スタートは洋服屋。柔軟にいろんな側面を取り入れて

一つのスペースにカフェとショップが融合している。
一つのスペースにカフェとショップが融合している。

二つある入り口はいずれも緑とバラに埋まっていた。

「ここから入っていいのかな…」と思いながらくぐってみると、店内はふんわり明るく、思ったより広い。
建物全体に配されたバラは、店長の杉田アキ子さん自身が栽培したもので、この日は「まだ満開一歩手前」だそうだが、天気もよく、いろんな種類のバラが咲き誇ってすばらしかった。わざわざ写真を撮りに来た人もいるほどだ。

「もともとは洋服屋だったんだけど、気づいたらいろんなものが増えちゃって」と話すアキ子さんは、昭和58年(1983)に店をオープン。洋服屋をしながら、スペースの空いている屋上でバラ栽培を始めたという。20年くらい経った今では、建物全体を覆うほどで、入り口ではさまざまな種類の苗を売っている。これがすべてアキ子さんの手によるものというから、バラ栽培の難しさを考えるとたいした腕前だ。

人形制作は7年くらい前。最初に1000体作って(!)お披露目をしたところ、思った以上に評判がよく、小物や雑貨にも展開し販売している。カフェは、ときどき行っていたライブでお茶を出していたことから「自然とそうなっちゃった」と笑う。

並々ならぬ実行力で、一つひとつをきちんとモノにしていく。アキ子さんからはそんな強いパワーを感じた。

いくつ作ったかわからないというエリーちゃん人形は2000円〜。
いくつ作ったかわからないというエリーちゃん人形は2000円〜。

手作りで安心、彩りもきれいなカフェメニュー

焼きチーズナポリタンハーフ980円。この日はサラダ、キッシュ、ミルクプリンが付いてきた。
焼きチーズナポリタンハーフ980円。この日はサラダ、キッシュ、ミルクプリンが付いてきた。

もともとカフェをやりたい、と思っていた娘の亮子さんが調理とメニューの考案を担当。飲み物からはじめて、ケーキ、料理と徐々にメニューを増やしてきたという。
親子そろって実践でモノにしていくタイプだ。

できる限り手作りのものを提供したい、との思いから、自家製のトマトソースやにんじんのドレッシングはその日使う分を毎朝作る。もちろんデザートも手作りだ。

チーズの奥にはナポリタンがたっぷり。
チーズの奥にはナポリタンがたっぷり。

玉ねぎ、ソーセージ、ピーマンの入った焼きチーズナポリタンは、ハーフでこのボリューム。女性ならばちょうどいい量だろう。市販のケチャップとは違い、フレッシュでさわやかな酸味を感じる自家製のトマトソースが中太のパスタによく絡む。パスタは炒めることで香ばしく、たっぷりとかかったチーズとの相性が抜群だ。

にんじんがたっぷり入ったドレッシング。
にんじんがたっぷり入ったドレッシング。

サラダにかかった自家製のにんじんドレッシングは自然な甘さがあり、ほのかな酸味を感じる。どんな野菜にでも合いそうな味だ。ほうれん草がたっぷり入ったキッシュとデザートが付くのもお得感がありうれしい。デザートのミルクプリンは、プリンもベリーのソースも手作りで、ほんのりした甘さとベリーのさわやかさが食後にちょうどよかった。どのメニューも色合いがきれいで、口だけでなく、目でも楽しめる。

カフェオレ450円。エリーちゃんのイラスト付き。
カフェオレ450円。エリーちゃんのイラスト付き。

まだまだやりたいことがいっぱい! のアキ子さん。お次は……

人形だけでなく、雑貨類も豊富。
人形だけでなく、雑貨類も豊富。

この店のシンボルともいえるのが、店名にもなっている「エリーちゃん」だ。

約40年前にアキ子さんが描いたエリーちゃんは、店の看板になり長い間使われてきた。
それが7年前、とうとう人形として立体になった。カラーデザインの仕事をしていたアキ子さんらしく、エリーちゃん人形はどれもしゃれた雰囲気をまとっている。上質な素材を使っているので大人の女性に人気があるという。

洋服屋としても、カフェとしても安定してきたと話すアキ子さんに、今後、やりたいことを聞くと「平面からとうとう立体まで来たから、次はエリーちゃんを動かしたいの!」とのこと。

なんでもモノにしてきたアキ子さんのこと。きっと近いうちに動くエリーちゃんが見られるだろう。おもちゃ箱のようなカフェの変化が楽しみでならない。

店長の杉田アキ子さんに会うため訪れる常連も多い。
店長の杉田アキ子さんに会うため訪れる常連も多い。
エリーズ カフェ
住所:東京都北区赤羽2-24-1/営業時間:10:30〜17:00LO/定休日:水・日/アクセス:JR赤羽駅から徒歩6分

取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ