あったかおでんと軍鶏鍋でイナセな一夜を。『鯔背や』[所沢]
開業時から注ぎ足し続けているおでんの出汁は、具材の旨味が溶けこみ、あっさりしつつも深みのある味わい。熱々のうちに少々マニアックなラインナップの日本酒とともに楽しみたい。おでんと並ぶ名物が軍鶏(しゃも)鍋。締めは残り汁を卵でとじ、ごはんにのせ親子丼に。着物に割烹着(かっぽうぎ)の女将さんは、所沢生まれ所沢育ち。初めてでも、我が家に帰ってきたかのようにもてなしてくれる。
『鯔背や』店舗詳細
本格イタリアンを大人の空間で。『ITALIAN otto』[所沢]
オーナーシェフの山形聡さんは銀座のイタリアンで料理長を務めた後、地元・所沢に戻って店を開いた。「季節感とまた食べたくなる料理」をコンセプトに日々、調理をする。店内は落ち着いた佇まい。日曜以外は中学生以下の利用ができないため、ゆったり大人の時間が過ごせる。どのコースもスペシャリテは「毛ガニと塩味のパンナコッタ」付きで、前菜やパスタ、メインなど全9品のラインナップ。3階にはカジュアルイタリアンの『MORE cocina』も。
『ITALIAN otto』店舗詳細
所沢の歴史の舞台になった店。『割烹 美好』[航空公園]
明治15年(1882)創業。大正時代、所沢にあった陸軍航空学校に航空技術指導のために来日したフランスのフォール空軍大佐一行の食事を担ったのが、当時、所沢で唯一の西洋料理店だった「美好軒」。後に懐石料理をジャンルに加え、『割烹美好』となる。フォール大佐が愛したカツレツは、フォールカツレツ1980円として名物メニューになっている。新渡戸稲造や後藤新平など歴史上の人物が訪れ、映画『黒部の太陽』のロケも行われた。
『割烹 美好』店舗詳細
黒毛和牛の本来の旨さを実感。『厳選黒毛和牛専門店 永翔苑』[所沢]
目利きの店主が仕入れた厳選黒毛和牛がリーズナブルに食べられる。産地にこだわらず、本当においしい黒毛和牛だけを冷凍せずに生の状態で使用。1頭から800g程度しかとれないシャトーブリアン(150g)3278円が名物。肉本来の旨味とジューシーさを感じられる。ネギ生上タン塩1760円をはじめ、ザブトンやミスジ各2420円といった希少部位も食べられる。タレやキムチ、コチュジャンなどはすべて手作りだ。
『厳選黒毛和牛専門店 永翔苑』店舗詳細
トマトの旨味と豚骨スープ。『カッパハウス』[所沢]
店内はおしゃれなカフェのよう。スープやトッピングには化学調味料を一切使用せず、麺は毎日打ったものを使用する。鶏ガラと豚骨のスープに、トマトを加えた「とまとらーめん」が一番人気。トマトの酸味と甘みが感じられ、パスタのような麺との相性もピッタリだ。キャベツやみじん切りの玉ネギ、出す直前に炙るチャーシューなどもよく合う。辛いものが苦手でないならば、卓上にあるタバスコを入れて食べてみよう。
『カッパハウス』店舗詳細
/定休日:無/アクセス:西武池袋線・西武新宿線所沢駅から徒歩5分
自家製粉「翁達磨」系の味を『狭山 翁』[下山口]
店主は、そば好きの人なら誰もが知る「翁達磨」の高橋邦弘さんの下で修業をし、その味と技術を習得した。地元・埼玉県産のほか、茨城、群馬の玄ソバを仕入れ、地下で低温管理。毎日使う分だけ自家製粉して手打ちする。それだけに、そばの豊かな香りと本来の持ち味を楽しめるので、定番のざるで、その喉ごしの良さと歯応えを味わおう。3月末までの冬季限定・牡蠣せいろも、揚げた大粒のカキがプリッとした食感で、つゆにコクを生み出しおいしい。
『狭山 翁』店舗詳細
うずら愛あふれる、日本唯一のうずら専門店。『うずら屋』[航空公園]
うずらの肉や卵を使用した料理・スイーツが味わえる、日本で唯一のうずら専門店。フランス原種で日本独自に育てられたうずらは、卵が濃厚でクリーミー。看板メニューの特製オムライスは、ライスやデミグラスソースにもうずら肉や出汁が使われており、まさにうずらづくし。テイクアウト品の王道たまごサンド480円も注目株。コクのあるうずらの卵本来の味が楽しめる。
『うずら屋』店舗詳細
気取らぬ自然体の街角イタリアン。『伊酒屋いえもん』[西所沢]
「調理も接客も一人でやっているので、お客さんとの距離が近いですね」と笑うのは、店主の佐々木潤さん。オープンは2018年6月だが、佐々木さんの料理人歴は約20年。自慢のスペアリブは、表面を焼いてからじっくり煮込むことで、中までしっかり味が染み込んでいて濃厚。オリーブオイルが香る枝豆のペペロンチーノなど、独特の発想で生まれたオリジナルメニューも多数。
『伊酒屋いえもん』店舗詳細
次々と変わる産地を3種のそばで味わう。『手打ちそば処 椿屋』[新所沢]
「北海道から九州まで、産地は10日から2週間ごとに変えています」と、店主の佐藤雅毅さん。自ら手打ちする際、温度や湿度により微妙に水加減や打ち方を変えているとか。麺は二八が基本で、歯ごたえがあり、そばの風味あふれる田舎のほか、甘みを感じる石臼碾き、さらりとした更科の3種類から選べる。「常連さんも多いので、しょっちゅう来ても飽きられないようにね」と佐藤さん。
『手打ちそば処 椿屋』店舗詳細
旨味と軽さが両立した極上ローストビーフ。『大衆ビストロPINE』[所沢]
看板はクラフトビールとそれに合うフードメニュー。自家製ローストビーフは低温調理で肉の味が凝縮されつつ、薄切り&バルサミコ酢の自家製ドレッシングで重くない。フルーティなビールには3種のパテを。丁寧な下ごしらえにより、くさみやこってりさがなく爽やかな味わいを楽しめる。店長の松岡正典さんはビアバーでの修業を経ており、季節の料理に合わせたドリンクの裏メニューもあり。
『大衆ビストロPINE』店舗詳細
一頭買いの所沢牛を丸ごと味わえる!『所沢牛焼肉 べこ助』[狭山ヶ丘]
所沢の牧場で育つA4・A5ランクの肉を地産地消で所沢をもっと広めたい、と店を立ち上げた。「所沢を盛り上げられたら」と店長の高橋さん。オススメのいいとこセットはカルビとロースをメインに、日によってラインナップが変わる。牧場から卸売を通さず仕入れるため肉の鮮度は抜群。甘みのあるサシと肉の旨味を、塩や甘口醤油、味噌ダレなど部位ごとにベストなマッチングで味わいたい。
『所沢牛焼肉 べこ助』店舗詳細
旨味あふれる極上ラムの誘惑。『ラムジンギスカン羊々 所沢』[所沢]
羊肉はマトン、ロールもあるが、ダントツ人気はラム。厳選した肩ロースを使用しているので、脂と赤身のバランスがいい上、くせがなく柔らかでジューシー。タレは味噌と醤油の2種。日替わりで1種が選ばれる本日の100円野菜、ネギ塩豆腐330円、たたきキュウリ330円、特製ビビンバもどき450円など、店主のアイデアが光る遊びゴコロも楽しい。
『ラムジンギスカン羊々 所沢』店舗詳細
取材・文=神谷 郁・南雲恵里香・今田 壮(風来堂)、速志淳、千葉香苗(アド・グリーン) 撮影=加藤熊三、オカダタカオ、井原淳一、猪俣慎吾