五島手延うどん びぜん家
細身の美人うどんが生むツルツルの愉悦
店主の備前格さんは上五島の製麺所で修業し、2011年にこの店をオープンした。「細くて丸い断面、表面をコーティングする椿油によって生まれるツルツルとした食感を楽しんでほしい」と店主。その旨さを存分に味わうなら地獄炊きが一番(要予約)。熱々鍋に泳ぐうどんを、まずは焼きアゴや日高昆布などで前日から出汁をとったつゆでズズッ。広がる香ばしい風味、麺の心地よいのどごしが堪らない。返す刀で今度は長崎の甘い醤油に卵を入れて頂けば、細い麺によく絡み、箸が止まらぬ旨さ!
『五島手延うどん びぜん家』店舗詳細
UDON STAND GOZ
丼の中で奏でる讃岐と京風の二重奏
店主・幸内和範さんは、讃岐うどん居酒屋と京都のうどん屋で修業。その経験を活かし生み出されるうどんは「麺の打ち方は讃岐、とろみをつけてあんかけにするのは京風です」。京ゆばあんかけうどんを頂くと、なめらかでほどよいコシの麺は確かに讃岐風、利尻昆布などで出汁をとったつゆにあんかけを加える作り方は京風。このあんかけのおかげで、品のあるつゆを最後まで熱々で味わえるのだ。うどんは200円引きで小鉢で注文でき、お酒のシメに最高!
『UDON STAND GOZ』店舗詳細
手打ちうどん 鷹
麺打ちブラザーズ渾身の男気麺
「親父が『ここらの農家が昔から手打ちしてたうどんで店をやりたい』って開店したんです」と2代目・高橋篤史さん。麺打ちを担うのは、初代の背中を見て打ち方を学んだ篤史さん・良人さん兄弟。国産の粉と強力粉の外麦を混ぜて打ち、最後は手が痛くなるほどの冷水で麺を締めあげる。兄弟のような男らしさを感じる褐色の麺を啜れば、跳ね返すコシと小麦の香りに破顔。常連のざるうどん注文率が高いのは、麺自体の旨さを味わいたいからか!
『手打ちうどん 鷹』店舗詳細
東小金井 甚五郎
600gの怒涛の麺には空腹で対峙せよ!
鴨汁のおうどんを頼んでびっくり。皿を覆いつくすこの麺の量は一体?「茹で上がりで約600gあります。とにかく、お客さんにおなかいっぱいになってほしくて」と店長の桜木裕哉さん。武蔵野うどんの王道の地粉、農林61号を手打ちした麺は、啜るというより噛んで味わうゴリゴリの武蔵野うどん。噛めば塩気とともに、地粉の香りがふわりと広がる。鴨とネギの甘みの染み出たつゆが、この麺のパワーをがっぷり四つで受け止めるのだ。
『東小金井 甚五郎』店舗詳細
構成=柿崎真英 取材・文=鈴木健太 撮影=須田卓馬