流れるような動きで作り出す、こだわりのエスプレッソとラテアート
『CAFFE STRADA』は、店長でバリスタの市原道郎(みちお)さんが7年の修業の後オープンした店だ。イタリア製のエスプレッソマシーンを手際よく操り、丁寧にエスプレッソを淹れる姿が小気味いい。特注するオリジナルの深煎豆を使って淹れてくれるので、苦味の強さや濃さなど好みや希望を伝えてみよう。
エスプレッソをベースにしたバリエーションコーヒーも20種類以上と豊富だ。特にカフェラテは豆の香りがミルクに負けることなく味わえる。
「苦味と甘みの両方を感じるエスプレッソを淹れることが目標なんです」。ベテランとなった今でもそう言う道郎さん。日々努力を重ねる真面目さを感じた。
濃厚でクリーミーな手づくりチーズケーキ。ここにもこだわりのエスプレッソが
カフェラテのおともは大人気のエスプレッソバスクチーズケーキ。こだわりのエスプレッソをふんだんに練り込んであり、一口食べると濃厚なチーズとエスプレッソの香りがふんわり広がる。甘さと苦味がバランスよく、なめらかでクリーミー。しっとりとした重みに大満足な逸品だ。
いつでも6種類以上用意される手づくりスイーツは、2週間ごとにメニューが入れ替わる。そしていまでも道郎さんはケーキ作り修業を進行中。新たなスイーツの登場も楽しみだ。
カフェなのに? 洋食屋メニューは老舗の貫禄
メニューを見るとわかるのだが、食事はかなり本格的なメニューが多く、カフェの枠を超えている。
それもそのはず、実は道郎さんのお父さん・正道さんはもともと有名フレンチ料理店のコック。今は親子で厨房に立ち、レストラン時代と変わらぬソースをベースとしたハヤシライスやハンバーグシチューなど人気のメニューを提供する。
この日は自慢のハンバーグの入ったロコモコを注文した。大きめで厚いハンバーグは食べごたえがあり、シャキシャキしたトッピングの野菜との対比が楽しい。きちんとした洋食屋さんの味だった。
ふたつの道が交差する場所
『CAFFE STRADA』の「STRADA」とは「道」のこと。息子である道郎さんと父・正道さん、両方の名前にちなんでいる。二人の「道」、そしてカフェと洋食というふたつの顔が交差する場所がこのお店だ。
「父から洋食の技術を習得しようと思って勉強中です」
コーヒーだけでなく、ケーキ、洋食と一歩ずつ守備範囲を広げていく道郎さん。そしてそれを支える正道さん。成長していくお店の変化を楽しみに思う。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ