【名古屋・味噌煮込みうどん】赤味噌のかぐわしい香味は稀!『味噌煮込罠』
実家が愛知県刈谷市で3代続くうどん屋という店主の岡田望さん。東京で味噌煮込みうどんを食べられる店がないと奮起し、8年前に開業した。八丁味噌に、刈谷産の赤味噌、そこに白味噌を加えてまろやかさを出した独自ブレンドを、昆布、椎茸、鯖などの節でとった出汁で溶く。途端に、立ち上る赤味噌の香りに鼻がひくひく。歯ごたえある手打ちうどんは、食べ進めるともちもちへ変化!卵と汁をかけたご飯で締めれば昇天。
『味噌煮込罠』店舗詳細
【名古屋うどん】手打ち麺が吸い込む香り豊かな汁『手打うどん あかう』
小麦粉に水と塩を加えて手捏ねし、のばし、切る。手打ちのうどんは、讃岐のコシとは違い、もちっとした歯ごたえ。ダシも実にいい。鯖や宗田鰹の節は、澄んだ味わいを引き出すための手間を惜しまず、上品さを醸す真昆布も用いて、愛知県刈谷産の白醤油で仕上げている。ツユをわっと湧かし、うどんにかけて供するのは、うどんにツユをぐっと吸わせるため。ずずっとうどんを啜(すす)ると、ツユの芳醇で風味豊かな香りが鼻を抜ける。
『手打うどん あかう』店舗詳細
【長崎・五島うどん】つるっとした喉ごしがクセになる『五島手延うどん びぜん家』
遣唐使の時代、中国から製法が伝えられたとされる長崎県の五島うどん。手延べをする際に地元産の椿油を使うため、表面がつるっとなめらかに仕上がっている。若主人の備前格さんが五島で修業を積み、2011年オープンした同店。今では遠方から足を運ぶお客さんも多い。細めの麺は小麦の風味豊か。焼いたアゴ(トビウオ)で出汁をとり、九州の甘めの醤油を使ったつゆも絶妙。夜は焼酎の五島灘(黒)グラス510円など酒も楽しめる。
『五島手延うどん びぜん家』店舗詳細
【大阪・かすうどん】口に広がる味がたまらん浪花の珍味『浪花かすうどん むねひろ』
大阪の南河内地方で、昔から食されていたかすうどん。「関東ではまず食べられない味ですね」と胸を張るご主人の品川明廣さん。油かすとは、市場に滅多に出回らない希少食材、国産和牛の小腸をじっくり揚げたもの。カリッとした食感に加え、ジュワっと口の中で広がる濃厚な味と香り。関西風のあっさりしたつゆとの絶妙なハーモニーに驚く。うどんを啜(すす)った後は、俵おむすびをスープに入れて。関東人にとって全てが斬新だ。
『浪花かすうどん むねひろ』店舗詳細
【三重・伊勢うどん】ふわふわもっちり、伊勢400年の味『二代目甚八』
麺好きの間で密かなブームとなりつつあるという伊勢うどん。「通常1時間近く茹でますが、うちはやや細い麺を使って茹で時間は20分。これが、表面のふわふわ感と中のもっちり感がベストの状態」と話すのは店長。つゆは三重県内の味噌蔵のたまり醤油を加工して、出汁を取ったもの。さらに、うどん注文の場合は、三重より産地直送食材を使ったバイキング、お野菜ビュッフェ 480円が、200円でいただけるのもうれしい。
『二代目甚八』店舗詳細
取材・文=高山和佳、戸田恭子、平野智美、林加奈子、石原たきび、渡辺亮、佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=井原淳一、石島邦彦、中込涼、泉田道夫、オカダタカオ、高野尚人




