Bar Saki Shou
マスターと映画談義で盛り上がる。繊細にして無骨なバー
赤羽の外れにあるバー。マスターの崎山拓郎さんは、高層ビルの窓拭きの仕事をしながら、脚本家を目指していた異色の経歴の持ち主。そうした日々を過ごすなか、ウイスキーの魅力にめざめ、バーテンに転身。官公庁街のバーで修行を積み、地元赤羽に店を出した。その間も映画への熱や脚本家への夢は冷めやらず。好きな映画監督は岩井俊二氏。桜餅のような香りのズブロッカをベースにした「四月物語」など、岩井作品のタイトルを冠したオリジナルのカクテルも作っている。
『Bar Saki Shou』店舗詳細
COUNTER Bar Life
看板の灯りは、ほぼ灯さずに30年以上。「人生」という名のバー
OK横丁にある、自称「赤羽で2番目に古いバー」。マスターのお母さんが営むスナックだった店を、昭和63年(1988)に改装。Lifeという店名は、スナックだった頃からなので、ここにLifeという店があるのはもう44、5年になる。店頭の灯りは基本、いつも消えている。「電球を変えたこともあるのかな? 覚えていません」とマスターの定方さんは笑う。それでも、客足が途絶えないのはマスターの人柄からか。不思議な磁力を持ったバーだ。
『COUNTER Bar Life』店舗詳細
bar RR
洋館2階に潜む、北区唯一のシガーバー
赤羽の住宅街に忽然と現れる洋館。その2階にはサロンのようなバーが潜んでいる。革張りのスツールやソファ、細部にまでこだわった重厚感あるインテリアは、邸宅の一室のよう。「北区で唯一、シガー(葉巻)を置いています」とマスターの大山暁さん。「シガーは長ければ長いほど吸える時間が長くなります。長いものでは1時間、お酒と一緒に楽しむ嗜好品なのです」。上質なウィスキーと一緒にシガーをくゆらせば、ひととき非日常の世界へと旅立たせてくれる。
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BAR MONROE
アメリカ禁酒法時代の隠れ家バーをイメージ
MONROE(モンロー)とは映画女優のマリリン・モンローのこと。入り口のシャッターアートに始まり、ドアやポスターなど、あらゆるところにモンローが微笑んでいる。「モンローが活躍していた映画界が華やかな時代が好きなんです」とマスターの太田知昭さん。アメリカ禁酒法時代のバーをイメージした秘密基地のような遊び心あふれるバー。さらに年に一度は海外のベストバーを訪れ、流行もチェック。作り出すカクテルはフォトジェニックだ。
『BAR MONROE』店舗詳細
取材・文・撮影=新井鏡子