誰もが知るあの世界的名画に会いに行ける『SOMPO美術館』[新宿]

2020年7月オープン。ゆかりの深い東郷青児の作品をイメージした柔らかな曲線が目を引く外観。
2020年7月オープン。ゆかりの深い東郷青児の作品をイメージした柔らかな曲線が目を引く外観。

新宿のアートランドマークとして、多様な芸術・文化を発信する『SOMPO美術館』。柔らかな曲線とアートを想起させる、彫刻のような外観デザインが特徴だ。年5回ほど企画展が開催されている。館内の3~5階が展示室となっており、鑑賞しながら下階へと下りていく順路となっている。錚々(そうそう)たる後期印象派の画家たちの作品を収蔵しているが、なかでも人々を魅了してやまないのが、アジアで唯一見られるゴッホの「ひまわり」。低反射のガラスケースに覆われていて、鮮やかな色彩や油彩の質感までもじっくりと味わうことができる。

3階の展示室。
3階の展示室。
前庭にはゴッホ「ひまわり」の陶板複製画が配置されている。
前庭にはゴッホ「ひまわり」の陶板複製画が配置されている。
常設展示されている美術館の至宝、ゴッホの「ひまわり」は圧巻の迫力。
常設展示されている美術館の至宝、ゴッホの「ひまわり」は圧巻の迫力。
近代絵画の父と呼ばれたセザンヌの「りんごとナプキン」も所蔵作品のひとつ。
近代絵画の父と呼ばれたセザンヌの「りんごとナプキン」も所蔵作品のひとつ。

『SOMPO美術館』店舗詳細

住所:東京都新宿区西新宿1-26-1/営業時間:10:00~18:00(入館は~17:30)/定休日:月(祝の場合は開館)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩5分

コレクター偏愛の現代アートが一堂に会する『WHAT MUSEUM』[天王洲アイル]

2020年12月オープン。展示室は倉庫空間をリノベーション。
2020年12月オープン。展示室は倉庫空間をリノベーション。

天井の配管がむき出しの倉庫空間に並ぶのは、絵画や立体造形をはじめ、グラフィックやデジタルに着想を得たさまざまな現代アート。ここは、美術品の保管事業を行う寺田倉庫が、コレクターから預かったアートを公開する施設だ。特定のアーティストの作品展ではなく、特定の人が集めた作品が展示され、どんな作品が現れるのかワクワクと高揚する。

コレクターズミュージアムとして、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品と共に展示。
コレクターズミュージアムとして、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品と共に展示。
『WHAT MUSEUM』が運営する模型保管庫では、建築家や建築事務所が制作した建築模型を保管・展示。見学ツアーを開催している。
『WHAT MUSEUM』が運営する模型保管庫では、建築家や建築事務所が制作した建築模型を保管・展示。見学ツアーを開催している。
photo by Keizo KIOKU。倉庫をリノベーションした空間のため、よく見るとその名残が床に。
photo by Keizo KIOKU。倉庫をリノベーションした空間のため、よく見るとその名残が床に。
建築家・隈研吾氏設計によるファサードが目を引く入り口。
建築家・隈研吾氏設計によるファサードが目を引く入り口。

『WHAT MUSEUM』店舗詳細

住所:東京都品川区東品川2-6-10 G号/営業時間:11:00~18:00(最終入場17:00)/定休日:月(祝の場合は翌火)/アクセス:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅から徒歩4分

歴史を支えた印刷の進化に目を見張る『印刷博物館』[江戸川橋]

2020年10月リニューアル。時系列にしたことで、印刷の進化がよくわかるように。
2020年10月リニューアル。時系列にしたことで、印刷の進化がよくわかるように。

凸版印刷本社ビルの地下に潜む『印刷博物館』は常設展が一新。テーマごとから時系列での展示に変わり、奈良時代から始まる日本の印刷の変遷をたどることができる。なかには徳川家康がつくらせた駿河版銅活字や杉田玄白らの『解体新書』もあり、歴史の一場面で印刷がどのような役割を担ったかをうかがい知ることも。工房では活版印刷体験もでき、デジタルにはない風合いに心をつかまれる。

アナログ感がたまらない活版印刷体験のほか、工房見学ツアーも開催。
アナログ感がたまらない活版印刷体験のほか、工房見学ツアーも開催。
木版摺りの『解体新書』と銅版による『重訂解体新書』を見比べられる。
木版摺りの『解体新書』と銅版による『重訂解体新書』を見比べられる。

『印刷博物館』店舗詳細

住所:東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川本社ビル/営業時間:10:00~18:00(入館は~17:30)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄有楽町線江戸川橋駅から徒歩8分

童心に帰って物語の世界に飛び込もう!『PLAY! MUSEUM』[立川・立川北]

2020年6月オープン。手染めの布が吊るされ、トンネルをくぐるような演出が物語の世界へ誘う(この展示は終了)。
2020年6月オープン。手染めの布が吊るされ、トンネルをくぐるような演出が物語の世界へ誘う(この展示は終了)。

何世代にも愛される著名な絵本や、漫画、アートの展示を年に数本行っている。うず巻き状の壁に木材が敷かれた展示室はどこか温もりがあり、奥へ進むたびにパラレルワールドへ。原画の展示や映像作品だけでなく、展覧会の世界観に合わせてガラリと変わる空間も見どころだ。写真撮影OK、長時間絵本を読み耽(ふけ)るのもOKで、我を忘れて時を過ごせる。

オリジナルグッズのほかに展覧会の作家のグッズも。
オリジナルグッズのほかに展覧会の作家のグッズも。
上階は子供向けの屋内広場が。
上階は子供向けの屋内広場が。
カフェでは、新鮮な有機野菜を使った日替わりパスタ1430円を提供。
カフェでは、新鮮な有機野菜を使った日替わりパスタ1430円を提供。

『PLAY! MUSEUM』店舗詳細

住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3/営業時間:10:00~17:00(カフェは~18:00、土・日・祝はともに1時間延長、入館とカフェのLOは閉館・閉店30分前まで)/定休日:無/アクセス:JR立川駅または多摩モノレール立川北駅から徒歩5分

幸せオーラに満ちたピカソの陶器を堪能できる『ヨックモックミュージアム』[表参道]

2020年10月オープン。天井が高く自然光が差し込む2階展示室。天気や日差しによって見え方が変わるのだそう。
2020年10月オープン。天井が高く自然光が差し込む2階展示室。天気や日差しによって見え方が変わるのだそう。

洋菓子「シガール」で有名なヨックモックが約30年かけて収集したピカソのセラミック作品を展示。ピカソは戦後、南仏のヴァローリスに移り住み、開放的な空気の中で陶器制作に没頭した。同館はお椀、水差し、食器、大皿など約500点を所蔵し、順次公開予定。女性の顔や平和を象徴するハト、大好きな魚や闘牛といった日常の幸せが描かれ、どれも温かい雰囲気に包まれている。照明を落とした中で作品と対峙(たいじ)する地下展示室とは対照的に、2階では自然光を浴びて作品の空気感を味わう。20世紀美術を代表する巨匠を身近に感じることができる。

鑑賞後はミュージアムショップでピカソグッズをおみやげに。
鑑賞後はミュージアムショップでピカソグッズをおみやげに。
南青山の閑静な住宅地にあり、紺碧の屋根瓦が目印。
南青山の閑静な住宅地にあり、紺碧の屋根瓦が目印。
カフェではヨックモックのハイエンドブランド「アングラン」が手掛ける8種のケーキが味わえる。
カフェではヨックモックのハイエンドブランド「アングラン」が手掛ける8種のケーキが味わえる。

『ヨックモックミュージアム』店舗詳細

住所:東京都港区南青山6-15-1/営業時間:10:00~17:00(入館とカフェLOは~16:30)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄表参道駅から徒歩9分

アートの新しい地平を切り開く『アーティゾン美術館』[東京]

エスカレーターと受付をゆるやかに分けるオブジェが美しい。
エスカレーターと受付をゆるやかに分けるオブジェが美しい。

2020年1月に開館。1~3階部分はカフェやミュージアムショップなど入場無料のフリーゾーン、4~6階部分が展示室ゾーンとなり、吹き抜けを多く使った開放感あふれる空間になっている。展示室は階ごとに、天井や床の色に変化があり、吹き抜け部分には自然光が差し込み、展示に集中しつつも適度に気分転換ができるのが心地よい。前身である「ブリヂストン美術館」が力を入れていた印象派と日本近代洋画を中心に、現代美術や日本の近世美術など新しい分野にも目を向け、充実したコレクションにさまざまな角度から光を当てる企画展を開催している。目当ての作品やジャンル以外にも新たな出合いがあるだろう。

4階のインフォルームには、かつての展覧会の図録などが展示。
4階のインフォルームには、かつての展覧会の図録などが展示。
ミュージアムカフェの飾り棚には、ヴェネチアンガラス器の作品を展示。
ミュージアムカフェの飾り棚には、ヴェネチアンガラス器の作品を展示。
4階の「勝利の女神」像。
4階の「勝利の女神」像。
壁面、階段、床はそれぞれ違う素材が使われている。
壁面、階段、床はそれぞれ違う素材が使われている。
中央通りに面したエントランス。
中央通りに面したエントランス。
ミュージアムショップもチェック! マグカップ、Tシャツなど、 生活にとりいれたいオリジナルグッズが多数。散歩のお供にちょうどいいタオルも。オリジナル ハーフタオル各1320円。
ミュージアムショップもチェック! マグカップ、Tシャツなど、 生活にとりいれたいオリジナルグッズが多数。散歩のお供にちょうどいいタオルも。オリジナル ハーフタオル各1320円。

『アーティゾン美術館』店舗詳細

住所:東京都中央区京橋1-7-2/営業時間:10:00~18:00(祝を除く金は~20:00)。入館は閉館30分前まで、日時指定予約制/定休日:展示により異なる/アクセス:JR東京駅、地下鉄京橋駅、地下鉄日本橋駅から徒歩5分

取材・文=香取麻衣子、屋敷直子 撮影=木村心保、片山菜緒子