老舗の品格を感じて……『カフェ トロワバグ』[神保町]
熟成豆の風味を引き出す技に感服!
創業45年の老舗喫茶の味は、伝統のネルドリップが決め手。「持ち帰りでも、奥行きある味を」と2代目店主の三輪徳子さんは時間をかけて淹れる。出来上がりをいただくと、オールドビーンズの熟成香にほっとひと息。追って、とろりと丸みある口当たりや深い苦味に包まれる。鼻腔(びくう)に残る香りも心地よく、どこか落ち着く味わいだ。
『カフェ トロワバグ』店舗詳細
華やかな豆を楽しむ!『Glitch Coffee and Roasters』 [神保町]
「農場ごとの豆の味の違いを楽しんで」とは、バリスタの藤崎大輔さん。店頭に並ぶ豆はすべてシングルオリジンだ。風味を損なわぬよう浅煎りし、湯量や時間、濃度まで数字管理して淹れる。ひと口含めば、ハーブのような青々とした香りやフルーツのごとき酸味がパッと花開き、鼻の奥を抜けていく。爽やかな後味がなんとも心地よい。
『Glitch Coffee and Roasters』店舗詳細
自転車好きな店主が営む『ASSIST COFFEE ROASTERY』 [神田]
厳選したブラジル豆の香りにうっとり
自転車が趣味の店主・樋口玲緒さんは「自転車好きがふらっと立ち寄れる場所をつくろう」と開業した。各国のコーヒーが並ぶなか、イチオシは自身が滞在していたブラジル。ナナハンという真っ赤な焙煎機で、じっくり香りを確認しながら中浅に仕上げる。口に含めば、まろやかな舌触り。ナッツのような香ばしさと、カカオに似た甘い芳香が広がる。
『ASSIST COFFEE ROASTERY』店舗詳細
ラテにもご注目!『Social Good Roasters』 [小川町]
深い甘さに包まれた、芯ある味
「障碍(しょうがい)を持つ人々が、コーヒーの仕事を通して自立できるように」という思いでつくられたカフェ併設の福祉施設。生豆を手作業でより分け、世界大会仕様の焙煎機・GIESENで火を入れる。ドリップもいいが、カフェラテはまた格別だ。フォームドミルクからふくよかな豆の香りが上り、甘みの奥に力強い苦味と華やかな酸味が立つ。
『Social Good Roasters』店舗詳細
農場で飲むような濃い口のラテ!『きっさこ』 [神保町]
ミルクにこだわった、正統派のラテ
豆は、店主の石毛弘幸さんが姉妹店の『神田珈琲』で焙煎したコーヒーをブレンド。「カフェラテのミルクは、小岩井乳業の『まきば』と『特選』の2種類から選べます」と、スタッフの藤原理子(まさこ)さん。特に「まきば」は、農場で飲むような濃い口の味が特徴。ひと口飲めば、コーヒーのコクがミルクを引き立て、こっくり甘くてほっこり。
『きっさこ』店舗詳細
試してみたい最先端コーヒースポット『root C』 [秋葉原]
好みを見抜くAIカフェロボット
アプリで注文し、指定した時間に受け取る無人コーヒースタンド。面白いのは、アプリ内の質問に答え、おすすめコーヒーが表示されるパーソナライズ診断「root C MATCH」だ。2回目の診断から、より自分好みの一杯をAIが導き出してくれる。しかも、豆はスペシャルティコーヒーのみ揃えている本格派。AIカフェロボット、なかなかやりおる。
『root C』店舗詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2021年11月号より