久住昌之
1958年、東京生まれ。漫画、エッセイを多数手がける。谷口ジローと組んで描いた漫画『孤独のグルメ』は、2012年にTVドラマ化、現在season8まで放映。劇中全ての音楽の制作も担当。

ガッチーンッていう鮮やかな緑とか。スマホじゃ撮れないですね。

久住 わあ、カレーピラフ!
武田 セットでシューマイと。
久住 このめちゃくちゃな取り合わせがいいんだ。いい匂いでしょ。

『孤独のグルメ』でもロケした『カヤシマ』のドライカレー。出てきたときの香りが強烈で最高。スプーンで飲む煮込んだ味噌汁もおいしい。被写界深度が難しい。 ●F2 ●1/42秒 ●ISO320 ●Provia

武田 確かに。で、久住さん、散歩中は写真を撮りますよね?
久住 撮りますよ絶対。昔から。
武田 スマホですか?
久住 最近はね。でもFUJIFILM X100Vはファインダー付きで、ずっと気にはなっていました。やっぱり散歩中は首に提げていたいしね。
武田 気分が出るから?
久住 気分というよりすぐ撮れるから。スマホ取り出してってやっていると、なんかもたもたする。あと、多少重さがあったほうが安定する。カメラはやっぱりカチッと金属がいいです。
武田 今回は佐賀に持って行っていろいろ撮ったんですよね。
久住 そう。単線の電車に乗ったり、いろは島の温泉とか海とか食べものとか、でも正直言って難しかった。海撮るのとか。
武田 スマホは簡単ですか。
久住 でも絶対スマホで撮れない写真も撮れる。こういうガッチーンッていう鮮やかな緑とか。
武田 なんか色味が違いますね。
久住  電車の中から撮るやつとか、たくさん失敗しました(笑)。
武田 満足いくのはあります?
久住 まあ何枚か。

佐賀によく行きますが、免許持ってないので、電車移動。松浦鉄道などローカル線の旅が楽しい。車窓からの写真は、露出が難しいけど、うまく撮れると実にいい感じ。 ●F4.5 ●1/340秒 ●ISO320 ●Provia
佐賀には棚田も多い。写真はいろは島近く。西向きなので夕暮れ時も素晴らしいだろう。ケータイ写真とは一味も二味も違うリッチな描写力に、ニンマリ。 ●F5.6 ●1/600秒 ●ISO320 ●Provia

カメラって本来こういうもんだな

久住 昔、一眼レフを初めて持ったころを思い出しました。やっぱり失敗しないとうまくならない。デジタルになってカメラも映像もよくないのは、フレーミングをちゃんとやらなくなったっていいますね。適当に撮って、あとでソフトで加工すればいいでしょとか。
武田 特にこれは単焦点ですし。
久住 ズームできないから自分が動かないとならない。後ろに下がるとか。それがいいよね。やっぱり自分の足や頭を使わないでやろうとするのは駄目。それがモノを作る基本です。
武田 我々も取材や街のネタを探すとき、ネット情報に頼りすぎるとけっこう失敗します。
久住 散歩中、出合ったものをそのまま撮るって意外と根性いるんです。電車の中で何枚も失敗しながら、カメラって本来こういうもんだな、これを使いこなせたらいいなと思いました。
武田 久住さんならすぐですよ(笑)。ほら、ドライカレーもいい感じじゃないですか。

吉祥寺の武蔵野八幡宮で。 樹木が生きたまま電信柱的に利用されている。電線が植物のツタ的。モノクロで撮ると、混乱具合が強調されて、面白い。 ●F3.6 ●1/200秒 ●ISO320 ●モノクロ

FUJIFILM X100V

新設計23㎜(35㎜ 換算で35㎜)F2レンズを搭載し、超高性能センサー「X-Trans CMOS 4」の実力を余すことなく引き出したレンズ一体型デジタルカメラ。-5.0EVまで駆動するオートフォーカスによって、日の暮れた時間帯や、光量が少ない店内であっても、イメージ通りの撮影が可能になった。多彩な色調を可能とするフィルムシミュレーションには「モノクロ」や「Provia(プロビア)」など全17種類のモードが搭載され、フィルム写真の質感を再現できる。オープン価格。
●お問い合わせは富士フイルムデジタルカメラサポートセンターへ
☎0570-04-1060
●製品ホームページはこちら
https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x100v/

撮影・写真キャプション=久住昌之 TOPイメージ撮影=武田憲人(編集部)

FUJIFILM X100V を片手に、北千住の商店街や、老舗銭湯『タカラ湯』で気ままに写真撮影。たくさん撮り歩いた1日を経て、銭湯研究の第一人者・町田忍と本誌編集人・武田憲人が語る「理想のカメラ」とは?
FUJIFILM X100Vを片手に、アウトドア系編集者・清野明と、月刊『散歩の達人』編集人・武田憲人が山さんぽ。天気にも恵まれた撮影日和の湘南平(神奈川県)、予想外に本格的な山歩きで汗を流した後は、とある山麓酒場に直行! 喉を潤しながら理想の散歩カメラについて語りあいました。