森に潜む木肌のやさしいカフェ『CAFE PUISTO』
ムーミンの世界をモチーフにした森は、なんと市立公園。そのなかに2018年、新たに木造りのカフェが誕生した。靴を脱いで上がれば、西川材(にしかわざい)がふんだんに用いられ、木肌が手足にやさしい。秘密基地のような階段、色ガラスの窓など、遊び心が満載で、窓の向こうに森が広がる。無農薬野菜を作る『ひより農園』が営み、メニューに用いる果実や野菜は香味がギュッ。飯能meets北欧の味を満喫できる。
『CAFE PUISTO』店舗詳細
木曜だけ扉が開く辺境のオアシス『Cafe Living Room61』
中村穣(じょう)さんは10代の頃、家出して渡米。「そこでようやく居場所が見つかったんです。日本で逃れられる場を作りたくて」と、自ら古家の改装を重ね、心落ち着く店を作った。古時計の音に重なるのはブルースギターのやさしい音色。実は穣さんはミュージシャンで、神学の教師でもある。妻の恵さんが英国在住の師匠から伝授されたスコーンや焼き菓子をコーヒーといただけば、心がゆっくりほぐれていく。
『Cafe Living Room61』店舗詳細
街道沿いの小屋の戸開けば大人カフェ『喫茶 月輪』
県道53号の脇、山なみを借景とし小屋のようにぽつんと佇む。「約8坪だけど天井が高いから中は広く感じるでしょ? 自分で絵を描いて設計士にイメージを伝えたの」と店主の横田留奈さん。大人がひとりで来られる落ち着いた雰囲気を目指し、外壁は渋いシルバーグレー、内装も白・グレー・茶色で統一。留奈さん手製のパンと月輪ブレンドでゆっくり過ごす中年客も多い。「この辺の旧名栗村は水がまろやかで、コーヒーもおいしくなるのよ」。
『喫茶 月輪』店舗詳細
単館上映の映画に登場しそうな和み空間『Cafeやまね食堂』
ウクレレ喫茶で知り合った面々が、古民家を改装してスタート。「年寄りや子ども連れが和めるコミュニティカフェにしたくて」と店主・森沢修さん。二枚看板のライスカレーセットと手打ちうどんセット各770円には自家栽培の野菜がたっぷり。カレーのうまさの秘密は「バター、小麦粉を使わずタマネギをたっぷり炒めるから」と森沢さんが言えば「愛情が隠し味」と笑う女性陣。笑顔の素敵なスタッフに会うだけでも、はるばる来る甲斐あり!
『Cafeやまね食堂』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、鈴木健太 撮影=加藤熊三、オカダタカオ
『散歩の達人』2020年2月号より