海外の人気ドラマ『フレンズ』のように、気取らずワイワイ楽しめる洋風酒場
柏駅東口から歩いて8分。柏銀座通り近くにある『洋風酒場 CENTRAL PARK』は、2015年にオープンした。
店内に入ると、長いベンチシートに木のテーブル。トタンが張られた壁にはCAMPARIのネオンサインやポスターが飾られ、なんだか秘密基地のようでワクワクする。
店名の由来は、アメリカの人気ドラマ『フレンズ』。主人公の男女6人が集うカフェ「Central Perk」のように、人が集まり、楽しくワイワイ過ごせる場所にしたいという思いを込めた。
「気取らず、みんなで楽しく過ごせる店がいいなって」
そう話すのは、シェフで店長の小林美和さん。ともに柏出身のオーナーシェフ・大家瞬(おおいえしゅん)さんと店を切り盛りしている。
2人はともに料理人。店で提供するのはイタリアンやフレンチ、スペイン料理などを取り入れた洋食だ。
「高級料理ではないけど、どうせならおいしく食べてもらいたい。安いけどおいしいね、っていう酒場の料理を出したいんです」
軽いつまみから肉料理、パスタ、自家製ピザ、デザートまでメニューは充実。だから、ここで飲み始めて締めまで楽しむ客も多いという。
「常連さんの中には『ただいま〜!』って17時に来て、気がついたら24時っていう人もいますよ」と、小林さん。
それだけ居心地がいいということなのだろう。
10年以上進化中。2人の料理人が作る酒場の洋食
メニューを見ると、ナポリタンにビーフシチュー、自家製ピザ、週末限定のハンバーグ。マグロとアボカドのタルタルや鮮魚のカルパッチョなど、酒飲みの心をくすぐる料理がずらりと並ぶ。
「これがあるなら、これもできるよねって増やしていったら、こんなに増えちゃって」
小林さんはそう言って笑うが、料理への向き合い方はいたって真面目だ。
たとえば、定番のナポリタン。目指しているのは、純喫茶で食べるような昔ながらの味だという。
「ほっとするというか、懐かしい味を目指しています。でも、まだ出来上がったものじゃなくて。開店以来、まだ味を模索しているんです」
10年以上作り続けても、まだ完成ではない?
驚いてたずねると、その時々で1番おいしいと思う味を出したいのだという。
鮮魚にも力を入れる。魚は松戸南部市場まで足を運んで仕入れ、その日の状態に合わせて締めたり、寝かせたりなどひと手間を加えて提供する。
酒は洋酒を中心に、入手困難な日本酒や焼酎などもひと通り揃っている。約100本を揃えるワインにはリストがなく、予算や好みを聞いたうえで、ボトルを見せながら「こんなのどう?」と提案するのが『CENTRAL PARK』流だ。
料理も酒も妥協しない。その真面目さが、どの一皿にも表れている。
つまみから締めまで。店の魅力をまるごと味わう
さて、ここからはお待ちかねの実食タイム。
まずはイタリアのクラフトビール、バラデン イザック980円で乾杯。この日仕入れたカンパチのカルパッチョ、エビのアヒージョ、店の人気メニュー・マグロとアボカドのタルタルをいただいた。
カンパチのカルパッチョには、アーモンド、トマト、バジルを使ったトラパネーゼソースを合わせている。脂ののったカンパチに甘いフルーツトマト。ガリッと利いたペッパーもいいアクセントだ。
エビのアヒージョ980円は、油が回ると塩が素材にのりにくくなるため、しょっぱすぎず、物足りなくもない、“酒のつまみ”としてちょうどいい塩加減を狙うという。
そして、筆者の心をわしづかみにしたのが、マグロとアボカドのタルタル。
「だいたいの人がオーダーする1番人気のメニューです」と、小林さん。
クラッカーにたっぷりとのせて口へ運ぶ。ねっとりとしたマグロとアボカドに、ほんのりワサビが利いて……うまい! 大げさではなく、丼1杯食べられそうだ。
そして締めは、10年以上進化を続けるナポリタン。ケチャップたっぷりで、甘めの味付け。太めのスパゲティをほおばれば、ゴロゴロ入ったソーセージが口の中で弾けた。卵と一緒に食べると、さらに濃厚な味わいに。
さらにこの日の自家製デザートは、マスカルポーネを使った濃厚プリン500円。バレンタインにはチョコレートのテリーヌを作るなど、デザートも季節によって変わるという。
つまみから始まり、魚、ナポリタン、デザートまで。なるほど、ハシゴをしなくても確かにこの店だけで完結してしまう。
冒頭の「ただいま〜!って店に入って来る人もいますよ」という小林さんの話にも説得力がある。
『CENTRAL PARK』には、店の個性に引き寄せられるように温かな客が集まるという。
おいしい料理と酒があり、気取らず笑って過ごせる。気がつけば筆者もすっかり長居していた。
取材・文・撮影=パンチ広沢






