富士山と東京スカイツリーのツーショットも!
JR市川駅の南口に建つ高層ビル『ザ タワーズ ウエスト』を、3階からシースルーエレベーターでぐんぐん上がると、和洋女子大学や千葉商科大学がある緑豊かな国府台越しに筑波山が見えてくる。
45階にある市川市の施設『市川市アイ・リンクタウン展望施設』に到着したら、何はさておき屋上の展望デッキへ。
天気がよければ富士山と東京スカイツリーのツーショットが拝める、地上150メートル・360度の大パノラマ!屋根がないので江戸川を渡る風まで感じられる。開放感たっぷりだ。
夜は一変、幻想的な夜景が広がる
夕日や夜景も絶景だ。駅前という立地のよさに加えて展望デッキは21時まで開放されているので、仕事帰りにも気軽に立ち寄れる(45階は22時まで開放)。ここは市川市民の日常生活と共にある展望施設なのだ。
江戸川にかかるJRと京成の線路上を電車が走るのどかな風景も夜には一変。夜景の中を走り抜ける電車の光の筋は幻想的だ。
天空の癒やしスポットへ!
展望デッキから45階に戻ったら、目指すは『アイ・リンク情報コーナー』併設のカフェスペース。天井までガラス張りの明るい空間で気持ちがいい。
コロナウイルスが蔓延する前は4人席もあり賑やかだったが、現在は一人席が中心。この日もコーヒーを片手に新聞を広げる常連さんらしき人や、お菓子の皿を前に熱心に外の景色を眺める人など、思い思いの時間を楽しむ一人客ばかり。コンセプトは「天空の癒やしスポット」とのことで、静かな時間を過ごすのに最適だ。
月替わりの和洋菓子とジェラートに舌鼓
カフェスペースではドリンクにジェラート、それから月替わりで市内の和洋菓子店のお菓子が楽しめる。
店は定期的に入れ替わるそうで、2022年、8月・9月の和菓子は市川市大野町の『峰月堂』のもの。8月のお菓子、わらび餅は親しみやすいやさしい味わい。9月は地元市川の梨を白ワインでコンポートにし、白あんと柔らかい餅で包んで梨の形に仕上げた「ありのみ」。梨の産地の市川ならではの創作和菓子だ。
8月・9月の洋菓子は、市川市若宮の『洋菓子工房 マロニエ』のもの。8月はクリームのシャリッとした食感が楽しい冷凍シュークリーム。抹茶味は生地にもクリームにも抹茶が入り風味豊か。9月はチーズクリームを巻き込んだケーキ、チーズロールが登場予定だ。
和洋菓子のほか、本八幡の『魁(カイ)ジェラート』のジェラートが定番で楽しめる。店舗では時折パンチの効いたフレーバーも登場する地元の人気店だ。
和洋菓子を両方食べた後でも、このジェラートを食べずには帰れない。今回は展望施設で一番人気というピスタチオを注文。ねっとりとして濃厚なコクがある。至福だ。
市川市の観光政策課の方は「ここで楽しんでいただくだけでなく、ここで出合ったお菓子の店舗を実際に訪れてほしい。街へ出るきっかけになれば」と話す。
観光のイメージはあまりないかもしれないが、市川市には魅力的な街歩きスポットがたくさんある。たとえば市川駅北口の大門通りから真間山弘法寺へ向かうコースは初めて市川を訪れる人におすすめの散歩コース。永井荷風や幸田露伴、東山魁夷といった文化人が暮らした街でもあり、文化施設も多い。
アイ・リンク情報コーナーでは市内の観光名所も紹介されている。スイーツを食べたら、ここを起点に市川の街散歩に出るのも楽しい。
文・撮影=原亜樹子(菓子文化研究家)