蕎麦 坐忘

せいろと粗碾きの饗宴

粗挽き1155円(手前)とせいろ935円。
粗挽き1155円(手前)とせいろ935円。

茶室のような玄関をくぐると、しっとり純和風の雰囲気。兄弟二人三脚でそばと料理を作り上げる、上質な店だ。基本のせいろは、玄ソバの殻を取り除いた丸ヌキを使い、ツルっとした食感。粗挽きそばは、殻付きを石臼で粗めに手碾きした粉と、丸ヌキを粗碾きにした粉をブレンドし、甘みや香りが際立つ。そばがきを油で揚げて水分を飛ばし、より濃厚なそばの味と香りを引き出した辛味そばがきなど、長年の研究と技を活かしたそば前にもうなる。

天たね(海老のかき揚げと野菜)1155円はサックサク。辛味そばがきは2人前で1320円。山形の雅山流 純米大吟醸1320円。
天たね(海老のかき揚げと野菜)1155円はサックサク。辛味そばがきは2人前で1320円。山形の雅山流 純米大吟醸1320円。
兄の萩原久信さん(左)が料理、弟の敏行さんがそば担当。
兄の萩原久信さん(左)が料理、弟の敏行さんがそば担当。

『蕎麦 坐忘』店舗詳細

まかど

二八せいろの基本がここに

 二八のせいろ750円。
二八のせいろ750円。

信州や北海道など石臼碾きのそば粉を使用し、店主が毎日、店頭で打つ。二八のせいろは端正な細切り。この日は赤城産の新そばで、清々しい香り。もり汁は枕崎直送の本枯節の削り節を使用し、柔らかなかつおの風味とそばの相性がとてもいい。夜の1品メニューも充実しているので、一杯飲みながらも乙だ。

じゃこのかき揚げ470 円と豆腐の味噌漬け370 円。澤乃井の本醸造大辛口650円に合わせる。土・日は田舎そばも打つ。
じゃこのかき揚げ470 円と豆腐の味噌漬け370 円。澤乃井の本醸造大辛口650円に合わせる。土・日は田舎そばも打つ。
店主の小谷茂さん。
店主の小谷茂さん。

『まかど』店舗詳細

構成=柿崎真英 取材・文=工藤博康 撮影=小野広幸