目が覚める刺激的なレモンサワー『火弖ル 吉祥寺本店』[吉祥寺]
冷えっ冷えのグラスと強めの炭酸が“火弖ル流”。渇いた喉にジリジリ染みる刺激的な口当たりだ。「レモンサワーは酒の導入剤のような存在です」と店主の小倉拓也さん。“ここ”を起点にどんな酒でもイケるが、日本酒ならば酸味の強いレモンにも負けずに同調する、ガッチリした「旭若松」がおすすめだ。「烏賊の肝炒め」をちびちびつまみながら、燗酒に移行しつつ、「口をリセットしたくなったらレモンサワーに戻るのもあり」と店主。
『火弖ル 吉祥寺本店』店舗詳細
丸ごとレモンが爽やかに香ります『SUGAR Sake&Coffee』[阿佐ケ谷]
凍らせたレモンを丸ごとすりおろした、果汁感がいっぱいのレモンサワー。炭酸は穏やかで、わずかに入れたガムシロップの甘みがレモンの酸味を引き立てている。1杯目だけではなく「日本酒のチェイサーにもいいんですよ(笑)」とマスターの佐藤健一さん。「山陰東郷」のような甘みがあって濃厚な酒の合間に飲むと、口がシャキっとしてついつい日本酒が進んでしまう。が、すぐに酔っちゃう組み合わせなのでゆっくり楽しみたい。
『SUGAR Sake&Coffee』店舗詳細
純粋なまでに清涼感あふれる『ゆう』[代々木上原]
清涼感のある酸っぱさで、飲めば疲れた身体がすみずみまで甦ってくる味わいだ。使うのは愛媛の農家が無農薬で育てたものを、皮ごとプレスした純粋なレモンジュースで、果汁の酸味や旨味がストレートに伝わってくる。「最初に飲めば口がスッキリしますし、日本酒の1杯目におすすめしたい『王祿』八〇直汲のフレッシュ感と寄り添うんです」と店主の井本有祐さん。レモンサワーは日本酒を美味しく飲むための伏線のような存在だと、この店でさらに知る。
『ゆう』店舗詳細
日本酒のお供に飲むレモンサワー『西麻布角屋』[広尾]
店長が、ぐらぐらと煮立った湯のなかにレモンを丸ごと落とした。茹でるのですか? と、驚いて目を丸くしていたら「表面のワックスが取れますし、皮が柔らかくなって果汁が最後まで搾れるようになるんです」と教えてくれた。しっかり果汁を搾った甘くない軽快なレモンサワーは、1杯目から〆酒までいつ飲んでも美味しい。「日本酒の店なのにレモンサワーのほうが売れる時があって切ない」という店長のうれしい悲鳴も納得の味なのだ。レモンサワー600円に合う黒酢と山椒がきいた「よだれ鶏」800円はしっとりした食感。
『西麻布角屋』店舗詳細
取材・文=山内聖子 撮影=本野克佳