散歩途中にほっとできるポケットパーク『Pati(パティ) coffee & plants』

半分以上がテラス席で、陽光差し込み緑生い茂る空間はまるで小さな公園のよう。
半分以上がテラス席で、陽光差し込み緑生い茂る空間はまるで小さな公園のよう。
スコーン、クッキー、抹茶クリームがセットになったChristmas Plate(ドリンク付き)1380円、CHOCO LATE750円、スパイスが香るミートパイ680円。
スコーン、クッキー、抹茶クリームがセットになったChristmas Plate(ドリンク付き)1380円、CHOCO LATE750円、スパイスが香るミートパイ680円。
飯島さん(左)。
飯島さん(左)。

「居心地のいい場所を作りたい」と建築設計が本業の仲間たちで各々の趣味・特技を持ち寄ったカフェ。「店ができたことで出会いが増え、世界が広がりました」と飯島花奈さん。遊び心ある焼き菓子とコーヒーを味わう時間、日課にしたい!

9:00~17:00LO(土・日は8:00~17:30)、火休。
☎なし

野菜そのもののおいしさが染みる!『またたび惣菜店』

「お弁当のおかずにもぜひ」と長濱さん。
「お弁当のおかずにもぜひ」と長濱さん。
惣菜6種盛り1780円。
惣菜6種盛り1780円。
ヴィーガンキャロットケーキ680円。
ヴィーガンキャロットケーキ680円。

下北沢で総菜店を営んでいた長濱千都さんが、2024年11月に淡島通りへやってきた。肥料・農薬不使用の野菜を使った総菜が日替わりで7~10種ほど。人参の蒸しナムルは素材の透き通った甘みに驚く。小さなイートインスペースでは昼からワインも飲めるという誘惑付き。

8:00~22:00、月・不定休。
☎なし

古着を起点にカルチャー発信する場所へ『OVERLAP CLOTHING』

「新品と同じように触ったり着たりしてみて」と水野さん。
「新品と同じように触ったり着たりしてみて」と水野さん。
POLO SPORTSのフリース1万9800円。
POLO SPORTSのフリース1万9800円。
ベーブルース柄のパジャマシャツ1万4300円。
ベーブルース柄のパジャマシャツ1万4300円。

「こう着たらいいんじゃないかという提案の気持ちを込めて1点1点選んでいます」とファッションスタイリストの水野遼平さん。80~90年代の北米やフランスの古着を中心に、古着に合わせやすいオリジナルブランドのアイテムも揃う。

13:00~19:00(土・日・祝は12:00~)、火休。
☎050-1529-6170

人もグルメもあたたかい手作り喫茶『STAND By SUNDAY』

坂口さん。
坂口さん。
2階にあるアンティークショップの商品も並ぶ店内。
2階にあるアンティークショップの商品も並ぶ店内。
ヘルシーバーガー1350円。ふわりとターメリックが香るコーンスープ付き。
ヘルシーバーガー1350円。ふわりとターメリックが香るコーンスープ付き。
パン職人お手製ドーナツ《喫茶店のパンドーナツケーキ》950円。
パン職人お手製ドーナツ《喫茶店のパンドーナツケーキ》950円。

三宿でコーヒースタンドを営んでいた西原佳隆さんと、池尻大橋『TOLO PAN TOKYO』で修業した坂口公美さんがタッグを組んで2023年にオープン。ネルドリップのコーヒーとあわせて楽しみたいお手製のランチやスイーツが目白押しだ。

12:00~19:00(11:00~ランチボックス販売)、木休。
☎050-1807-6189

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陸の孤島なのに、ではなく、陸の孤島だから、いい

地図を眺めていると、期待に胸が高鳴った。下北沢、三軒茶屋、池尻大橋の3駅を結んだトライアングルの中心、淡島交差点。どの駅からでも歩ける場所ではあるものの、どの駅前にも属さない、絶妙な位置関係はまさしく「島」。なんだかお宝の気配がするぞ。

淡島交差点は淡島通りが北沢川と交差する地点でもあり、谷底になっている。
淡島交差点は淡島通りが北沢川と交差する地点でもあり、谷底になっている。

いざ淡島に上陸してみれば、ここ数年でオープンした店が淡島通り沿いにいくつも並んでいて圧倒される。洗練された高級店に、移転してきた老舗や人気店。開店ほやほや『またたび惣菜店』の色とりどりのお弁当なんて、さながら宝石箱じゃないか!

どうしてこんなに粒ぞろいなんだろう。『STAND by sunday』オーナーの西原さんいわく、淡島は「商売をするには難しいよ、と地元の人から言われた場所」。でも、それがかえってチャレンジ精神に火をつけた。「コアな場所でやりたかったんです。淡島じゃないとだめだった」。

富ヶ谷から移ってきた『OVERLAP CLOTHING』の水野さんも「むしろ陸の孤島がよかった」という。「お店目がけて来てもらうスタイルをとりたいので、利便性やアクセスの良さは場所を選ぶうえで軸にしていませんでした。ここは、下北や三茶から何かを経由しながら来られるのもいいですよね」。地名でいえば代沢(だいざわ)、池尻、三宿(みしゅく)、太子堂の境界部分でもあり、それぞれの街の色がかすかに入り混じっているようにも見える。各カルチャーの前線なのかもしれない。

目黒川の支流が暗渠(あんきょ)化し整備されている北沢川緑道。
目黒川の支流が暗渠(あんきょ)化し整備されている北沢川緑道。

世田谷区や目黒区で物件を探していた『Pati coffee & plants』は、最終的に北沢川緑道が決め手だったという。「緑道を散歩する途中に、休憩場所として立ち寄ってもらいたくて」と飯島さん。緑道にある代沢せせらぎ公園は拡張・リニューアルを予定していて、地域住民と一緒に未来像を考える「公園づくり検討会」を今まさに世田谷区が実施中だとか。これからますます楽しみってわけだ。

代沢せせらぎ公園でひとやすみ。お総菜を食べるのにぴったりのベンチも!「緑道のそばはのどかで気持ちがいいね!」。
代沢せせらぎ公園でひとやすみ。お総菜を食べるのにぴったりのベンチも!「緑道のそばはのどかで気持ちがいいね!」。

予想以上の収穫にホクホクしながら、帰りはどこで道草食おうか考える。北沢川から目黒川を下って池尻に出ようか、梅丘通りと茶沢通りをたどって下北や三茶に行こうか。バスに乗れば渋谷もすぐだ。うーん、とりあえず『またたび惣菜店』で一杯ひっかけるか。

取材・文=中村こより 撮影=鈴木愛子
『散歩の達人』2025年1月号より

下北沢『BASEMENTBAR(ベースメントバー)』はインディーズの注目バンドから海外ミュージシャンまで、さまざまな音が鳴り響く場所だ。このハコは感度の高い音楽を届け続け、下北沢だけでなく、東京、全国、そして世界から注目される。今回は、店長のクックヨシザワさんに思う存分、語っていただこう。
プレイヤー、リスナー、あらゆる音楽フォロワー憧れの的である下北沢『SHELTER(シェルター)』。全国的にも知名度が高く、小沢健二の楽曲の歌詞にも登場する。足を運んだことがない人も、その店名は耳にしたことがあるかもしれない。今回はこの歴史あるライブハウスの店長、義村智秋さんにお話をうかがい、店の重ねてきた30年以上の歴史を追体験し、今のライブハウスのスタンスについても考えていく。 ※TOP画像提供:『SHELTER』 ankライブ風景撮影:Akira“TERU”Sugihara
松重豊氏が監督・脚本を務める『劇映画 孤独のグルメ』。その主題歌を担ったのは、40年来の友人である甲本ヒロト氏だ。二人が出会った下北沢『珉亭(みんてい)』にて、出会いからタッグに至るまでを語っていただいた。