』。ガード下の仄暗さのなかに趣のあるアンティークのドアが嵌め込まれ、店内には昔懐かしいブリキの看板が飾られていてまるで昭和にタイムスリップしたみたい。
オープン当初から有楽町で働く人たちが仕事帰りに立ち寄る店だが、現在は30〜40代くらいがコア層。大人の雰囲気がありながら、ちょっとガヤガヤしているところがいい感じだ。店の一角にスタジオを併設し、毎週火曜日の20時から店でライブ配信をしたり、“居酒屋夏フェス”を開催するなど、エンタメ要素も満載。
メニューは枝豆や唐揚げなど居酒屋の定番ものから、ガッツリ食べられるステーキや海鮮丼なども用意されている。この日は、タコさんウインナーがのったナポリタン1100円と、付け合わせにポテトサラダ748円、オリジナルカクテル・あん時のチス968円をオーダー。メニューはどれもSNS映え間違いなしだ。
『まんぷく食堂』店舗詳細
新鮮な国産の豚もつをイチから丁寧に下処理する煮込み&串焼き『もつ焼 ふじ』
有楽町駅から新橋駅方面へ線路沿いを歩くこと4分、高架下にポッカリ空いたトンネルの中にある『もつ焼 ふじ』がある。店内をぐるりと見回すと、不自然に斜めになった天井や頭上を走る電車の走行音がして面白い。
この店の名物は、1度も冷凍していない国産豚の新鮮なもつを炭火で焼いたもつ焼き、そしてもつ煮込みだ。もつ煮込み400円は2種の味噌で煮込むのがこだわり。まろやかで優しい味わいのもつは臭みがなく脂がしつこくない。シャキシャキのネギがさらに食欲を掻き立てる。
もつ焼きは塩味のカシラ、タン、ハツ、タレ味のシロとレバー各180円を注文。もつ焼きのタレはシンプルに醤油と砂糖、酒のみ。注ぎ足しながら使っており、濃厚なもつの旨味がタレに溶け込んでいる。塩味のカシラ、タン、ハツはちょうどいい塩加減。それぞれの味わいを楽しみながらビールが進む。
『もつ焼き ふじ』店舗詳細
海外からの観光客にも大ウケ!昭和の大衆酒場を体感『居酒屋 登運とん』
有楽町の高架下にあるトンネル内で1953年から営業しているもつ焼き店『居酒屋 登運とん(とんとん)』。店舗の一帯には、昭和の面影が残るノスタルジックな空気が漂っている。レトロなポスターや屋根裏部屋のように傾斜した天井などは、海外からの観光客にもウケがいい。
看板メニューは、カシラ190円、豚バラ串350円、名物つくね190円をはじめとした串焼きと、牛もつ煮込み630円。串焼きは毎朝その日に提供する分を仕込んでおり、備長炭を使って焼くことで、ふっくら仕上げている。
豚串焼きのカシラは弾力のある食感が特徴で、かむほどに旨味が出てくる。ニンニク味噌で味付けした豚バラ串は、濃厚かつパンチの効いた味わいだ。また、鶏串焼きを代表する名物つくねは、創業当時から注ぎ足しているタレで食すのがおすすめ。こだわりの味噌で味付けした牛もつ煮込みも、お酒のつまみにぴったり。
酎ハイの元祖と言われるホイスサワー500円を味わえば、昭和の大衆酒場の雰囲気にどっぷり浸れる。
『居酒屋 登運とん』店舗詳細
スピードメニューと大皿料理の組み合わせでお酒が進む『立呑み きくのこ』
有楽町駅から徒歩ほんの1分。「有楽町電気ビル」の地下1階にある『立呑み きくのこ』。間口が廊下に沿って10mほどもあるお店は、廊下側がすべてガラス張りになっていて実に開放的。お店の左半分がカウンター席になっていて、右側には小さなテーブル。その奥には中2階になっているステージのような空間があるのも見える。横長の店内は表の廊下からすべて見通せてとても明るいのに、お店の各場所に隠れ家のような落ち着く絶妙な空間がを作り出している。
スピードメニュー、焼き物、揚げ物、刺し身、煮込みなど、メニューも豊富。カウンター前には日替わりの大皿料理も並ぶ。店長から教えてもらった注文のコツは、スピードメニューをつまみに飲みながら、ほかの料理ができるのを待つ作戦。そのナイスなアドバイスに従って、この日の注文したのはポテトサラダ250円、とりからあげ350円、大皿料理の豚キムチ400円。まるでコース料理のように少しの時差で次々に到着する。18時まではサワー系のドリンクがお得な価格で飲めるのもおすすめポイントだ。
『立呑み きくのこ』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、上原純、羽牟克郎、パンチ広沢、夏井誠