ミズノマオさん
兵庫県出身・在住。会社員として働くかたわら、趣味で散歩、イラストやまんがを描くこと楽しんでいる。散歩ではハロゴのために遠回りすることも。他に、バイクカバーの形、ホースの形など、民家の前にある面白い形にも興味がある。
Instagram:@moamaom
ハロゴは、創意工夫の賜物
「ハロゴが気になったのは2018年頃。旅先でふと見た歯医者の窓に、四つ葉のクローバーのイラストが描かれており、4枚の葉のうちの1枚が歯だったんです。
『“歯”と“葉”をかけているんだ!』と驚き、思わず写真に収めました」
「意識して見てみると、歯医者は他の診療科と比べて、扱うものを看板のロゴデザインに取り入れがちだと気づいて。その頃から、街なかでハロゴを見かけると写真に撮るようになりました。
医院名のイニシャルが潜んでいたり、歯科=鹿とかけて、鹿のイラストが添えられていたり、動物たちが歯磨きをしている様子が描かれていたり。はたまた、医院名をモチーフにしたイラストに無理やり歯が組み込まれているなど、シチュエーションとしてはありえないものもある。
それぞれのデザインに良さがあり、バリエーションの豊富さが楽しいですね。
歯医者は、『怖い』というイメージを持たれがち。ハロゴが生まれる背景には、少しでも親しみを持ってもらおうという思いがあるのかもしれません。
見つけたハロゴを写真に撮ってインスタグラムに投稿するうちに、他にも歯医者のロゴを写真に撮り集めている仲間がいると知りました。私が『ハロゴ』と呼ぶように、他の仲間も思い思いの呼び方で歯医者のロゴを愛でているようです。
いいデザインのロゴを発見した方の投稿を見かけると、『やられた!』とうらやましくなってしまいますね(笑)」
いかに医院名や業態をロゴとして表現するか。一つのデザインの背後にある創意工夫を読み解くのも、ハロゴ鑑賞の醍醐味だ。
「例えば医院名に『岡』が入った歯医者で、歯の中に丘が描かれていたものがありました。山並みに陰影があり、奥行きまで感じられて。こうした一工夫に気づくと、ついニヤリとしてしまいます。
また海の近くにある歯医者では、太陽のように、水平線から顔を出す歯が描かれていました。このように地域性がデザインに反映されていることもあります。
ハロゴは、歯医者さんとデザイナーさんとの創意工夫の賜物。最終的なデザインそのものもさることながら、『どうしてこのデザインになったのか』を想像すること自体が楽しいんです。歯科ごとに考案しているものの、集めてみると分類できる共通点がある。それも興味深いですね」
どんな街にも潜んでいる
どんな街でも必ずといっていいほど存在する歯医者。出かける際の目的地が増えるのも、ハロゴの大きな魅力だという。
「どこかへ出かける際、事前に地図で歯医者がある場所をチェックして、ハロゴがあるかどうか直接確かめに行くことがあります。
よく使う鉄道沿線で、降りたことのない駅へあえて降り立ち、ハロゴだけを探す小旅行をしたことも。まず降りる駅を決めて、地図アプリで歯医者のある場所にピンを立てて、その日の気分や体調と相談しながら、ひたすら巡り歩いて。最終的に15個ほどのハロゴを発見しました。
よほどの山奥でなければ、大抵どんな地域にも歯医者があります。どの街でも新しい発見があるかもしれない。その期待を持てるのが、ハロゴの良さですね」
時には、周りからハロゴの写真が集まってくることも。
「私がハロゴを撮り集めていると知っている家族や知人が『こんなの見つけたよ!』と、時々写真を送ってくれます。送っていただいたハロゴは、『みんなのハロゴ』と称してインスタ上で紹介しています。ハロゴは、私だけでなく周りのみんなの身近な場所にも存在するもの。発見の楽しさを共有できるところもいいですね」
取材・構成=村田あやこ ※記事内の写真はすべてミズノマオさん提供
『散歩の達人』2026年7月号より







