ニンニク炸裂の十条ソウルフード『とん八』
看板は元祖からし焼。辛いもの好きの先代が作ったまかないに客がそそられ、以来、店のヒットメニューとなった。「最初はとんかつ屋だったんですけどね」と、2代目の伊藤尚人さんは笑う。ラードで豚バラ肉をあおり、すりおろしニンニクやショウガ、唐辛子で味を整えたからし焼は、タレに絡めた一丁の絹豆腐とともに、皿にてんこ盛り。甘みの奥から鮮烈な辛味が押し寄せて、汗が噴き出してくる。風邪も一撃の威力に、誰もが心を鷲(わし)づかみにされる。
『とん八』店舗詳細
拝みたくなるとんかつ定食『みのや』
1960年よりとんかつ界の価格破壊を牽引。1日平均200食は出る人気筆頭がロースとんかつだ。「仕入先にも協力してもらっているから、できるんです」と、2代目店主の原敏郎さんは控えめに話すが、その分厚さには誰もが感嘆。冷めても柔らかな肉質を保つカナダ産三元豚の肉塊を、ていねいに掃除してから切り分ける。常に新しいラードを注ぎ足して揚げるため、甘みとコクはあれど、しつこさなんてない。地元の人が「十条の宝」と口にするのも納得。
『みのや』店舗詳細
三度楽しめる、マイルドなレッドカレー『二色カレーの店ユマ・ミーナ』
季節にあわせて種類が変わる14、15種類の素揚げ野菜がのったレギュラーカレーとタイ風レッドカレーを盛り合わせた二色カレーは、混ぜれば三度楽しめる一品。「タイ料理の匂いが苦手」という店主の丸山ミナコさんがあくまでタイ風なのよというとおり、香草や香辛料のくせがなく、ココナッツミルクたっぷりのマイルド風味。言われてうれしい一言は「胃にもたれないカレー」だそう。約20年にわたって愛されてきたやさしいカレーだ。
『二色カレーの店ユマ・ミーナ』店舗詳細
十条の学生さん御用達のボリュームカレー『Curry&Coffee TIME』
“ほっとするカレーを作りたい”と刺激の強くないスパイスを数種類ブレンドしたカレーを、数種のジャムやチャツネで甘みを出したドライカレーにとろりとかけたカレー&ドライ。そこにゴロゴロ転がる豚バラの塊は「学生さんを満足させたい」との思いからだが、煮込んでから1日寝かせ、かなり柔らかく仕上げてあるので年齢に関係なくぺろっといけてしまう。これでも多いなぁという人には、ちょいミニサイズも用意しているからご安心を。
『Curry&Coffee TIME』店舗詳細
シンプル・イズ・ベストの「ひやひや」『讃岐うどん いわい』
香川県の『宮武うどん』で修業した店主、岩井佑介さんは、自ら打ったうどんを高松まで持っていき、チェックしてもらうほどその味に惚れこんでいる。小麦粉、醤油、酒、みりんなども現地から取り寄せ、いりこを主にした出汁も宮武直伝。メニューは宮武伝統のあつあつ・ひやあつ・ひやひやがいずれも小350円、中450円、大550 円。トマトキーマカレー、鶏天レモンおろししょうゆなど、日替わりうどんも楽しみ。
『讃岐うどん いわい』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) ・塙広明・速志淳(アド・グリーン)、フリート横田 撮影=山出高士、丸毛透、加藤昌人、井原淳一、市原浩二