なんでもあり!?の「性」はいのちの戦略だった

オオフウチョウ(オス)/剥製
オオフウチョウ(オス)/剥製

ヒトにとって、最も身近な性様式であるオスとメス。だが、生きものによってはその様式はさまざま。オス、メスがそっくりなものから、全く別の姿をしているもの、その境界があいまいなものまで、バリエーションに満ちた「性のすがた」を提示してみせる。本展ではそうした多様性に富んだ性のあり方、その仕組みに迫る。

生きものたちの生殖器や交尾の方法も多種多様だ。美しい飾り羽を広げ、声を上げて飛び跳ねながらメスを誘うオオフウチョウがいれば、花粉を運ぶハナバチのメスに似た模様でオスバチを誘い込むビートルデイジーなど、したたかなものもいる。そうした映像や音声、標本を交えてユニークな性の世界をのぞき見ることができるのが本展の醍醐味である。

生きものの「性」を知ることは、生命の進化や繁殖戦略への理解を深めること。それとともに、自然界の豊かさと多様性を再発見する絶好の機会になりそうだ。

ビートルデイジー
ビートルデイジー

ピーココック・スパイダーの求愛行動を捉えた特別展示作品も登場

本展の特別展示作品として、コロンビア出身でシドニーを拠点に活動する現代美術家・マリア・フェルナンダ・カルドーゾの《芸術の起源について Ⅰ-Ⅱ》(2016)が登場する。オーストラリアに生息するクジャクハエトリグモ属(ピーコック・スパイダー)の求愛行動を捉えた映像から、微細な生命の美しさと脅威を体験させてくれるとともに、人と自然の関係を問いかける。

また、人気クリエイターとのスペシャルコラボレーションも実現。人気アニメクリエイター「はじめまして松尾です」が唯一無二の世界観を生かし、ビジュアルや展示内で上映される解説アニメーションの制作を担当。イメージソングは、本展アンバサダーをつとめるラランド・サーヤさんが参加するバンド「礼賛」が担当する。

音声ガイドナビゲーターは、本展アンバサダーのラランドのサーヤさんとニシダさんが担当。彼らによるわかりやすく楽しい案内にも注目だ。

開催概要

特別展「生きものたちの性」

開催期間:2026年10月31日(土)~2027年2月21日(日)
開催時間:9:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:月(ただし、11月2日・23日・1月11日・2月15日は開館)、11月24日(火)・12月28日(月)~2027年1月1日(金・祝)・12日(火)
会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
アクセス:JR上野駅から徒歩5分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅から徒歩10分
入場料:一般・大学生2300円、小・中・高校生600円
※未就学児無料、障害者手帳をお持ちの人とその介護者1名は無料。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://www.ikimono-sei.jp/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=国立科学博物館