【散歩コース】
スタート:京都駅前バス停から市バス4系統で上賀茂神社前バス停まで55分・230円
市バス上賀茂神社前バス停(すぐ)→上賀茂神社(賀茂別雷神社)(11分/0.7km)→大田神社(23分/1.5km)→陶板名画の庭(すぐ)→京都府立植物園(53分/3.5km)→大徳寺(1分/0.1km)→龍源院(2分/0.1km)→瑞峯院(7分/0.6km)→今宮神社(8分/0.6km)→市バス船岡山バス停
ゴール:船岡山バス停から市バス206系統で京都駅前バス停まで35分・230円
今回のコース◆約7.1km/約1時間45分/約9500歩
上賀茂神社(賀茂別雷神社)/京都の守護神と崇められる古社
社殿の造営は天武天皇6年(677)。賀茂川の下流に位置する下鴨神社と合わせて賀茂神社と称し、当社を上社、下鴨神社を下社と呼ぶ。約23万坪の境内全域が世界文化遺産で、本殿・権殿が国宝、41棟が重要文化財。
大田神社/平安の歌人に詠まれたカキツバタ
上賀茂神社の境内摂社。創建年は不明だが上賀茂神社よりも古く、京都最古の社という。5月中旬には参道脇の池で国の天然記念物に指定されている野生のカキツバタが群落をつくる。
陶板名画の庭/世界的な名画を陶板画で鑑賞
建築家・安藤忠雄氏設計の屋外施設に、名画を焼き付けた陶板画を展示する世界初の絵画庭園。ダ・ヴィンチ、ルノワール、ゴッホなどのおなじみの作品8点が展示されている。
京都府立植物園/日本最古の公立総合植物園
約24万㎡の敷地に約1万2000種類の植物を栽培。桜、バラ、ハナショウブ、紅葉など四季折々の景観も楽しみ。日本最大級の観覧温室では約4500種の熱帯植物を観賞できる。
龍源院/方丈・唐門・表門は国の重要文化財
大徳寺の塔頭。室町時代に相阿弥(そうあみ)が作庭したと伝わる苔庭に三尊石組を配した龍吟庭(りょうぎんてい)をはじめ、坪庭の東滴壺(とうてきこ)、白砂に苔島を配した一枝坦(いっしだん)、阿吽(あうん)の石庭という趣の異なる4つの枯山水庭園がある。
瑞峯院/枯山水の庭園に十字架形石組
天文4年(1535)、キリシタン大名の大友宗麟(そうりん)が菩提寺として創建。本堂は創建当時の建築物で国指定重要文化財。方丈北側の庭園「閑眠庭(かんみんてい)」は、キリシタン大名にちなんで十字架形の石組がされている。
今宮神社/徳川綱吉の母・桂昌院が再興
平安遷都以前に疫神(えきじん)を祀る社があったといわれる。正暦5年(994)に災疫鎮静を祈り神輿(みこし)を造営し、船岡山に安置したのが起源。長保3年(1001)に疫病 がはやったとき、天皇が現在地に神殿を造営し今宮社と名付けた。
【清流に沿って土塀が連なる風情ある町並み】
上賀茂の社家
上賀茂神社一の鳥居前から大田神社に向かう道に社家(しゃけ)と呼ばれる屋敷が連なっている。社家とは神官の屋敷のことで、室町時代から上賀茂神社の神官の屋敷町として町並みが形成されてきた。現在、一帯には約20軒が連なり、「上賀茂の社家」として国の伝統的建造物群保存地区に選定されている。
上賀茂神社から流れる「ならの小川」が境内から出ると明神川と名を変える。社家は明神川に沿って連なり、それぞれの社家の出入り口となる橋をはじめ、土塀や門、妻飾りをもつ建物などが風情のある景観を生み出し、桜、梅、椿など季節の花が趣を添えている。
西村家庭園は唯一公開されている社家で、庭園には上賀茂神社の御神体である神山になぞらえた降臨石や、神官が禊(みそぎ)を行う石組の水垢離場(みずごりば)などがあり、昔ながらの面影が残っている。
社家の町並みの一角に上賀茂北大路町がある。画家・陶芸家・料理家など多彩な顔をもつ北大路魯山人は、この地にあった社家の次男として生まれた。現在、実家はないが、大田神社参道に立つ福徳社の脇に北大路魯山人生誕地の碑が立つ。
【京都グルメを堪能】
『マールブランシュ京都北山本店』モンブランが人気のスイーツ店
モンブラン・オートクチュール1540円は、目の前でマロンクリームを絞り、ラム酒を絡めた刻み栗と合わせて仕上げてくれる。オリジナルの京都紅茶880円とともに味わいたい。
『森のカフェ』芝生広場を眺めながらひと休み
植物園中央の芝生広場の脇にあり、休憩ポイントに最適。うどん・そば各480円、カレーライス600円、パスタ560円などおなじみのメニュー構成。コーヒー300円でひと休みを。
『松田老舗』一休さんが伝えた大徳寺納豆
禅寺である大徳寺に、精進料理に欠かせない昆布を納める店。大徳寺納豆(写真)は、大豆を炎天下で発酵熟成させた塩辛い納豆。禅僧のタンパク源として珍重された。小50g540円。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より