1000年以上前の「国府祭」が起源
約1900年前に創建されたと伝わる都内屈指の古社・大國魂神社。現在の東京都・埼玉県・神奈川県の一部はかつて武蔵国と呼ばれていた。645年の大化の改新ののち、府中に政治の拠点となる国府が置かれ、大國魂神社は武蔵国の総社として発展していった。当時行われていた「国府祭」を起源として1000年以上続いているのが大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」だ。尊い神様が人目に触れないよう、深夜に街の明かりを消した暗闇の中で神輿渡御が行われたことからそう呼ばれ、長い伝統と格式を誇る祭りとして東京都無形民俗文化財にも指定されている。
毎年4月30日から5月6日の朝まで7日間におよぶ長い祭りで、特に5月3~5日は神社周辺に数多くの露店が並ぶほか、現地で観覧したい神事や行事が目白押しだ。3日(日・祝)の20時から行われる「競馬式(こまくらべ)」では、4頭の御神馬が旧甲州街道の200mの距離を3往復する。これは国府の時代、国司が朝廷に駿馬を献上するために、各地から集めた良馬を走らせて選定したことに由来するもので、壮大な歴史の1ページを垣間見ることができる。
4日(月・祝)の日中にはカラフルな万灯がその出来栄えを競い合う「萬燈大会」や子供神輿の連合渡御がにぎやかに行われ、夕方から夜にかけては6張りの大太鼓が大鳥居前に集う「太鼓の饗宴」、さらに市内から集まった22台の山車が旧甲州街道やけやき並木を巡行する「山車行列」が行われる。「山車行列では、町会ごとに山車装飾が異なるところや提灯の明かりに照らされた山車が連なる光景が見どころです」と教えてくれたのは大國魂神社の北山さん。
8基の神輿渡御で祭りは最高潮に!
クライマックスは5日(火・祝)の夜に行われる神輿渡御。18時の花火の合図とともに6張りの大太鼓が打ち鳴らされ、白丁を身にまとった大勢の担ぎ手により8基の神輿が御旅所(おたびしょ)まで渡御する。8基とは、大國魂大神様や武蔵国の諸神が乗る御本社神輿、御霊大神様が乗る御霊宮に加え、武蔵国一之宮から六之宮の神様がそれぞれ乗る神輿6基の合計で、武蔵国総社としての格式の高さを感じずにはいられない。先導する大太鼓はくりぬき胴としては日本最大級の大きさで、地面が揺れるほどの轟音を鳴らして祭りを盛り上げる。
「8基のお神輿と6張りの大太鼓の巡行は圧巻です。実際に足を運んでお祭りの迫力を肌で感じてもらえれば」と北山さん。府中ではくらやみ祭を基準に1年間を過ごしている人も多いそうで、この期間はお囃子や太鼓の音があちこちから聞こえてきて街全体がお祭りムードに包まれる。1000年以上にわたり受け継がれてきた祭りに思いを馳せながら、多彩な神事や行事を見学しよう。
開催概要
「くらやみ祭」
開催期間:2026年4月30日(木)~5月6日(水・祝)
開催時間:競馬式は5月3日(日・祝)20:00~、太鼓の饗宴は4日(月・祝)17:00~18:00、山車行列は4日(月・祝)18:00~21:00、神輿渡御は5日(火・祝)18:00~21:00ごろ
会場:大國魂神社(東京都府中市宮町3-1)
アクセス:JR南武線・武蔵野線府中本町駅、京王電鉄京王線府中駅から徒歩5分
【問い合わせ先】
大國魂神社☎042-362-2130
URL:https://www.ookunitamajinja.or.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






