『鮨なかむら』至福の握りと1650円のギャップに衝撃[築地]

12貫3800円にはトロやイクラ、穴子、車海老などが入る。
12貫3800円にはトロやイクラ、穴子、車海老などが入る。

「やるからには衝撃的な値段でやりたくて」という店主・中村章(あきら)さんの言葉通り、コロナ禍で宣伝のために始めた昼の握りは、食べ進めるほどに驚愕する。8貫のコースで1650円也。炙ったホタテは香ばく、脂ののった縞鰺はかんずりの辛・酸と相乗。〆鯖にまとわせた白板昆布は見目も麗しく、巻物の具はかんぴょうや煮しいたけ、穴子など手仕事が冴える。鮨職人歴30年。古典に現代的な感覚を取り入れる握りと心意気に感服。

ある日の握り8貫と巻物(お椀付き)1650円。口中で一体になるよう鮨種に隠し包丁が入る。アオリイカ、スダチ・塩。
ある日の握り8貫と巻物(お椀付き)1650円。口中で一体になるよう鮨種に隠し包丁が入る。アオリイカ、スダチ・塩。
平目昆布締め、梅肉。
平目昆布締め、梅肉。
〆鯖。
〆鯖。
マグロヅケ、青ゆず。
マグロヅケ、青ゆず。
鰹藁焼き、辛子。
鰹藁焼き、辛子。
炙りホタテ、レモン。
炙りホタテ、レモン。
甘海老、その味噌。
甘海老、その味噌。
縞鰺、かんずり。
縞鰺、かんずり。
巻物。
巻物。
仕入れも一人でこなす。夜は2万2000円のコースのみ。
仕入れも一人でこなす。夜は2万2000円のコースのみ。

『鮨なかむら』店舗詳細

住所:東京都中央区築地1-4-8/営業時間:昼は水~土の11:30~・12:15~・13:00~の3部制・18:00~21:30LO(昼夜ともに予約制)/定休日:月/アクセス:地下鉄日比谷線築地駅・新富町駅から徒歩3分

『秀徳 2号店』場外の穴場、充実のコースににんまり[築地]

にしきごまをのせたイカや辛子をのせたヅケ、塩とスダチを振った穴子など握り10貫。いくらとマグロの手巻き、お椀も付く。
にしきごまをのせたイカや辛子をのせたヅケ、塩とスダチを振った穴子など握り10貫。いくらとマグロの手巻き、お椀も付く。

築地場外で5店舗を展開する鮨店で、もっとも広く席数が多いのがこちら。鮨種との相性を吟味した赤酢3種と米酢を合わせたまろやかな酢飯は共通ながら、魚の仕入れやメニューは各店舗に託される。2号店で供する8800円のコースは、握り10貫に前菜やお造り、一品料理も盛り込む充実さ。ウニは常時3種類ほど用意があり、お好みで追加するのもあり。旬の魚とカウンター鮨の楽しみを心ゆくまで。

前菜に続くお造りは、しらす、鰹、カンパチなど3種。
前菜に続くお造りは、しらす、鰹、カンパチなど3種。
長芋とソバの実の大和蒸し。
長芋とソバの実の大和蒸し。
カウンターのほか、テーブル席、個室もある。
カウンターのほか、テーブル席、個室もある。

『秀徳 2号店』店舗詳細

住所:東京都中央区築地6-26-7 宮崎ビル2F/営業時間:11:00~14:30LO・17:00~21:30LO/定休日:無/アクセス:地下鉄日比谷線築地駅から徒歩7分

『肴や味泉』何倍にも幸せが増す銘酒と味わう[月島]

刺身盛り合わせ一人前2000~3000円(写真は2人前)。煮穴子1500円~。
刺身盛り合わせ一人前2000~3000円(写真は2人前)。煮穴子1500円~。

店主・荒木眞一さんは宮内省御用達の仲卸に勤めて魚を覚え、「旨い魚といい日本酒を」と志して店を開いた。常連客の注文の皮切りは「刺し盛りと煮穴子!」。旬の魚が艶やかな刺し身には、皮目を炙ったり藁焼きしたりとそれぞれに仕事が施してある。煮穴子は、大ぶりの天然物を骨切りし、極弱火で1時間かけて炊く。炭火で焼き上げた香ばしさととろける食感。そこに日本酒を合わせれば、天国行き必至。

季節の野菜盛り合わせ一人前800円(写真は2人前)。
季節の野菜盛り合わせ一人前800円(写真は2人前)。
荒木さんを中心に、息子の祐次さん、料理担当の中武博さん。
荒木さんを中心に、息子の祐次さん、料理担当の中武博さん。
豊盃、土田、王祿と誰もがうなる銘酒揃い。
豊盃、土田、王祿と誰もがうなる銘酒揃い。

『肴や味泉』店舗詳細

住所:東京都中央区月島1-18-10 /営業時間:17:30~22:00/定休日:月・日・祝/アクセス:地下鉄有楽町線・大江戸線月島駅から徒歩3分

『魚河岸三代目 千秋』マグロを存分に頬張りたくなったら[築地]

本日のおすすめ丼1200円は、酢飯に赤身(ヅケに変更可能)と日替わり旬魚を合わせる。今日は鯛。丼はいずれも昼限定で、ねぎ鮪汁付き。
本日のおすすめ丼1200円は、酢飯に赤身(ヅケに変更可能)と日替わり旬魚を合わせる。今日は鯛。丼はいずれも昼限定で、ねぎ鮪汁付き。

名物は上質な天然インドマグロの丼。料理長・鎌田規広さんいわく、その特徴は「身の味が濃く、ヅケにしても醤油に負けずにむしろ味が乗ります」。組み合わせる魚も豊洲市場で目利きしてきた天然ものばかり。モットーは、「素材9割、残りの1割を全力で料理する」。忙しいランチ時も刺し身は引き置きせず、都度切り付ける。目を見張る身質や舌触りのなめらかさにモットーが体現されている。

 

中トロ、赤身を含む6種類のネタを盛る特選 海鮮丼2800円。この日は、金目鯛、真鰺など。
中トロ、赤身を含む6種類のネタを盛る特選 海鮮丼2800円。この日は、金目鯛、真鰺など。
中トロ丼2000円。
中トロ丼2000円。
カウンター10席。夜は、「おまかせ6品」6000円を提供。
カウンター10席。夜は、「おまかせ6品」6000円を提供。

『魚河岸三代目 千秋』店舗詳細

住所:東京都中央区築地4-7-5 築地KYビル1F/営業時間:11:30~13:45LO・17:30~21:00LO(土曜は~20:00LO。夜は前日までに要予約)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線築地駅から徒歩3分

『食堂 ユの木』正統な和食の技と自由な発想が融合[月島]

いわし梅煮と、酒泥棒の熟成かつお。共に時価。
いわし梅煮と、酒泥棒の熟成かつお。共に時価。

のれんにこそ「食堂」とあるが、突き出し6品を味わうと「懐石料理店だ」と思わされる。料亭を中心に研鑽を積んだ店主・土屋為芳(ゆきよし)さんの経歴を聞けば納得だ。だからこそ「よりラフで自由度高く」を求めて店を開業。美しいいわし梅煮は、たれは濃厚でいて身はフレッシュ! コロナ禍に編み出した熟成かつおは、藁焼きの鰹を干してチーズのような芳醇なコクを生む。唯一無二の魚料理に感動!

突き出しは日ごとの6品2750円。この日は鱧と蓮芋のあんかけ、北寄貝・胡瓜・トマトのマリネなど。
突き出しは日ごとの6品2750円。この日は鱧と蓮芋のあんかけ、北寄貝・胡瓜・トマトのマリネなど。
「料理とお客さまの間になるべく不純物を入れない」との考えから、店内はすきっとした無垢の杉で統一。料理の色味も引き立つ。
「料理とお客さまの間になるべく不純物を入れない」との考えから、店内はすきっとした無垢の杉で統一。料理の色味も引き立つ。
小路にのれんを掲げる。
小路にのれんを掲げる。

『食堂 ユの木』店舗詳細

住所:東京都中央区月島3-14-2 /営業時間:17:30~23:00(日・祝は~22:00)/定休日:月、不定あり/アクセス:地下鉄有楽町線・大江戸線月島駅から徒歩3分

取材・文=沼 由美子 撮影=小野広幸
『散歩の達人』2023年9月号より