昭和のテイスト全開の レトロメニューに舌鼓『フクノヤ』【巣鴨】
「いっぱい動く分、たくさん食べるのが元気の秘訣なのよ」と笑う小黒美代子さんは1934年生まれ。今もひとりで店を切り盛りする。開店当初から続くメニューのオムライスは、薄く焼いた玉子でチキンライスを包む昔懐かしいスタイルだ。たっぷりのケチャップライスと、カットの大きなチキンで食べ応え抜群。また、カツカレーも人気だ。前日から塩麹に漬け込んだ豚ロースのカツは柔らかく、煮込みに20時間かけたルーはコク深い甘口。やみつきになる味わいだ。
『フクノヤ』店舗詳細
味よし、値段もよしの通いたくなる大衆食堂『ゆたか食堂』【巣鴨】
店主の清水利夫さんは、先代から店を継ぐため、高校卒業後すぐに料理の修業に出た。「父は料理人でもないのに店を開きましてね。私が修業して店を守らなきゃと思ったんです」と笑う。昼の人気は日替わり定食で、この日はアジフライとサーモン刺しのセットだ。高温の油でさっと揚げたアジフライは、外カリ中フワで口あたりが軽い。脂がのったサーモンは分厚いカットで、小鉢や味噌汁も付いて500円。これを求めて毎日店に足を運ぶサラリーマンも多い。
『ゆたか食堂』店舗詳細
高級肉のしゃぶしゃぶを一人前鍋で!『しゃぶ辰』【巣鴨】
「ウチは精肉店も経営しているので、上質なお肉をリーズナブルに出せるんです」とは、店主の佐藤義晴さん。カウンターの一人前鍋で食べる上州牛しゃぶしゃぶ定食は、A5ランクのリブロースがどっさり。ぐつぐつと沸いた湯にさっとくぐらせ、自家製のゴマダレで食べる。舌にのせた瞬間ホロリと溶けて、芳醇な肉の味わいが口中を満たす。春菊や白菜、葛切りに豆腐、さらに締めのうどん付き。ごはんもおかわり自由で大満足のランチだ。
『しゃぶ辰』店舗詳細
新鮮な魚介とワインをとくと堪能しよう『BISTRO O LALA!』【駒込】
店主の斉藤雅明さんは「気軽にワインを楽しめるビストロを創りたい!」と、2002年に店をオープン。置いているワインの数は200種類にも及ぶ。これに合わせる料理は、新鮮な魚介がおすすめ。この日のメインは京都・舞鶴産サワラのグリルだ。ナイフを入れると、小麦粉を付けて焼いた皮がパリパリと音を立て、身はふんわり柔らかい。魚介出汁に醤油を加えた海苔クリームソースの和風な味わいとの相性がバッチリだ。
『BISTRO O LALA!』店舗詳細
21:00LO)/定休日:月/アクセス:JR山手線・地下鉄南北線駒込駅から徒歩10分
そばだけじゃない! 粋な酒肴も楽しみ『手打ちそば処 蔦や』【大塚】
福井や北海道のソバは「粒は小さいけれど、色も香りもいいんですよ」と店主の鈴木文雄さん。かつお節に宗田節を加えて風味とコクを備えた出汁と、本返しで作る辛めのそばつゆに付けて手繰れば、みずみずしい香り。納豆そばや、小麦粉から仕込むカレーせいろも評判で、そばだけでも楽しみが尽きない。けれど、酒肴も忘れ難し。ソバの実を炒ってから赤味噌に投入したナスのはさみ揚げの芳醇な旨味、大豆の甘みが秀逸な油揚げなど、酒に絶妙に合う!
『手打ちそば処 蔦や』店舗詳細
この厚みと柔らかさに誰もがひれ伏すカツサンド『カフェレストランバー うまうま』【大塚】
厚みは約2cm。薄い衣をまとったカツが千切りキャベツに挟まれ、かなりのボリュームだ。かぶりつけば、歯切れよく、しかも柔らか。「表面に焼き色が付いたら、弱火でじっくり火を入れるから、かな」と、店主の斉木浩史さん。とんかつソース、マヨネーズ、マスタードが肉の甘みを増幅させ、ビールに合うのなんの。「手みやげも多いんです。僕もこれ、持って行っちゃう」。他にも、「自分が食べたいから」と、冬季は肉厚の生カキが1個200円! 嬉しすぎる。
『カフェレストランバー うまうま』店舗詳細
艶やかなうどんを引き立てる すっきり出汁とかしわ天『讃岐饂飩 元喜』【巣鴨】
店主の岩崎良藏さんは、会社員時代に食べた讃岐うどんに惚れ込み、うどん学校で二段熟成を学び、香川県坂出の店で腕を磨いた。むっちりと舌触りなめらかなうどんに合わせる出汁は、昆布、ゲソ、いりこ、雑節、本節から白出汁を作り、かけ、ぶっかけなどの7種を仕込む。また、かしわ天も外せない。鶏もも肉を縦に切り、酒、塩、胡椒をなじませたシンプルなものだが、旨味の力強さといったら。旨味深い出汁と共に、魅了されまくる。
『讃岐饂飩 元喜』店舗詳細
台湾のおふくろの味に頬が緩む『Taiwan Kitchen Kanoka』【駒込】
店主の劉謙誠(リュウチェンザン)さんは「台湾の家庭料理を伝えたい!」と、都内で開業。さらに、若い台湾通の客にも広めようと、駒込へ移転、リニューアルオープンした。人気の三杯イカは、アオリイカとバジルをニンニク、ショウガとともに炒め、台湾醤油2種類と酒を混ぜた三杯タレで味付け。隠し味の砂糖で味の深みが増す。また、残った汁にご飯を入れて炒める通称「おこわ」も頼みたい。イカの風味でかきこむ手が止まらない!
『Taiwan Kitchen Kanoka』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・高橋健太(teamまめ) 撮影=井原淳一 、木村心保 、原 幹和 、山出高士
『散歩の達人』2018年2月号より