ロンドン郊外にあるパブをイメージ『The Cat & Cask Tavern』[要町]

チェダーチーズ&イングリッシュピクル850円。クラッカーにチャツネのようなピクルとチーズをのせて。
チェダーチーズ&イングリッシュピクル850円。クラッカーにチャツネのようなピクルとチーズをのせて。

カウンター中央、つまり、 この店の中心とも言える場所に鎮座するハンドポンプは、開店時、箕面(みのお)ビールの先代社長が取り付けたもの。「だからこれには、箕面ビールで醸造したエールしかつなぎません」 と、英国人オーナーのウエイン・ビッケルさんと高田侑由子(ゆうこ)さん夫妻が説明する。箕面ビールを筆頭に、 「イギリス風味のビールを醸造する日本のメーカーを応援したい」 との気持ちが深く、志賀高原や伊勢角屋、木曽路ビールなどをラインナップする。ハンドポンプでなくても炭酸ガスは微量、あるいはオフに設定するのは、 「クラフトビールは生きているから、ガスはそんなに必要ない」 と、考えるから。

夜が更けてくると、カウンター越しに、大人っぽい高度なジョークが飛び交う。

箕面ペールエールUKパイント(568ml.)1250円~、USパイント(473ml.)1100円~。
箕面ペールエールUKパイント(568ml.)1250円~、USパイント(473ml.)1100円~。
ハンドポンプ3本含む全6タップ。
ハンドポンプ3本含む全6タップ。
ロンドン郊外にあるパブをイメージ。
ロンドン郊外にあるパブをイメージ。
静かな住宅地にある。
静かな住宅地にある。

『The Cat & Cask Tavern』店舗詳細

住所:東京都豊島区要町1-32-10/営業時間:18:00~23:00LO(土は17:00~、日・祝は~22:30LO)/定休日:火・第1・3・5日/アクセス:地下鉄有楽町線・副都心線要町駅から徒歩5分

ドイツスタイルのスタンド!『bier & imbiss WURST HAUS』[虎ノ門]

左はイタリアのモレッティ700円。ソーセージはシュネッケン1200円、ドイツチョリソー、ニュルンベルガー各300円。樽生 パウラナー・ヘーフェヴァイスグラス650円~など。
左はイタリアのモレッティ700円。ソーセージはシュネッケン1200円、ドイツチョリソー、ニュルンベルガー各300円。樽生 パウラナー・ヘーフェヴァイスグラス650円~など。

ドイツの軽食スタンド“インビス”スタイルの店では樽生7種がほぼ日替わり。イチオシはオーナーが現地で惚(ほ)れたパウラナーだ。「とがってない、毎日飲み続けられる味」とマネージャーの村松亜企子さんは目を輝かす。つまみはもちろんソーセージ。バナナ香がふわーと広がるパウラナーだが、ソーセージの旨味を濃く引き出し、膝を打つ。

店長の村松さん。
店長の村松さん。
テラスは2卓あり。
テラスは2卓あり。

『bier & imbiss WURST HAUS』店舗詳細

住所:東京都港区西新橋1-21-1/営業時間:17:00~23:00(土は13:00~20:00)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線虎ノ門駅から徒歩5分

テラス席で欧州ビストロランチを。『Riverside Café Cielo y Rio』[蔵前]

マーケットサラダランチ1100円。自家製パンはお代わり自由。樽生 ハートランド780円。
マーケットサラダランチ1100円。自家製パンはお代わり自由。樽生 ハートランド780円。

“天空と川”という名を持つ店だけあって開放感が違う。9卓並ぶテラス席では川面は見えないものの、緑の隙間から川風が吹き込み、空が高い。午後から日陰となり盛夏にもうってつけ。2種ある生ビールのお供にはサラダを。オレンジとレーズンで漬け込んだキャロットラペやキノコマリネ、ラタトゥイユなど7~8種にソーセージがのり、さながら前菜盛り合わせ。旬の野菜も満載でヘルシーながら、男性も納得のボリュームだ。

隅田川の川縁に立つ元楽器倉庫。夜のスカイツリーもいい。中2階、3階席からは川も望める。
隅田川の川縁に立つ元楽器倉庫。夜のスカイツリーもいい。中2階、3階席からは川も望める。

『Riverside Café Cielo y Rio』店舗詳細

住所:東京都台東区蔵前2-15-5 MIRROR 1F/営業時間:11:30~21:00LO/定休日:無/アクセス:地下鉄大江戸線蔵前駅から徒歩5分

日本人はやっぱ泡が命なのです!『Brasserie Beer Blvd.』[新橋]

佐藤裕介さんは“スーパードライをおいしく飲む”が信条。「注ぎ方で味わいも変わる」と、2014年2月に独立した店では3種類の注ぎ方を実践、味比べも楽しめる。

一般的な“シャープ注ぎ”は、炭酸ガスを抜かないように注ぎ、キレのある喉越し。対して、泡立てて注ぐ“マツオ注ぎ”は麦の甘みに驚く。飲み心地が軽く、何杯でもいける味だ。そして佐藤さん考案の“サトウ注ぎ”は「その中間」。ビールと泡を同時に注ぐため、麦の甘みとキレが生まれる。「提供温度やグラスの厚みでも味は変わるんです」と佐藤さん。いや実に生ビールは奥深い。

ついでに、ウマい生の見極め方も尋ねると「出てきたビールを見ればわかります」と力を込める。グラスに油分やホコリが付着していると、きちんと洗浄していない証拠。ビールへの愛情が足りないという。ウマい生は店の愛あっての賜物なのだ。

これが“サトウ注ぎ”。ビール液を注ぎながら泡をふくらませるため、泡がふんわり。ビールは麦の甘みとキレが同居する。
これが“サトウ注ぎ”。ビール液を注ぎながら泡をふくらませるため、泡がふんわり。ビールは麦の甘みとキレが同居する。
こんな生ビールはNGだ! ブクブクのカニ泡で、グラス内面に気泡がたくさん付着。時には生臭さもあり、味を台無しに!
こんな生ビールはNGだ! ブクブクのカニ泡で、グラス内面に気泡がたくさん付着。時には生臭さもあり、味を台無しに!
樽生 アサヒスーパードライ680円、ハーヴェストムーンシュバルツ820円~、隅田川ペールエール800円~など。
樽生 アサヒスーパードライ680円、ハーヴェストムーンシュバルツ820円~、隅田川ペールエール800円~など。

『Brasserie Beer Blvd.』店舗詳細

住所:東京都港区新橋5-10-8 カルチャーセンタービル2F/営業時間:17:00~23:00(土は16:00~)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄新橋駅から徒歩6分

クセになる辛味ソースと豚肉の甘み。『鉄板酒場 鐵一 八重洲地下街店』[東京]

ホットとん820円。もち豚バラをサイコロ状にカットし、鉄板で炒めた一品。柔らかい肉質で、噛むとうっとりする。そこに訪れる刺激的な辛さ! このギャップがたまらない。樽生 アサヒスーパ ードライ生500円~など。
ホットとん820円。もち豚バラをサイコロ状にカットし、鉄板で炒めた一品。柔らかい肉質で、噛むとうっとりする。そこに訪れる刺激的な辛さ! このギャップがたまらない。樽生 アサヒスーパ ードライ生500円~など。

場所は東京駅直結の八重洲地下街。こぢんまりとした立ち飲み屋で、仕事帰りのサラリーマンがふらっと立ち寄れる気さくな店だ。疲れを一気に吹き飛ばしてくれるのは、もちろん冷えた生ビール。アサヒスーパードライのキレのある苦みで喉を潤したら、店自慢の鉄板焼きを。もち豚バラを豆板醤ベースのオリジナルソースで炒めたホットとんは弾力があり、噛めば噛むほど甘みを増す。辛味、甘みが口中で広がり、ビールお代わり!

『鉄板酒場 鐵一 八重洲地下街店』店舗詳細

住所:東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 南1号/営業時間:11:00~22:30LO(土・日・祝は~22:00LO)/定休日:不定/アクセス:JR・地下鉄東京駅から徒歩1分

柔らか肉とスパイスの競演!『鍛冶屋 文蔵 有楽町店』[有楽町]

鶏ももの文蔵焼き759円。肉の表面をよくみると赤いタレにしっかり覆われている。これが全部スパイス! なるほど辛いわけだ。付け合わせのキャベツに巻いて食べても◎。
鶏ももの文蔵焼き759円。肉の表面をよくみると赤いタレにしっかり覆われている。これが全部スパイス! なるほど辛いわけだ。付け合わせのキャベツに巻いて食べても◎。

鶏ももは身が柔らかくなるように丸一日マリネ。10種類のスパイスでじっくり風味をつけ、注文が入ってからオーブンへ投入すれば、手間ひまかけた文蔵焼きの完成だ。口に入れると肉がとろけ、続けてガツンと辛味が襲う。ここで、アサヒスーパードライはじめ大手4社が揃う生ビールをゴグリ。キレのいいビールが味覚を中和し、再び刺激を欲する。これぞヤミツキ! 飲んべえの聖地、有楽町高架下で、100人ほど入れるにぎやかな雰囲気にもテンションが上がる。

樽生 アサヒスーパードライ中ジョッキ539円~。
樽生 アサヒスーパードライ中ジョッキ539円~。

『鍛冶屋 文蔵 有楽町店』店舗詳細

住所:東京都千代田区有楽町2-1-11/営業時間:17:00~23:00LO(土・日・祝は16:00~22:30LO)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅からすぐ

牛タンとクラフトビアの夜。『VECTOR BEER』[新宿御苑前]

牛タンの炭火焼2170円。牛タンを一本一本、丁寧に掃除し、タン本からタン中までのやわらかな部分を炭火で焼いてからカット。肉本来の味が際立つ一品。
牛タンの炭火焼2170円。牛タンを一本一本、丁寧に掃除し、タン本からタン中までのやわらかな部分を炭火で焼いてからカット。肉本来の味が際立つ一品。

牛タンはもちろん、メニューには豚タンやラムタンもあります。なかでも不動の人気を誇るのが炭火焼きだ。シンプルな味付けだが、噛めば濃厚な風味が広がり、添えられたワサビで食べれば旨味の奥で一陣の涼風が駆け抜ける。そこで合わせたいのが樽替わりで登場する10種類の国産クラフトビア。ラインナップは毎日どころか、一日の間に変わることも。全種グラスサイズ(約270ml)500円、パイントサイズ(約530ml)850円、アマゾンサイズ2200円(約1500ml)2200円とお値打ち、3種類飲み比べセット(約150ml×3種類)1000円で、多彩な香味を満喫すべし。

樽生 VECTOR BREWING・ねこぱんちグラス500円~などが味わえる。
樽生 VECTOR BREWING・ねこぱんちグラス500円~などが味わえる。

『VECTOR BEER』店舗詳細

住所:東京都新宿区新宿1-36-5 新宿ホテルパークイン1F/営業時間:17:00~23:00LO/定休日:不定/アクセス:地下鉄丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩3分
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番台で食券も買ってビアグルメを堪能!『貫井浴場』[中村橋]

生ビール550円。ところてん300円。シューマイ500円は、数人でつっつきたい。マーボー茄子400円。
生ビール550円。ところてん300円。シューマイ500円は、数人でつっつきたい。マーボー茄子400円。

番台横にある広々とした宴会場。豊富なメニューは、まんま定食居酒屋! 食券はお風呂と同じカウンターで買い、厨房の窓口に出す、珍しいシステム! 料理の経験がなかった2代目ご主人・野内清さんは、ラーメン屋で働いていた友人に教わりつつ腕を磨いたそうな。家族連れでにぎわう繁忙時は3代目息子さんにも手伝ってもらい、お嫁さんと番台を交代。食事処のみの利用も可。思わず杯を重ねちゃいます~。

主浴槽の他に仕切られたラドン浴槽室あり。珍しいのは室内に水風呂があるのに、露天風呂のある外にも水風呂が。ご主人いわくこちらは子供や家族で入ってほしくて作ったそうな。
主浴槽の他に仕切られたラドン浴槽室あり。珍しいのは室内に水風呂があるのに、露天風呂のある外にも水風呂が。ご主人いわくこちらは子供や家族で入ってほしくて作ったそうな。
野内さん一家。最近は孫の小学生のお嬢ちゃんも手伝ってくれて、心強い。
野内さん一家。最近は孫の小学生のお嬢ちゃんも手伝ってくれて、心強い。

『貫井浴場』店舗詳細

住所:東京都練馬区貫井2-20-16/営業時間:15:00~24:00/定休日:月(祝は営業)/アクセス:西武池袋線中村橋駅から徒歩8分

黒湯の後に黒ビールジョッキ大!『NU-LAND さがみゆ』[雑色]

生ビール大800円。にんにく揚げ(青森産)400円。
生ビール大800円。にんにく揚げ(青森産)400円。

黒湯温泉銭湯天国、大田区。飲食処ありの施設も多いけど、ここは規模No.1。2階に圧巻の広さの大宴会場! しかもメニュー約80の圧倒的な品数は大型飲食店並!! 厨房チーフの依田さんは洋食出身、基本メニューをアレンジした品も常時開発。若者、ファミリー、年輩の人などさまざまなお客さんが来るので、焼き鳥から定食メニューまで、幅広い品ぞろえがうれしい。飲んでヨシ、食べてヨシ、幅広く対応できるようになってるんです。

濃度の濃~い黒湯の天然温泉の大浴槽は壮観。露天というか外気風呂も同じく温泉。他もジェットバス、ミクロバイブラ、電気風呂、寝風呂、水風呂といろんなお風呂が充実している。
濃度の濃~い黒湯の天然温泉の大浴槽は壮観。露天というか外気風呂も同じく温泉。他もジェットバス、ミクロバイブラ、電気風呂、寝風呂、水風呂といろんなお風呂が充実している。
VIP感漂うカラオケルーム、お座敷、卓球場まであるから恐れ入る!
VIP感漂うカラオケルーム、お座敷、卓球場まであるから恐れ入る!

『NU-LAND さがみゆ』店舗詳細

住所:東京都大田区仲六郷2-7-5/営業時間:10:00~23:00/定休日:無(火は入浴のみ)/アクセス:京浜急行本線雑色駅から徒歩3分
暑い。来る日も来る日も灼熱の太陽に焼かれ、寝苦しい熱帯夜を過ごす毎日。キンキンに冷えた生ビールが恋しいな、今日は仕事終わりにグビッとやろうかな、だって?ちょっと待ったあ~!運動不足でたるんだお腹。そんなカラダでビールを飲みたいなんて、甘ったれちゃあいけません。いつの日かコロナが収束した後の飲み歩きライフを満喫するためにも、だらけまくった肉体を鍛えておくべし! 飲んべえのための筋肉、その名も“飲み歩きマッスル”の鍛錬に励む筋トレガイド企画、いよいよ今回が仕上げです。
四季の風を感じながら、開放的な気分で飲める東京都の居酒屋を紹介。代表的なビアガーデンはもちろん、テラス席を用意している店舗も。川沿いのテラスで夜景を楽しむもよし、商店街の一角でワイワイやるのもよし。心地よく東京の夜が更けていく。

文=teamまめ(佐藤さゆり、信藤舞子、松井一恵)、ラジカル鈴木 撮影=泉田道夫、井原淳一、丸毛透、オカダタカオ