海と山を感じる熱海の奥座敷『SOKI ATAMI』
熱海の中心部から海岸線を車で走ること約5分。山間にひっそりと建つのが、『SOKI ATAMI』だ。
「宿名の“SOKI”とは、素の器に由来しています。訪れたお客さまがあるがままの自分と向き合い、無為自然に過ごすことができる宿として2020年11月にオープンいたしました」と話すのは、マネージャーの荒井泰子さん。
スタイリッシュな外観と、シックながらも木の温かみを感じる和モダンな設(しつら)えに心が奪われる。チェックインすると最上階にある茶寮で、季節によって変わるウェルカムドリンクのおもてなし。19時以降になれば、和漢ドリンク(有料)を味わうこともできるので、湯上がりにも利用したい。
全54室ある客室は、格子戸の入り口を見ただけでも期待に胸が膨らむ。すべての客室に温泉を注ぐ湯船を備えた完全プライベートな空間に心安らぐ。保温・美肌効果の高い温泉は男女別大浴場でも楽しめる。格子付きの天井からこぼれる光で自然のぬくもりを感じる造りとなっており、湯舟に浸かれば温泉との相乗効果で、癒やしの時間を過ごせる。
『SOKI ATAMI』詳細
昭和ノスタルジーを体感する宿『ホテルニューアカオ』
世代を問わず多くの客から支持を得ている『ホテルニューアカオ』。2棟のうち1棟を2023年7月にリニューアルオープン。世界ジオパークに登録される景勝地・錦ヶ浦に立ち、相模灘の眺望はもちろん、変化に富んだ海岸線が美しい。
建物はオーシャン・ウイングとホライゾン・ウイングの2棟からなり、館内に3カ所ある温泉大浴場が自慢だ。
なかでも2つの棟を結ぶ中間地点にある「スパリウムニシキ」の趣向の異なる2つの浴室が圧巻で、特にダイナミックな海の眺望に息をのむことだろう。
食事会場となる「メインダイニング錦」も約500席という広さと、約90種類の料理が並ぶビュッフェが壮観。豪華な内装や窓に映る景色も開放的で、これも人気の要因だ。
広報マネジャーの杉山聖也さんによると、「若い方の間で広がる昭和レトロブームもあって、ホテルのロゴ入りグッズが人気なんです」。熱海のみやげに、ロゴ入りTシャツというのもユニークかもしれない。
『ホテルニューアカオ』詳細
キッズが喜ぶ部屋とプレイパーク『亀の井ホテル 熱海』
熱海は坂の街といわれるが、ホテルへのアクセス路も急勾配の坂道。海抜180mの高地に立ち、両翼を広げたような9階建ての建物。全159室はバルコニー付きで、眼下に広がる熱海の市街地と相模灘の眺望が素晴らしい。
従来よりファミリー層の利用が多かったが、2023年12月にはベビーベッドや絵本コーナーを備えたプレミアベビールームとプレミアキッズルームを新設。さらに2024年3月にはキッズプレイエリアを新設した。「ファミリーを中心に3世代でご利用されるお客さまが増えています」とは、宿泊リーダーの末吉友紀さんの言葉。
一番の自慢は約90種類の料理が並ぶビュッフェレストラン。寿司、鉄板焼き、浜焼き、パスタなどを目の前で調理するライブキッチンもあり、充実ぶりに目を見張る。露天風呂や寝湯、内湯などを備えた大浴場も広々としてくつろげる。部屋から望む夜景や朝日も楽しみだ。
『亀の井ホテル 熱海』詳細
新たなサービスで満足度アップ! 『大江戸温泉物語Premium あたみ』
2024年7月、『大江戸温泉物語 あたみ』が生まれ変わった。従来の宿よりワンランク上の滞在を楽しめるプレミアムシリーズに仲間入りし、新たなサービスが楽しめるように。そのひとつ、プレミアムラウンジでは、チェックイン時や湯上り、夕食後にビールやハイボール、ソフトドリンクなどを自由に楽しめる。
大浴場フロアには、天井に描いた魚が海中をイメージさせる内装を施した湯上りラウンジを設置。ここにも冷たい飲み物やアイスキャンディーが用意されている。
バイキングレストランも装いを一新。季節替わりの料理が並ぶビュッフェ会場は、豪華客船のダイニングをイメージした空間に生まれ変わり、ライブキッチンでは、ローストビーフや天ぷら、アジフライなど、できたてのおいしさが提供される。
男女入れ替え制の大浴場「光彩の湯」と「万丈の湯」の入浴後は、もちろんプレミアムラウンジでビールを一杯。これだけでも得した気分だ。
『大江戸温泉物語Premium あたみ』詳細
眺望と味覚で伊豆の海の恵みを満喫『味と湯の宿 ニューとみよし』
熱海の市街地から伊東方面へ7㎞ほどの長浜海岸沿いに立つ宿。網代港や伊東港に水揚げされた地魚を使った料理が自慢で、全プラン舟盛りとキンメの煮付け付きという豪華版。専務の富岡宏泰さんが「料理を楽しみにリピートされるお客さまが多いですね」と話すのも納得だ。
大浴場はなく、7カ所ある風呂はすべて貸し切り専用。本館屋上に4つある展望貸し切り風呂は、屋根もフェンスも開閉式で、相模湾が目の前に広がる開放感が心地よい。夕景や星空、朝日など、時間とともに変化する風景をゆっくり堪能できる。
別館の「浜の湯」にある3つの貸し切り風呂は、かつて大浴場として使っていただけに広さが自慢。なかでも「白浜」は内湯と露天風呂、サウナ付きという贅沢(ぜいたく)な空間だ。これらの風呂が24時間予約なし、無料で利用できるのだからうれしい。
2024年7月には、全室露天風呂付きスイートの新館もオープンし、こちらも要チェックだ。
『味と湯の宿 ニューとみよし』詳細
取材・文=塙 広明、千葉香苗(アド・グリーン) 撮影=オカダタカオ(SOKI ATAMI、ホテルニューアカオ、味と湯の宿 ニューとみよし)、逢坂 聡(亀の井ホテル 熱海)
『散歩の達人』2024年7月号より