荒川線が行ったり来たり、料理も窓の外も絵になる店『欧風料理キッチン・ビストロ・アットン』[早稲田]

美味しんぼ風スパゲティー(生ハムのせ)970円。サラダとパン、コーヒー付きでおなかいっぱい。
美味しんぼ風スパゲティー(生ハムのせ)970円。サラダとパン、コーヒー付きでおなかいっぱい。

荒川線を眺めながらランチを楽しめる『アットン』。名物はアンチョビ香る、美味(おい)しんぼ風スパゲティーだ。でも、あのマンガとは無関係。「修業したときに教わったもので、『グルメな人』というような意味からこの名がついたようで……実は由来がよくわからないんです(笑)」と店主の武井淳さん。店主が作り出すこの穏やかな雰囲気は、彩り豊かなイタリア料理に見事マッチ。明るく、気持ちのいい街のレストランとして親しまれている。

ワインボトル越しにのぞく荒川線。ランチ中にぜひ撮影してほしい。
ワインボトル越しにのぞく荒川線。ランチ中にぜひ撮影してほしい。
「昔は子供を連れて荒川線であらかわ遊園に行ってました」と武井淳さん、ひとみさん夫妻。
「昔は子供を連れて荒川線であらかわ遊園に行ってました」と武井淳さん、ひとみさん夫妻。

『欧風料理キッチン・ビストロ・アットン』店舗詳細

住所:東京都新宿区西早稲田1-22-2 US西早稲田/営業時間:11:30~13:30LO・18:00~20:00LO/定休日:月/アクセス:都電荒川線早稲田停留場から徒歩2分

ユーミン、トシちゃんがBGM。濃厚味の脱サラ町中華『中華料理 風味亭』[鬼子母神前]

風味定食800円は豚の角煮が主役。ニンニクの芽、キクラゲなど具材たっぷり。
風味定食800円は豚の角煮が主役。ニンニクの芽、キクラゲなど具材たっぷり。

「若い人からすると古く聴こえるよね」と笑うのは店主の富澤長生さん。店には常に昭和ポップスが流れ、提供される料理同様にやさしくも濃厚なランチタイムを過ごせる。タオル鉢巻が似合うこの店主が脱サラし、お茶屋だった実家を町中華にして31年。ラーメン店の多い池袋の至近ながら、地元に愛される町中華となった。コク深い中華と昭和のサウンドに今日も常連が引き寄せられる。

隠し味に八角とニッキを使用。鍋からもよい香りが漂う。
隠し味に八角とニッキを使用。鍋からもよい香りが漂う。
店主・富澤長生さん、奈津子さん夫妻。
店主・富澤長生さん、奈津子さん夫妻。
赤いのれんもフォトスポットのひとつ。
赤いのれんもフォトスポットのひとつ。

『中華料理 風味亭』店舗詳細

住所:東京都豊島区雑司が谷2-5-16/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:00/定休日:水/アクセス:都電荒川線鬼子母神前停留所から徒歩1分

100周年が目前に迫る東池袋に息づく王道定食屋『伊東食堂』[東池袋四丁目]

大迫力のスペシャルハムエッグ定食1800円。
大迫力のスペシャルハムエッグ定食1800円。

昭和5年(1930)創業の老舗食堂は、ボリューミーで心もほっこりする昔ながらの定食が自慢。夜のおつまみと合わせ、品数は100を超える。祖父、父が料理を作る姿を見て育ったと話すのは3代目伊東康裕さんだ。「じいちゃん子だったから背中を追いかけた部分もあるね」。そしてここで朗報! 店の厨房にはすでに4代目の姿もある。『伊東食堂』のファミリーヒストリーはこれからも紡がれてゆく。

初代の出身地新潟の地酒が多数。ワンカップも豊富。
初代の出身地新潟の地酒が多数。ワンカップも豊富。
メニューはなんとすべて手描き。絵心ある3代目の作。
メニューはなんとすべて手描き。絵心ある3代目の作。
「最近は若い人もよく来てくれる」と3代目の伊東康裕さん。
「最近は若い人もよく来てくれる」と3代目の伊東康裕さん。

『伊東食堂』店舗詳細

住所:東京都豊島区東池袋5-11-9/営業時間:11:00~14:00・17:00~22:00/定休日:土・日/アクセス:都電荒川線東池袋四丁目停留場から徒歩2分

取材・文=半澤則吉 撮影=山出高士