目白で和菓子といえば『志むら』なのです
昭和14年(1939)青山で創業したあと、昭和21年(1946)目白に移転。それからずっと目白の和菓子といえばこの店だ。なんといってもあんこがおいしい。上品でさらりとした甘さで、お餅のやわらかさも絶品。ああ、想像するだけで食べたくなる。
しかし、今日はかき氷。そう決めてきた。
店の1階は売店、2階が喫茶になっている。かき氷は喫茶のみのメニューなので2階へ。すでに店内にはお客さんがちらほら。この日はちょっと肌寒かったが、どうやら全員がかき氷の注文のよう。そんなに人気なのか……。これは期待できる。
メニュー豊富!天然氷を選べるときも
さて、メニューを見ると、かき氷メニューの多いことにびっくり。メニューを考案するマネージャーの江良さん曰く「天からイメージが降ってくるんですよ!」。今までに考えたメニューは300種以上というからますますびっくりだ。
悩んだ挙げ句、定番で一番人気の
。今回は入荷がなかったので選べなかったが、プラス162円で天然氷にできる日も。南アルプスの天然水を2週間ほどかけて厚みを出したのが『志むら』の天然氷。いつでも在庫があるわけではないので、入荷に関しては事前に確認するほうがいいようだ。
これが「目白の崖」!いざ挑まん!
そびえ立つ氷の壁に、真っ赤なイチゴのシロップがたっぷり。こんなインパクトのあるかき氷は初めて見た。もともとはふつうのかき氷だったが、あるときからだんだんと高さを増し、シロップやあんこ、白玉をかけるために少し削ったことから崖が生まれたという。
やさしくふんわり削られた氷と、イチゴの甘さが口の中で溶けていく。すうっと甘さも消えていくはかなさがたまらない。頭がキーンとなることもなく、もう一口、もう一口と食べてしまう。ソースの「生いちご」は、生のイチゴを加熱せずにシロップに漬けたもの。さっぱりとした甘さとさわやかさは、そのとき旬のいちごを大量に生で使っているからなのだ。「崖」初心者にはぜひ「生いちご」をおすすめしたい。
お腹に余裕があれば、お茶とお菓子も楽しみたい
お菓子にプラス550円でおいしいお茶がたっぷり付く和菓子セットもおすすめだ。
江良さんは、和菓子屋で働きたいと考え、都内各所の水ようかんを食べ比べて『志むら』を選んだという。
福餅は、えんどう豆を混ぜ込んだお餅に江良さんお墨付きのあんこが入った創業以来の商品。お餅がやわらかく、お餅の塩気とあんこの甘さが癖になる一品だ。
取材・文・撮影=ミヤウチマサコ