踊りの文化を絶やさぬように
2013年に初開催され、いまや中野の夏の風物詩として定着した「中野駅前大盆踊り大会」、通称“ナカボン”。イベントの発起人である鳳蝶美成(あげはびじょう)さんは、民踊舞踊家だった母の影響もあり、幼いころから盆踊りに慣れ親しんできた。大学の卒業論文では岐阜県の郡上踊りをテーマに取り上げるほどで、訪れた現地では地元の盆踊りでありながら若者が先頭に立って踊る姿に感銘を受けた。その後、20代で自身の地元の中野音頭を極めたいと考え、さらに踊りの文化を盛り上げるため、30代で脱サラを機に盆踊り大会の立ち上げを決意した。
ナカボンでは生唄、生演奏のライブ形式で盆踊りがスタート。メインステージでは中野区民謡連盟が中心となり、三味線や太鼓、尺八などを使った生演奏で、地元の「中野音頭」をはじめ、「東京音頭」や「炭坑節」、「ドダレバチ」、「鹿児島おはら」といった全国津々浦々の民謡盆踊りを楽しむことができる。
他の盆踊り大会と一線を画すのは、盆踊りの休みの時間にJ-POPやロックのような現代音楽を取り入れた点。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなどの流行りの曲を流し、古典的な盆踊りの振り付けを合わせたことで若い世代に大ウケ。2018年にはDJ KOOさんが出演したり、Bon Joviの名曲『Livin’ On A Prayer』で踊る「盆ジョヴィ」が生まれたりして話題になり、一気に知名度が高まった。このように伝統的な盆踊りだけでなく、DJがその場の雰囲気で選曲を行い、まるでディスコのような空間で盛り上がる新しい盆踊り大会がつくられていった。
未来に受け継がれる新たな民謡作りに挑戦!
2026年の目玉企画は「新しい民謡を作る」。ただ一方的に曲を作って発表するのではなく、昔ながらの民謡の「7・7・7・5」の節に合わせて歌詞を募集し、地域でひとつの歌を作ることを目指している。作曲はアニメ『推しの子』などでの曲を手掛けた音楽家の伊賀拓郎さんが務め、初日の1日(土)には伊賀さんがキーボードで演奏し、ナカボンから生まれた新たな民謡が披露される。
「盆踊りはさまざまな世代の方々が気軽に参加できるコンテンツ。ナカボンは老若男女や多様性など、誰でも楽しめる盆踊り大会になっていると思うのでぜひいらしてください」と鳳蝶さん。2026年も豪華なゲストに加え、子供たちが喜ぶアニメキャラクターなども出演し会場を盛り上げる。踊りは古典の振り付けがメインなので、やぐら周りの盆踊りエリアで上手な人を探して見よう見まねで踊ってみるもよし、事前にYouTubeなどで予習してくるもよし。中野の街が熱気ムンムンになるナカボンへ足を運んでみよう。
開催概要
「第14回中野駅前大盆踊り大会」
開催日:2026年8月1日(土)・2日(日)
開催時間: 10:00~21:00
会場:中野セントラルパーク(東京都中野区中野4)
アクセス:JR・地下鉄東西線中野駅から徒歩5分
【問い合わせ先】
中野駅前大盆踊り大会実行委員会☎050-1785-0151
公式HP:https://nakabon.jp/
取材・文=香取麻衣子 写真=中野駅前大盆踊り大会実行委員会 齋藤功






