自家焙煎オーガニックコーヒーとこだわりカレー。『ベルベットコネクション』
フェアトレードでオーガニックのコーヒー豆を自家焙煎するお店。店主はフィリピンで小さな農園で育てられたコーヒーを飲んで、そのおいしさに驚いたことからコーヒーに魅せられた。揃えているのは、エチオピア、モカ、グアテマラ、スマトラ、コロンビアといった5つの生産地が定番で、季節ごとに仕入れる豆も含めると10カ国程度の豆を揃えている。
いちばん人気はトマトの酸味が程よい豚バラのカレー。夏にはゴーヤーを入れるなど、野菜は季節によって内容が変えるそうだが、見た目はシンプル。ホールで油に香りを移して使うスパイスの中には、花椒も使っている。姉妹店の『深大寺カフェ』から取り寄せているスイーツ類に含めてフードメニューにも力を入れていくそうだ。
『ベルベットコネクション』店舗詳細
ドーナツやカレーを光がいっぱいの店内で。『park』
『park(パーク)』があるのは調布市深大寺の『神代植物公園』そば。窓が大きく作られた店内には作家ものの器、カトラリー、衣類なども並ぶ。
カフェメニューはカレーとドーナツがメイン。ドーナツは、小さな子どもが『神代植物園』でおやつとしてドーナツを頬張る姿が思い浮かんだから。カレーも公園で遊び疲れたあとに、寄り道してお腹を満たしてほしいという発想でメニューに加えた。
販売する暮らしの道具もカフェのメニューも、一貫しているのは、作り手の考え方に共感できたものを扱うということ。道具なら潔くシンプルなデザインで、実際に使って使いやすいと感じたものが並ぶ。カフェのメニューは、農薬等に頼らず、素材そのものの健やかさが追求された食材で作っている。
『park』店舗詳細
豆を丁寧に選別して生まれるおいしいコーヒー。『PANTRY COFFEE』
店主夫妻がそれぞれの思惑があってカフェを開いたのは2016年。長野県出身の妻が「弟が長野で作るおいしい野菜や米を使った食事を出す店をやりたい」と考えたこと、そして夫は「10年ほど前から魅せられたコーヒーを自家焙煎して販売したい」と考えたこと。
品川通りに面した店に足を踏み入れると長野県や地元調布の農家から仕入れた色とりどりの野菜が目に入る。そして反対側の小型の焙煎機がある奥で、コーヒー豆の選別作業が行われているのが『PANTRY COFFEE』のいつもの風景だ。
コーヒーは2つのブレンドとカフェインレスを合わせて9種類のラインナップ。深煎りの調布ブラックと浅煎りの調布ホワイトをドリップパックにしたものが調布のおみやげにも選ばれている。
『PANTRY COFFEE』店舗詳細
建築事務所が仕掛ける調布の魅力を繋ぐ拠点。『FUJIMI LOUNGE』
調布駅から吉祥寺駅に向かうバスで4つ目のバス停で降りると、すぐそばにあるのが『FUJIMI LOUNGE(フジミ ラウンジ)』だ。建築家の菅原大輔さんの建築事務所が運営していて、“地域のヒトとブンカをつなぐ「まちのリビング+カフェ」”がコンセプトだ。
街づくりも手がける菅原さんにとっては地域の交流を促す実験場所も兼ねる。常連客には調布在住の漫画家や哲学者などもいて、それぞれの著書も書棚に並べられている。
メニューには菅原さんが関わった地方のお酒や食品なども。手頃な値段で提供されるコーヒーは、ハンドドリップコーヒー、水出しコーヒー、手押しエスプレッソを用意。山中湖や調布市内の焙煎所から取り寄せた別々の豆をそれぞれに使用している。
『FUJIMI LOUNGE』店舗詳細
和も英国調もなじむ木のお部屋。『cafe SWEET』
住宅地でひっそり続けて約20年。靴を脱いで上がると、思わず「おじゃまします」と言いたくなる、関谷智恵子さんちのカフェ。梁天井に下見張りの内壁という木のぬくもりを感じる空間は、ご自身お気に入りの和の小物や英国の食器がよくなじむ。あれこれ取り寄せて選び抜いた紅茶は、スリランカの小さな農園で作られる農薬不使用、ノーブレンドの鮮度抜群の茶葉を使用している。華やかだけど優しいアールグレイの香りに、あぁ、心がほぐれてく。
『cafe SWEET』店舗詳細
一杯と一冊がくれる小さな幸せ。『本とコーヒー tegamisha』
焙煎機を操るのは、豆の焙煎を手掛ける関根利純さん。「この直火式は焼き加減の調整が難しいのですが、うまくすればより高い香りとコクが出せます」。動物の名を冠したブレンド3種から中深煎りのブルーフォックスをいただくと、まろやかな甘みの後にビターな香りがふわり。隣を見ればお気に入りの一冊とコーヒーで過ごす女性客。ここには幸せな時間が確実に流れている。
『本とコーヒー tegamisha』店舗詳細
コーヒー道の深まりにわくわく。『cafe AiR』
当初は仕入れた豆で淹れていたが、7年前から自家焙煎をはじめ、2017年からカフェとロースタリーを近所で別々に独立。「焙煎が楽しくなり、集中できる場がほしいなと。1回で750gを焙煎する小型機をあえて使い、毎日何度も焙煎してます」と嶋田理明さん。豆売りのほかテイクアウトもOKで、近所のおじさんや女子大生がアイスカフェラテ280円などを買っていく。お手頃価格のおいしいコーヒーが柴崎っ子の心をつかんだ様子。
『cafe AiR』店舗詳細
取材=下里康子、佐藤さゆり(teamまめ)、藤村恭子、野崎さおり 撮影=加藤昌人、高野尚人、藤村恭子、野崎さおり