ヨリドコロ
干物と卵に魂をぶち抜かれる
江ノ電が窓スレスレをすり抜け、「音もいいんです。ガッタンゴットンって」と、スタッフの谷和真さん。仲間と「旅情報の発信・交換できる場」として見つけたのが大正期築の元仕立て屋だ。手作りで改装し、「ザ・日本の朝ごはんを表現できたら」と、干物を主役に据えた。朝食には卵も忘れずに。白身と黄身に分け、まずは白身をミニ泡立て器で攪拌(かくはん)し、ごはんとまぜて黄身をオン。九州の甘口醤油をたらせば、旨味凝縮の干物と相まって、あぁ至福。
『ヨリドコロ』店舗詳細
PARADISE ALLEY BREAD&CO.
風味絶佳のパンを頬張る市場の朝
市場裏の通路に潜むベーカリーには、大テーブルが一つ。農家野菜を仕入れた鎌倉の店主たちと、顔を突き合わせて朝食を取れば、和やかに地元っこ気分を満喫だ。店と逗子の工房で焼き上げるパンは、複数の天然酵母をパンごとに使い分け、そのなかからモーニングは日替わりで2~3種、パン焼き用のスチーム付きオーブンでトースト。香ばしさとふっくら食感、そして噛むほどに甘みがのぼり、思わずにんまり。
『PARADISE ALLEY BREAD&CO.』店舗詳細
GARDEN HOUSE
鎌倉で緑に囲まれる朝
築約50年のアトリエを改装した屋内スペースと、緑豊かなガーデンテラスが融合したレストラン。古都・鎌倉の中でここだけが独立した別世界にあるかのような雰囲気に引き込まれる。平日利用の90%以上が地元客というが、人気を集める理由はコンセプトの「地域密着と手作り」が徹底されているから。朝採れの鎌倉野菜や湘南で育った平飼い鶏の有精卵を使用した丁寧な料理を、朝の清々しい空間の中で堪能しよう。
『GARDEN HOUSE』店舗詳細
Pacific DRIVE-IN
海でつながる湘南とハワイ
七里ガ浜を訪れるほぼ全員が足を踏み入れる、国道沿いの海側にある大型駐車場。その中央に位置するグルメスポット。イートインだけでなくテイクアウトも可能なハワイのプレートランチを中心としたメニューを提供する。湘南カルチャーの中心地で、爽やかな海風を感じながら食事を楽しみたい。おすすめはハワイノースショアのカフクで食べたぷりぷりの海老を再現した『Pacific DRIVE-IN』人気のガーリックシュリンププレート。
『Pacific DRIVE-IN』店舗詳細
江ノ島小屋
海の隣で半端なものは出せません
「当店のお刺し身は朝捕れの魚はお出ししません」と広報担当の苅米政彦さん。魚を骨ごと煮込んだポタージュのような味噌仕立ての「漁師汁」と、骨せんべいを一緒に味わう「漁師汁定食」は朝限定のメニューで、この品を味わうために遠方から訪れる客も多いそう。無農薬米のご飯、特殊な方法で下処理を行い数日寝かせることで旨みを増した刺し身もつく。“刺し身で旨い魚は、アラまで旨い”という店の理念を追求した定食なのだ。
『江ノ島小屋』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、柿崎真英、四宮明子 撮影=オカダタカオ、淵江亮一