大盛苑
君はとろけるタンを知ってるか?
半世紀前に東急大井町線ガード下で開店した名店がこの地に移転、2代目の石原養振さんと3代目の徹也さんが切り盛りする。名物は厚さ3cm近くあるタンでん1023円。かつお出汁で煮込むおでん風の牛タンは、極厚なのに噛まずとも口で身がほどけ、昇天級の旨さなり。こちらも分厚い和牛上ハラミ1595円はミディアムレアで焼き、ワサビ醤油をつけて口に放り込めば、肉汁がドバー! これはもう、ステーキそのものだ。
『大盛苑』店舗詳細
/定休日:月(祝の場合は翌日)/アクセス:JR・私鉄・りんかい線大井町駅から徒歩12分
居酒屋 みかさ
変幻自在のモツ料理についもう一献
カウンターの1階と座敷の2階を合わせ、20人も入れば満席となる小さな名酒場。この道45年の堀淳さんが考案した創作モツ&肉料理が、酒飲みの心をつかんで離さない。例えばニンニクの効いた醤油ダレで炒める牛ギアラやわらかいため880円やハチノスきゅうり和え550円は、モツのしなやかな食感と濃い味付けで、生ホッピーがどんどん進む。「親父は研究熱心で、昔は朝食にモツの料理が出てきたことも」と2代目・幸一さん。
『居酒屋 みかさ』店舗詳細
焼肉ヴィクトリー
最高肉質で焼き肉界のVロードを驀進
「質と量を考えるとグラム単位ならウチがお得だと思います。」と店主の佐藤さん。「ほとんど原価」の特上ロース焼200g3300円はご褒美肉の貫録十分。網に置くと美しい霜降りからみるみる脂が溶けだす。適度に熟成させた肉厚のヴィクトリー塩焼(ハラミ)2750円もジューシーかつ赤身の旨さも兼ね備え絶品。「東京食肉市場に40年以上通ってるから常にいい部位を回してくれます」。
『焼肉ヴィクトリー』店舗詳細
池上線ガード下物語
“プリジュワ”ホルモンに恍惚 !
開店時は、東急池上線のガード下で煙に燻されて食べるようなホルモン屋だった。移転した今はきれいな店に生まれ変わったが、その時から不変の名物が幻のホルモン1045円。「当時、脂つきの大腸を出す店はほとんどなかった。」とスタッフ。つやつやの白い脂とピンクの腸壁の両面を焼いて頬張れば、プリプリ食感の後に脂がジュワッとあふれ出す。三角バラという肉質のやわらかな部位を使う上カルビ2090円も絶品。
『池上線ガード下物語』店舗詳細
ホルモン焼 もんもん
旨し安し。問屋直営の店で肉三昧!
川崎の肉問屋直営ゆえ、良質な肉を手頃価格で腹いっぱい味わえる。「初めての人は『これで一人前?』と驚かれます」とスタッフ。圧巻の霜降りとボリュームのスーパーザブ一枚肉ステーキ約2000円(時価)は、牛の背中の部位を使っており、リブなどに比べ脂がしつこくなく、やわらかな肉質が魅力。食べたら箸が止まらないこと間違いなし。
『ホルモン焼 もんもん』店舗詳細
鳥勝
正しき大衆酒場の空気、濃厚なり
焼き鳥の煙で燻された壁が飴色に光る店に入れば、店主・田中勝さんとイチさんのおしどり夫婦に引かれた常連で大にぎわい。彼らがつまんでいるのは勝さんが東京食肉市場から毎朝仕入れるホルモンや肉の肴たち。赤ワインをぶっかけたレバーブロック280円や、甘辛いタレが中毒性を生み出すガツ刺260円などを、ご夫婦でテキパキと調理する姿が清々しい。「もう隠居してもいいのに、倒れるまでやるって聞かないの(笑)」とイチさん。
『鳥勝』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=鈴木健太 撮影=金井塚太郎