酒場 春

これぞ下町流、勝手にビアガーデン!

肴にもシメにもいいタヌキどーふ400円、ナポリタンたっぷりの赤ウインナー500円ほか。

晴れの日は外にテーブルが出され、地元の御仁が赤ら顔、その前をちびっ子が自転車で疾走する下町全開酒場。長屋のような店内にはL字カウンターがあり、渡辺かおるママとはるかさん母娘がちゃきちゃき働いている。「こう見えても駅ビルよ(笑)。だからウチのお客は柴又駅構内のトイレを顔パスで使えるの」。肴がまたいい塩梅(あんばい)で、プロの技というほどではないが、オムレツ500円ほかうまくて安くて家庭的。年配の常連が多いわけだ。(2016年9月取材当時)

ライターへ「仕事終わったら一緒に飲むだろ?」と常連さん。
美人母娘で切り盛り。青森出身のママのファンも多い。
つまみは大体300~500円。

『酒場 春』店舗詳細

住所:東京都葛飾区柴又4-8-9
※2020年7月現在、仮店舗で営業中。/営業時間:16:00~23:00 (土・日・祝は11:00~)/定休日:水(祝日の場合は営業)/アクセス:京成金町線柴又駅から徒歩すぐ

かもし処 ひょん

東北の銘酒と夫婦の人柄に、ほろり

厚切りのカツオ刺750円、隠し味に地酒を使ういわしナメロウ550円ほか。器も浪江町の作家のもの。

カウンター9席の小体な店ながら、日本酒好きが夜な夜な集う。全国の銘酒が約30種揃うが、特に店主・横田郁夫さん・貴子さん夫婦の地元・福島の酒蔵が充実。「震災で浪江町にあった蔵が流されてしまい、今は山形で醸している鈴木酒造店長井蔵(ながいくら)の『磐城壽(いわきことぶき)』を常時6~7種置いてます」。肴は「浜育ちなんで」と魚介がメイン。その日仕入れた新鮮な魚の刺し身が酒を加速させ、地酒に関しては饒舌な貴子さんの語りが「もう一杯」を誘引!

夫婦の温かい人柄も魅力。貴子さんが持つ『磐城壽 甦る 純米吟醸』600円(7勺)は同級生が醸した酒。
満席率が高く予約が無難。

『かもし処 ひょん』店舗詳細

住所:東京都葛飾区金町5-35-7/営業時間:18:00~24:00/定休日:不定/アクセス:京成金町線京成金町駅から徒歩すぐ

ゆき智

無添加にこだわる期待の新星

大人の手のひらほどある大きめアジフライ648円、冷たいトマトの三杯酢594円、ゆき智サラダ648円。

上遠野(かみとおの)智也さん・侑希さん夫婦がご主人の地元で開店。「なるべく添加物を使わず、一からの手作りを大事にしてます」。例えば日本酒は醸造アルコールを使わない純米酒、ワインはヴァンナチュール(自然派)を揃える。品書きも、ゆき智サラダ648円のヨーグルトドレッシングは手作りだし、大きめアジフライは生のものを侑希さん自らが開き、タルタルソースは自家製ぬか漬け入り。若き夫婦の気概を感じる良店の誕生だ。

『澤屋まつもと純米』など黒板メニューの地酒は6種強。約1カ月で入れ替わる。
20代の若き店主夫婦。

『ゆき智』店舗詳細

住所:東京都葛飾区亀有5-44-7/営業時間:17:00~24:00LO/定休日:月/アクセス:JR常磐線亀有駅から徒歩4分

第八たから丸

銀座にも負けない天然魚でセンベロ

大将もかつては1日2軒はしごするほど立ち飲み好きだった。基本は立ち飲みだが、奥に個室も。

新鮮なアジ刺が280円、日替わりメニューの中トロが580円……安すぎでしょ!「毎日市場に通ってるから魚の良しあしがわかる。その中でお客さんが喜んでくれる価格のものを仕入れてくるんです」と寿司屋での修業経験もある古澤義徳さん。自家製〆サバ380円など刺し身は10種ほどで、大将の釣果が並ぶことも。新鮮な海鮮つまみの数々は、例えば『百十郎純米大吟醸』880円など日替わりで約5種揃う地酒でやっつけるのが正解。

カレイ唐揚げ280円、マグロ刺など刺身3点盛り880円。
トタンがレトロな外観。地元の常連曰く「葛飾で魚食べたくなったらここに来るね」。

『第八たから丸』店舗詳細

住所:東京都葛飾区亀有5-20-8/営業時間:15:00~23:00(日・祝は~22:00)/定休日:日・不定休/アクセス:亀有駅から徒歩3分

構成=フラップネクスト 取材・文=鈴木健太 撮影=丸毛 透