墨絵から歌舞伎座公演での舞台幕まで多彩な表現が集結
コシノヒロコとは何者なのか? 本展はファッションデザイナーとして知られる氏の表現世界に肉薄するもの。
半世紀を超えるキャリアの中で生み出されてきた膨大な作品群から、現代の感覚や価値観と強く共振する表現を厳選。コシノヒロコが活動してきた各時代の社会状況や文化的文脈、同時代の芸術表現との関係性を重ね合わせながら、「なぜその表現が立ち現れたのか」「いまどのような意味を獲得しうるのか」を問い直す。
広報担当者の山路さんは「今回の展覧会『(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO』は、『私を知らない人たちにこそ来てほしい』というコシノヒロコの思いから生まれたもの。60年にわたるキャリアの集大成ともいえる本展は、これまでの歩みを振り返る単なる回顧展ではなく、日本の美意識や伝統、さらには歌舞伎に宿る精神性を背景に、“未来へつないでいく表現”として構想されています。会場は5つのチャプターで構成され、半世紀を超える創作の軌跡をたどります。これまで発表してきたファッションコレクションをはじめ、アート作品やデザイン画など約400点を展示し、ジャンルを横断しながら挑戦を続けてきた創造の世界を浮かび上がらせるものになっています」と見どころを語る。
世代や国境を超えたコラボレーションにも注目
大きな見どころのひとつが、フランス・パリを拠点に活動する現代アーティスト、マティルド・ドゥニーズとのコラボレーション作品だ。廃棄されたオブジェクトや自身の過去の絵画、映画のセットや広告制作の現場から回収した塗料などを用いて構成される「コスチューム・ペインティング」と呼ばれる手法で知られるドゥニーズ。本展ではコシノヒロコの過去のコレクションで用いられたアイテムやテキスタイルを取り入れ、立体作品を制作している。コシノヒロコ×マティルド・ドゥニーズが起こした化学反応から、時間と文化を横断する新たな対話が生み出されていることにも注目したい。
また、コシノヒロコが未来への恩返しとして2024年より監修として携わり、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が実施する「ネクスト・クリエイション・プログラム こどもファッションプロジェクト」の模様もリポート。子供たちの感性や才能を育むコシノヒロコとの出会いにもフォーカスする。
開催概要
「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO-新説/真説 コシノヒロコ―」
開催期間:2026年5月26日(火)~7月26日(日)
開催時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし7月20日は開館)・7月21日
会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F(東京都江東区三好4-1-1)
アクセス:地下鉄半蔵門線清澄白河駅から徒歩9分・地下鉄大江戸線清澄白河駅から徒歩13分
入場料:一般2200円、大学生1500円、中学生・高校生800円
※小学生以下無料
【問い合わせ先】
東京都現代美術館☏03-5245-4111(代表)
公式HP https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/NextCreationProgram/
取材・文=前田真紀 画像提供=東京都現代美術館






