『すみだ北斎美術館』が誇る名品が一堂に

葛飾北斎『画本狂歌 山満多山』袋 すみだ北斎美術館蔵 (前期)
葛飾北斎『画本狂歌 山満多山』袋 すみだ北斎美術館蔵 (前期)

墨田区に生まれ、およそ90年にも及ぶ長い生涯のうち、90回以上も引っ越しをしたといわれる葛飾北斎。そのほとんどを「すみだ」で過ごしながら、多くの名作を残したという。作品の中には、両国橋や三囲神社、牛嶋神社など、当時の「すみだ」の景色を描いたものが数多くある。葛飾北斎の「葛飾」は、出生地である「すみだ」を含む地域が、武蔵国葛飾郡であったことから名乗ったとされる。

本展は北斎に所縁の深い「すみだ」の地に開館し、10周年を迎えた『すみだ北斎美術館』による特別展。これまで展観してきた作品のみならず、未公開作品や新規収蔵作品に至るまで、『すみだ北斎美術館』が誇る名品の数々を紹介。北斎とその門人たちの魅力を存分に堪能できる内容になっている。

葛飾北斎「朱描鍾馗図」 すみだ北斎美術館蔵 (後期)
葛飾北斎「朱描鍾馗図」 すみだ北斎美術館蔵 (後期)

圧巻!全長約7mの「隅田川両岸景色図巻」も登場

葛飾北斎「隅田川両岸景色図巻」(部分) すみだ北斎美術館蔵 (半期巻き替え・通期)
葛飾北斎「隅田川両岸景色図巻」(部分) すみだ北斎美術館蔵 (半期巻き替え・通期)

約70年間の画業で、数多くの作品を残した北斎。一見すると、ひとりの絵師が描いたとは思えないほど画風の違いがみられるとともに、豊富な画想がさまざまな作品で発揮されているのも見どころだ。

東海道や木曽街道といった東西に長い街道を一枚の図に収めるため、街道を迷路のようにくねらせて構成したり、読本挿絵でも、大胆な画面構成と墨の濃淡だけで読本の内容を臨場感あふれるように表現していたりする。

広報担当の澤田さんは、「戯作者 烏亭焉馬の依頼により、北斎が現在の墨田区内にあった焉馬宅で描いた全長約7mの『隅田川両岸景色図巻』。明治期に海外に流出し、約100年ぶりに北斎の故郷・墨田区に帰還したこの幻の図巻をはじめ、肉筆画から錦絵・摺物・版本まで、初公開作品も交えた至高の北斎コレクション。北斎とその門人たちの魅力を、新たな発見とともにお楽しみください」と見どころを語る。

日本が世界に誇る北斎の魅力に、改めて触れる契機となりそうだ。

葛飾北斎『白井権八幡随長兵衛 驪比異塚』 すみだ北斎美術館蔵 (前期)
葛飾北斎『白井権八幡随長兵衛 驪比異塚』 すみだ北斎美術館蔵 (前期)

開催概要

開館10周年記念 特別展「ベスト オブ すみだ北斎美術館―隅田川両岸景色図巻と名品―」

開催期間:2026年9月15日(火)~11月23日(月・休)
※前後期で一部展示替えを実施
《前期》9月15日(火)~10月18日(日)
《後期》10月21日(水)~11月23日(月・休)
開催時間:9:30~17:30(入館は~17:00)
休館日:月(ただし9月21日・10月12日・11月23日は開館)・9月24日(水)・10月13日(火)※ただし10月20日(火)は展示替えのため特別展(3階・4階企画展示室)は休室
会場:すみだ北斎美術館 3階・4階企画展示室(東京都墨田区亀沢2-7-2)
アクセス:JR総武線両国駅から徒歩9分、地下鉄大江戸線両国駅から徒歩5分
入場料:一般1500円、65歳以上・高校生・大学生1000円、中学生500円、障がい者500円、小学生以下無料

【問い合わせ先】
すみだ北斎美術館☏03-6658-8936
公式HP:https://hokusai-museum.jp/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=すみだ北斎美術館