15人の女性写真家の才気に触れる

マーギット・エムリッヒ《無題、プラハ》1969年。(C)Margit Emmrich. Courtesy Loock Galerie, Berlin。
マーギット・エムリッヒ《無題、プラハ》1969年。(C)Margit Emmrich. Courtesy Loock Galerie, Berlin。

ドイツ写真史において、近年まで見過ごされてきた東ドイツ出身の女性写真家たちの作品にフォーカスを当てた本展。ベルリンの現代美術コレクターであるスヴェン・ヘアマン氏のヴィンテージ・プリント・コレクションを中心に、当時、あるいは現在も重要な作家として活動する15人の女性写真家を紹介する。

展覧会担当者は、「国際的なアーティストが倉庫やスタジオを構える旧東ベルリン・シュプレー河畔が拠点の、ラインベックハレン財団が管理するスヴェン・ヘアマン氏のコレクションを中心に、近作映像や東ドイツ時代の刊行物などの参考作品・資料などを日本で初めて公開します」と見どころを語る。

かつて存在した国で社会と日常の光景に注がれた、繊細な視線と確かな技術に注目し、それらの作品が果たした役割を改めて考える。

ブリギッテ・フォイクト《兄妹》1964年。(C)Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie,Berlin。
ブリギッテ・フォイクト《兄妹》1964年。(C)Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie,Berlin。

再統一後の近作や最新映像作品も登場

クリスティアーネ・アイスラー《ハイケ》1982年。(C)Christiane Eisler. Courtesy Loock Galerie, Berlin。
クリスティアーネ・アイスラー《ハイケ》1982年。(C)Christiane Eisler. Courtesy Loock Galerie, Berlin。

日本でのドイツ現代写真の紹介は、これまでデュッセルドルフ美術アカデミーで写真を教えたベルント・ベッヒャーと、ベッヒャー教室出身のアンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフ、トーマス・シュトルートといった旧西ドイツの写真家が主流だった。本展では、ライプツィヒの美術大学で修業した写真家たちを中心に、現在も主要な作家として活躍する写真家を取り上げる。

現代美術コレクターのスヴェン・ヘアマン氏による、旧東ドイツの女性写真家のヴィンテージ・プリントが公開されるのは日本初。今も輝きを放つ数々の作品に触れられる貴重な機会は要チェックだ。

ジビレ・ベルゲマン《記念碑、ベルリン、1986年2月》1986年。(C) Estate Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin。
ジビレ・ベルゲマン《記念碑、ベルリン、1986年2月》1986年。(C) Estate Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin。
ウーテ・マーラー《モード写真:水中のユーリア、レーニッツ》1979/2025年。(C)Ute Mahler. Courtesy Loock Galerie, Berlin。
ウーテ・マーラー《モード写真:水中のユーリア、レーニッツ》1979/2025年。(C)Ute Mahler. Courtesy Loock Galerie, Berlin。

開催概要

「もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち」

開催期間:2026年6月13日(土)~8月30日(日)
開催時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし7月20日は開館)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山(神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1)
アクセス:京浜急行電鉄逗子線逗子・葉山駅からバス18分、JR横須賀線逗子駅からバス20分
入場料:一般1200円、20歳未満・学生1050円、65歳以上600円、高校生100円
※障害者手帳をお持ちの人と、その介護者1名は無料。

【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 葉山☏046-875-2800
公式HP:https://www.moma.pref.kanagawa.jp/hayama/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=神奈川県立近代美術館