【広尾・六本木・麻布十番の切絵図】

東都麻布之絵図

武蔵野台地の東端に位置し、起伏に富む地形のため、仙台坂や一本松坂、暗闇坂など多数の坂がある。

切絵図中央の「善福寺」は、都内では浅草寺に次ぐ歴史がある。開国を迎えた幕末にはハリスが初代公使として訪れ、アメリカ公使館となった。境内にはハリスの記念碑と国の天然記念物の樹齢約700年というイチョウがある。

ハリスの通訳を務めたヒュースケンは公使館からの帰途に薩摩藩攘夷派によって暗殺され、「光林寺」で眠っている。また、京に上る将軍の警護を担った浪士組を発案した清河八郎は、一之橋付近で暗殺されるなど、幕末の歴史舞台でもある。

「毛利右京亮」の下屋敷跡は現在、六本木ヒルズとなり、毛利庭園として残っている。

※掲載の古地図は、江戸の町を32区画に分割して作った切絵図を使用。すべて、麹町にあった金鱗堂が出版したもので、屋号である尾張屋清七から「尾張屋板(版)」と呼ばれる。鮮やかな多色刷りが特徴。
※切絵図内の白色の部分は【大名屋敷などの武家地・御用地】、赤色は【神社仏閣】、灰色は【町屋】、黄色は【道】、青色は【海・川・池】、緑色は【山林・土手・馬場・田畑など】を示している。

歌川広重『名所江戸百景 広尾ふる川』。
歌川広重『名所江戸百景 広尾ふる川』。

【散歩コース】

スタート:広尾駅は地下鉄日比谷線で恵比寿駅から3分・180円。

地下鉄日比谷線広尾駅→(3分/0.4km)→祥雲寺→(17分/1.1km)→光林寺→(9分/0.6km)→有栖川宮記念公園→(6分/0.4km)→麻布総鎮守 氷川神社→(13分/0.9km)→善福寺→(9分/0.6km)→一之橋→(18分/1.2km)→正光院→(8分/0.6km)→毛利庭園→(5分/0.4km)→地下鉄日比谷線・大江戸線六本木駅

ゴール:六本木駅から地下鉄日比谷線で恵比寿駅まで6分・180円、地下鉄大江戸線で新宿駅まで9分・220円。

今回のコース◆約6.2km/約1時間30分/約8300歩

将軍の侍医・岡本玄冶の墓もある「祥雲寺」

江戸時代初期に福岡藩主・黒田忠之が中屋敷に父の長政を弔うために開基。寛永6年(1629)に現在地に移転。墓所には初代藩主・長政をはじめ有馬家や織田家など大名の墓がある。

「祥雲寺」詳細

住所:東京都渋谷区広尾5-1-21/営業時間:拝観自由/アクセス:地下鉄日比谷線広尾駅から徒歩3分

浪士に暗殺された通訳が眠る「光林寺」

丸亀藩(現・香川県)主・京極高豊が開基し、その後、現在地に移転。ここには日米修好通商条約を締結したハリスの通訳兼書記を務め、善福寺から帰路に就く途中で攘夷派浪士に襲撃され落命したヘンリー・ヒュースケンの墓がある。

「光林寺」詳細

住所:東京都港区南麻布4-11-25/営業時間:拝観自由/アクセス:地下鉄日比谷線広尾駅から徒歩11分

下屋敷跡の趣ある日本庭園「有栖川宮記念公園」

江戸時代は南部藩(現在の岩手県中部)下屋敷で、明治に入り有栖川宮親王の御用邸になった。その後、麻布台地の変化に富んだ地形を生かした公園になり、多くの人でにぎわう。

「有栖川宮記念公園」詳細

松尾芭蕉も句を詠んだ古社「麻布総鎮守 氷川神社」

平安時代創祀とも、太田道灌の開基とも伝わる。徳川2代将軍秀忠の正室・江(ごう)が安産を祈願したという。また、歴代将軍の鷹狩りや遠出した際にしばしば参拝したと伝わる。

「麻布総鎮守 氷川神社」詳細

住所:東京都港区元麻布1-4-23/営業時間:拝観自由/アクセス:地下鉄南北線・大江戸線麻布十番駅から徒歩11分

幕末に初代アメリカ公使館が置かれた寺「善福寺」

平安時代に弘法大師により開山。幕末には、初代アメリカ公使館となり、公使となったハリスたちを迎えた。樹齢750年、高さ20mの都内最古のイチョウは国指定の天然記念物。墓所には福沢諭吉の墓がある。

「善福寺」詳細

レトロな雰囲気を残す橋「一之橋」

徳川5代将軍綱吉の別荘である白金御殿造営に伴い、元禄12年(1699)に古川に架けられたという。幕末に将軍護衛のために結成された浪士組を発案した清河八郎はこの近くで暗殺された。現在の橋は1983年に建造された。

「一之橋」詳細

住所:東京都港区東麻布3~三田1/営業時間:見学自由/アクセス:地下鉄南北線・大江戸線麻布十番駅から徒歩2分

御府内八十八ヶ所霊場二十七番札所「正光院」

寛永7年(1630)、福岡藩2代藩主・黒田忠之による開基で、本尊は薬師如来。境内には植物が多く、麻布のオアシス的存在で、四季を感じられる。

「正光院」詳細

住所:東京都港区元麻布3-2-20/営業時間:9:00~17:00/定休日:無/アクセス:地下鉄日比谷線・大江戸線六本木駅から徒歩8分

六本木ヒルズで大名庭園を鑑賞「毛利庭園」

戦国大名・毛利元就(もとなり)の孫で、長府藩(現・山口県)初代藩主・秀元の上屋敷があったところ。毛利邸は幕末まで続いた。広さ約4300平方メートルの回遊式庭園で、池ではスペースシャトルで生まれた宇宙メダカの子孫を飼育。

「毛利庭園」詳細

老舗のグルメを堪能!

多くの大名に食べられた更科そば『総本家 更科堀井 本店』

寛政元年(1789)創業で、大名屋敷に出前を届けていたという。そばの実の中心部分を使ったさらしなそば1100円。

『総本家 更科堀井 本店』店舗詳細

住所:東京都港区元麻布3-11-4/営業時間:11:30〜15:00LO・17:00〜20:00LO(土・日・祝は11:00〜20:00LO)/定休日:無/アクセス:地下鉄南北線・大江戸線麻布十番駅駅から徒歩5分

店頭の日傘が目印の豆菓子店『豆源』

慶応元年(1865)創業。豆の持ち味を守る製法で、豆菓子の味を追求する。おとぼけ豆432円や福豆486円など、さまざまな豆菓子が好評だ。揚げたての塩おかき400円~も人気。

『豆源』店舗詳細

住所:東京都港区麻布十番1-8-12/営業時間:10:00~18:30/定休日:火・不定/アクセス:地下鉄南北線・大江戸線麻布十番駅から徒歩5分
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取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『古地図であるく 大江戸散歩地図』より